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ベイベー、お前はごっつりな奴だぜ!!

ネットに出回っている岡村靖幸の動画はだいたい全て見たつもりでいたのだが、先日、初見の動画をyoutubeで見つけた。岡村靖幸が青森のローカル番組「RABなんだわけ天国」にエッピク御三家の一人・安藤秀樹と共に出演している超貴重な動画だ。この動画は凄い!最も脂が乗っていた頃のナルシスト全快で気持ち悪い岡村靖幸が40分弱というボリューム満点の長さで思う存分楽しめるのだから。

しかし、なぜ、よりにもよって青森のローカル番組に出演しているのだろうか。謎だ。名古屋やら神奈川やら大阪やら、ある程度栄えた地方都市のローカル番組であれば理解できるけど、なぜ青森なんだろうか?でも、岡村靖幸って、意外と頻繁に青森の番組に出演している。90年前後はもちろん、ぶくぶくと太り表舞台に殆ど姿を現さなくなった90年代中頃にも、青森のローカル番組には出演し、ふざけたことをやっている。青森と岡村靖幸の間に一体どのような経緯があり、親密な関係が築かれたのかはわからないが、青森での岡村靖幸はのびのびとしており、ファンとしては嬉しい限りだ。

「RABなんだわけ天国」という番組は、動画を見る限り、深夜放送のトーク番組のようだ。当時の新譜「早熟」や初主演映画「どんなことしてほしいのぼくに」について宣伝を兼ねて話していたり、岡村靖幸と安藤秀樹にお互いの第一印象を聞いたりしている(安藤曰く岡村は「気持ち悪い奴」だったそうだ)。なかでも一番印象的なのは、スタジオに用意されたピアノを使い岡村靖幸と安藤秀樹が即興で歌うコーナー。「方言は如何にファンキーに変わるか」という趣旨のもと、あらかじめ用意された東北弁

「んだすけはぁ(そうらしい)」
「そうだなす(そうですね)」
「でんで(誰だい、君?)」
「ごっつり(すかしてやがるぜこのやろう)」
「だーず(なんっちゃって)」
「だんだおえ(そうなんだよね)」

を組み込んだ即興を披露している。これがかなり笑える。ブラックなピアノのリズムに乗せて東北弁で思う存分ファンクしている。ピアノを使ったアドリブといえば岡村靖幸のお家芸であり得意分野だが、安藤秀樹も岡村靖幸の後塵に拝することなく熱く熱唱している。しかし、やはり岡村ちゃんには適わないようだ。即興の主導権は完全に岡村靖幸が握っている。岡村ちゃんワールドが炸裂している。

急にピアノを弾くのを止め「だんだおえおえ」のコール&レスポンスをピアノの周りに居る女性たちに求める岡村ちゃん。苦笑いする女性たち。そして、画面下に、〝「客がいないと燃えない!」という岡村君の要望で急きょ集まった通行人の皆さん〟というテロップが現れる(通行人かよ)。また通行人に対し半ば強制的に「でんで(誰だい、君?)」のレスポンスをさせ、その都度「オレ有名人だよ」「靖幸だよ」「おれだよ」と、答えるパターンも馬鹿馬鹿しくて良い。無理やり方言を組み込み、笑いを取りにいったかと思えば急に真剣になり、「お前を愛してる~」とか「俺の辛い気持ち~」など、まともな歌詞を挟んだりし、最後には「ベイベー、お前はごっつりな奴だぜ!!」と叫ぶ。これには、セッション相手の安藤秀樹も笑うしかないようだ。

この動画は、1990年3月21日にリリースされる「早熟」の宣伝をしている点や「番組がもう終わるからこそ実現した~」と改変期が近いことが伺える発言などから、時期は90年の3月上旬だと思われる。映像を見ていると、この頃の、岡村靖幸の凄まじさがひしひしと伝わってくる。青森のローカルアナウンサーと思しきMCの中年男性が番組を真面目に進行している最中も、岡村靖幸は常に眉を上下させ、ナルシスティックにポーズを決めている。モニターに映る自分を確認し、目をぐいっと見開いたかと思えば、急に荘重な表情になったり、とにかく一目見ただけで「なんなんだ、こいつ」と思わせる尋常ではないオーラを発散している。この頃の異様なナルシストぶりに影響され、後に岡村靖幸のフォロワーとしてデビューしたのがミッチーなんだと思うと少々感慨深いものがある。
動画はいつ消されるか分からないので、まだ見ていない人は早めに視聴した方が良いかと思います。
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