岡村靖幸の知名度について考える

先日、僕と同じ1983年生まれの岡村靖幸ファンの方からコメントを頂いた。その方曰く「同じ年で岡村靖幸を知ってる人自体まわりにいない。誰それ?って言われる確率が今のところ100%(笑)」とのこと。このコメントに非常に共感してしまった。前々から思っていたのだが、僕くらいの―――つまり1980年代前半生まれのジェネレーションにおける岡村靖幸の知名度は限りなくゼロに近い。まるで岡村靖幸なんてミュージシャンははじめから存在していないかのような知名度の低さだ。

僕の友人で岡村靖幸を知っている人は殆ど居ない(「殆ど居ない」ってことは厳密には数人は居るわけだが、その貴重な数人はいわゆるマニアックな人種なので実質的には居ないようなものだ)。同年代の人と話をしている時、好きなミュージシャンの話になることは割合頻繁にあるわけだが、その際「岡村靖幸ってミュージシャンが好きなんだよねぇ〜」と言っても「えっ、オカムラヤスユキ?知らないけど…」的な反応が返ってくる。本っ当に知名度が皆無。

一般的に、1980年代前半生まれのジェネレーションが好きなミュージシャンは、―――僕の狭いサークル内での勝手な統計を基に言わせてもらえば―――やはり1990年代後半に活躍したミュージシャンに集約しているように思う。グレイとラルク。スピッツとミスチル。ビーイング系にヴィジュアル系。オザケンにマイラバにイエモンにTMレボにジュディマリにシャ乱Q。あっ、あと小室ファミリー。ここら辺のミュージシャンたちは、1980年代前半生まれが十代の頃に活躍したミュージシャン達であり、真っ当な青春を送った1980年代前半生まれの人達は上記のミュージシャンのどれかに多かれ少なかれハマった経験があるだろう(ちなみに僕はシャ乱Qが大好きだった)。残念ながらそのなかに岡村靖幸は含まれていない。なぜなら(言うまでもないけど)90年代後半、岡村靖幸はまさに引きこもりの真っ只中だったからだ。冒頭で記したような、1980年代前半生まれにおける岡村靖幸の知名度の低さの一因には「90年代後半に長い間引きこもっていたから」という事実が挙げられるだろう。

一般的に岡村靖幸の全盛期と言えば、「だいすき」がスマシュヒットし、名盤「家庭教師」をリリースした辺り。つまり1988年〜1991年辺りが岡村靖幸の全盛期。あのインパクト大なキャラクターでテレビにバンバン出て、秀逸すぎる名曲を次から次へとリリースし、第一線で音楽活動を首尾よく行っていたのが1988年〜1991年辺り(ちなみにこの頃に青春時代を送っていたのが現在のアラフォー。アラフォーにおける岡村靖幸の知名度はやっぱり高い)。この時期、1980年代前半生まれは、まだ、園児〜小学校低学年の子供。どんなに早熟な園児でも岡村靖幸は聴かない。

岡村靖幸が全盛期だった頃、1980年代前半生まれはまだ子供。そして、1980年代生まれの人たちの物心がつきはじめた中学・高校時代に岡村靖幸は引きこもる。まるで仕組まれたかのように1980年代前半生まれは岡村靖幸と巡りあえない。1980年代前半生まれと岡村靖幸のファーストインパクトは全然最近の話だ。2003年頃からだろうか。ひたちなかで復活して、尾崎豊のトリビュートに参加して、「フレッシュボーイツアー」やって「ミラクルジャンプ」が「HEY×3」のエンディング曲に起用されて、「ニュース23」や「R30」などのテレビ番組に出ていたあの頃。あの頃が1980年代前半生まれの僕らにとっては、はじめて見る岡村靖幸だった。…と、まぁ、そう考えてみると知名度が低いのも頷ける。

●今日の動画

「だいすき」を一緒に踊っている子供達は1980年生まれくらいだろうか。それにしても微笑ましいなぁ、この動画。

「白い春」の感想

「銭ゲバ」を見て以来、自分の中で密かに続いている「連ドラブーム」。毎週決まった曜日の決まった時間に1時間ドラマを見るというのが、なんだか妙に新鮮なんすよ。以前、今回の春のドラマは「クイズショー」と「夫婦道」と「白い春」の3つを見る予定と書いたが、結局1話から最終話まで欠かさず見たのは「白い春」のみだった。というわけで、今日はフジテレビで放送されていた連ドラ「白い春」の感想を遅まきながら書こうと思う。

こんなに切ないドラマってなかなか無いのではないだろうか。最終話に近づくにつれどんどん加速度をつけながら切なくなっていったなぁ。見ていない人のために「白い春」の内容を簡単に説明すると、――― 子供は「育ての親」と「生みの親」どちらと暮らすのが幸せなのか?「育ての親」も「生みの親」もどちらも同じくらい子供への愛情を持っている。子供も「育ての親」と「生みの親」両方に対して同じくらい愛情を向けている。そんな場合どうすればいいのだろう?どうするべきなのだろう?…みたいな内容。ドラマでは、生みの親(阿部ちゃん)が育ての親に対して「お前がさち(大橋のぞみ)の父親だ」と言い、自分は身を引くのだが、それが切ないんだよなぁ。泣きはしなかったけど結構ぐっと来たよ。

最終回は、今思えば「死亡フラグ」だらけだった。今まで無愛想(元ヤクザ役なので)でツンツンしていた阿部ちゃんが周りの人達に急にお礼を言い、妙に笑顔で妙に幸せそうだった。犬猿の仲だった育ての親とも仲睦まじくなり、何もかもが良い方向に向かっていた。…そんなの死亡フラグに決まってるじゃんねぇ。ベタな死亡フラグなのだが、最近は「死亡フラグ」という概念を忘れかけていたためか、全く気付かなかった。でもその分、ラストの衝撃的な展開には驚いた。まさか殺されるとは…。なんか「振り返れば奴がいる」みたいだったな。あのドラマも確かツンツンしていた織田裕二がラストになってようやく笑顔になったのだけど、最後の最後でズブっと刺されたんだよな。

死ぬ直前の阿部ちゃんに大橋のぞみが語りかける病室でのシーンはシナリオ的には「白い春」全編を通して一番の感動シーンだったのだろうが、…もうちょい大橋のぞみに演技力が欲しかったなぁ。結局、最後までセリフが棒読みだった、大橋のぞみ…。もったいない感じがした。あそこはもっと名シーンになり得る可能性を秘めていたのに。本人は将来、女優より保育士になりたいようなので、もしかしたらこれが最後の女優業になるかもしれないですね。

さて、7月からはじまる夏のドラマは何を見ようか。あんまり良さげなのが無いなぁ。ちゃんとしたドラマは「官僚たちの夏」くらいだろうか。秋からは「不毛地帯」で決まりなのだけど…。

戯言 2009年6月

第170回:6月7日
「1Q84」読み終わった。やっぱり、まだまだ続きがありそうな予感がする。

第171回:6月8日
木村洋二が復帰。めでたいなぁ。

第172回:6月11日
ナイススティック、うめぇ。

第173回:6月15日
梅雨ですねぇ。

第174回:6月16日
最近「サーターアンダーギー」って言葉を頻繁に耳にする様な気がする。流行っているのだろうか。

第175回:6月26日
やっぱり夏はこのテンプレに限る。

第176回:6月30日
マイケルキックをする度に足の骨がポキポキなる。運動不足だな。

●今日の動画



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annzenn

マイケル・ジャクソンと岡村靖幸

マイケルジャクソンが急死。…マジっすか?この訃報を聞いてから、まだ数時間しか経っていないので、ちょっと自分的にはまだ半信半疑なのだけど、まあ、今フジテレビで急遽追悼番組が流れているし、本当なんだろうね。あのマイケル・ジャクソンが死んだ。衝撃的すぎる。…それほどファンだった訳でもないけど、なんだか結構来ますね。意外と悲しいかもしれない。享年50歳か。まだ全然若いなぁ。でも、マイケル・ジャクソンのような何もかもが計り知れない、壮絶かつ狂った人生においては、ある意味50歳くらいが寿命(限界)なのかもしれない、とも思う。近年は、例の裁判を筆頭に問題が山積しており、ミュージシャンという側面は薄れ、奇人としてのイメージが強かった。もし、生きて、来月から予定されていた復活ライブ(50公演もライブする予定だったのか)が成功したならば、また全盛期のように音楽活動を首尾よく再開できたかもしれないだけに残念だ。ご冥福を祈ります。

マイケル・ジャクソンといえばダンス。中でも有名なのは「ムーンウォーク」。そして「マイケルキック」。「マイケルキック」といえば、そう、岡村靖幸である。…ちょっと無理やり過ぎたかな。いや、やはり本ブログとしては一応岡村靖幸を絡めておかないとね。近年の岡村ちゃんは「マイケルキック」をダンスに組み込んでいないけど(なんでやらないのだろう?太ってても簡単に出来るのに)、初期の頃はやりまくってたもんな。「笑っていいとも」でタモリと一緒にマイケルキックやってたし。

岡村靖幸の耳にはマイケル・ジャクソンの訃報が届いたのだろうか。既に出所しているのであれば、これだけ大々的に報道されているのだから耳に入っているだろうけど、多分まだ塀の中に居る可能性の方が高いだろうからきっと知らないのかな。マイケル・ジャクソンの訃報を聞いて岡村靖幸は一体何を想うのだろう?岡村靖幸が影響を受けた人物といえばマイケル・ジャクソンと同い年のプリンスだが、マイケルにも多少は影響を受けているだろうし。

岡村靖幸のデビューのきっかけはダンスだった。渡辺美里のレコーディングの最中に突如はじめたダンス。そのダンスがプロデューサーの目に留まりデビューが決定したというのは有名な話だが、そのとき岡村靖幸はマイケル・ジャクソンのダンスをしていたらしい(以前「岡村靖幸のダンスを舐めるなよ」という記事を書いた際、Romiさんからのコメントにて知った)。そう考えると岡村靖幸にとってマイケル・ジャクソンはある意味、恩人だな。マイケル・ジャクソンのダンスではなく、ライオネル・リッチーのダンスをしてたら、デビュー出来なかったかもしれないしね。ありがとう、マイコー。

YouTubeでマイケル・ジャクソンの動画を視聴した。やっぱり、この人のダンスは凄いな。極めてるわ。でも、案外ダンスの引き出しというかバリエーションは少ないんだよね…。いろいろ動画を見たが行き着く先はやはり「スリラー」のPV(ミュージックビデオ)だな。これが最高傑作でしょ。ミュンヘンでの「ビリージーン」のライブ映像も良いけど、肌がまだ黒くて子供のように無邪気で幸せそうなマイケル。ビビットカラーな赤い衣装が似合いまくっている「スリラー」のマイケルが一番カッコイイ。


青豆と天吾の純愛物語

村上春樹の「1Q84」が発売から僅か12日間で100万部突破だそうで。まさかこんなに売れるとは思わなかったなぁ(そもそも、村上春樹ってそんなに人気あったっけ?)。「1Q84」は発売前から(そして発売後も)タイトル以外の情報は一切公開されていない。松本人志の映画「大日本人」みたいに。どんな内容の物語なのかを全く知らせないっていう…。“プロモーションを全くしないことにより話題性を集め逆にプロモーションになる”的な方法により、ミーハーな人達の購買意欲を刺激しているようだ。さらに、今はどこの本屋も品切れ状態。なかなか手に入らないそうで、余計に価値が高まってるみたいですねぇ。

以下、「1Q84」の感想。もちろんネタバレあり。
以前、村上春樹の長編小説は新潮社と講談社で作風が違うみたいなことを書いたが、「1Q84」はやはり新潮社から発売されただけあって、これまでの新潮社作品的な傾向が強い。「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」「海辺のカフカ」のように二つの別々の物語が交互に語られていき、徐々にシンクロして行くという、村上春樹の得意とするフォーマットだし、「ねじまき鳥クロニクル」のようにがっつり三人称の重厚な文章だった。「ねじまき鳥」よりもさらに重厚になっているような気がした。どんどん重苦しくなっている。しっかりとした重量感を伴った文体になっている。初期の「風の歌を聴け」辺りの段落を空けまくってサクサク読める乾いた文体とは正反対だ。だが、要所々々で飛び出すユニークな比喩や作中に登場するクラシック音楽(1Q84では『ヤナーチェック』)や読み手の食欲を刺激する食べ物の描写なんかは健在であり、そんな描写を読んでいると「あぁ〜、村上春樹の小説を読んでいるんだなぁ」という暖かい心持ちになった。

村上春樹の小説を読むたびに僕が抱く正直な感想は「全然ワケワカラン小説だったけど、まぁ面白かったかな」というものだ。村上春樹の小説にはワケワカランものや現象がたくさん発生する。それらのワケワカランもののひとつひとつには意味やらメッセージやらメタファーやらがあり解釈があるのだろうけど、そういう小難しいことを抜きにした所で「面白い」と思える。要は「羊男」の意味は分からないけど「羊男」の存在自体は面白いと思うのだ。だって羊の着ぐるみを着たおっさんだよ、笑えるじゃん、みたいな。「1Q84」における羊男的な位置に存在するのは主にリトルピープルだが、そういう意味では、リトルピープルはワケワカランだけで面白くはなかった。声の高さで7人が振り分けられているのはちょっと面白かったけど。

「1Q84」を読み終わった後、これは結局どういう物語だったのかと考えた時、どこか漠然としてしまう。印象的な描写はたくさんあった。たとえば、はじめの渋滞した高速道路の所なんかはとてもクールなはじまり方だった。不気味な運転手と青豆の会話、非常階段を下りるところなんかはこれからはじまる壮大な物語の予兆がヒシヒシと感じられて良かった。あと終盤のすべり台から月を不思議そうに眺める天吾をひっそりと見つめる青豆とか非常に印象的だった。ただ全て読み終わった後に改めて「1Q84」という物語を眺めた時、いまいち掴み所が無いような気がする。あるいはそれが近年の村上春樹がよく口にする「総合小説」ってヤツなのだろうか。それとも、まだ完結していないからだろうか?前にも書いたが「1Q84」は「村上春樹史上最も長い小説」という触れ込みだった、しかし実際は1000ページ程であり、これでは「ねじまき鳥」よりも短い。「1Q84」にはまだ続きがある可能性がある。しっくりと来ないのはまだ“終わっていない”からかもしれない。

「1Q84」にはカルト宗教やらリトルピープルやら、いろんな話が複合的に存在しているが、この物語の一番の核は青豆と天吾の純愛ラブストーリだと個人的には感じた。最後に「青豆をみつけよう」と決心した天吾。これはある意味「はじまり」と捉えることも出来る。青豆は拳銃を口に突っ込みまさに寸前といった所で終わったがあの銃が発射されたとは限らない。…ってか絶対続編あるよなぁ。


●今日の写真
kawa