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サブカルのすすめin2008(7月~12月)

今年もあと1日。“年末の空気感好き”な自分としては、心持寂しい。しかし僕は“正月の空気感好き”でもあるのでプラマイゼロなのである…。さて、今年最後の記事は、11月下旬からはじめた「サブカルのすすめin2008」。当初は2か月分ずつ振り返り、計6回分の記事にする予定だったのだが、なんだかんだで、まだ6月までしか振り返れていない。なので、今日は7月から12月までの6か月分(下半期)を一気に振り返ろうと思う。

【7月】
▼何もない月
月別アーカイブから7月の記事を読んだのだが、特にこれといって取り上げる内容がない。7月は、岡村靖幸の「ライブDVD全曲実況」や「純愛カウンセリング」の感想や尾崎豊のカバーアルバムの全曲解説など更新は結構しているのだが、別に振り返ることはないなぁ。

【8月】
▼今日の写真
毎回毎回、文章だけがダーっと並んだ素っ気無いブログを打破するため「今日の写真」をはじめる。携帯電話で適当に撮った写真をアップしているのだが、面白い写真が全然取れなくて困っている。本当は記事の最後には毎回必ず載せたいのだけど、載っていない記事の方が多いですね。

▼スワッ○ング
「純愛カウンセリング」の感想でスワッ○ングについて書いた。ネット内にスワッピ○グについて書かれた記事が絶対数として少ないためか、スワッ○ング関連からのアクセスやトラバが頻繁に来るようになってしまった。

【9月】
▼66歳で名盤
9月17日にリリースされたブライアンウィルソンのソロアルバム「That Lucky Old Sun」についての記事を書いた後、アルバムを購入したのだが、うわさ通りの名盤だった。ペットサウンズ以前のキラキラしていたビーチボーイズが帰ってきたかのような音だった。感動した。あと、この「66歳で名盤」という記事は文章的にも内容的にも自己評価するに今年一番の出来かもしれない。ブライアンウィルソンの悲惨な人生と岡村靖幸を繋げた辺りは秀逸だ(自分で秀逸とか…)。

▼ポニョ
今年大ヒットした「崖の上のポニョ」。普段は映画を殆ど見ないのだが「崖の上のポニョ」は見に行った。その理由の一つとして、「宮崎駿最後の長編アニメだから」というのがあった。最後なら見に行った方が後々のためにも良いだろうと思ったのだ。つまり20年後30年後になって「あの宮崎駿の最後のアニメ映画・崖の上のポニョ」をリアルタイムで映画館で見たという事実は、下の世代に自慢できるのではないか、と。団塊の世代のおっさんがリアルタイムで熱狂したビートルズを、過去の出来事として享受するしか術のない若者に自慢する、みたいなね。でも、ポニョが最後じゃないらしいね。普通に次のアニメの構想を日テレの朝の番組で語ってたし(軽く詐欺?)。

▼ミクシー入会
10年以上ぶりに、偶然会った友人に勧められミクシーに入会した。ミクシー歴3ヶ月。いまだに脱退せず、ミクシーという居心地の悪い空間でひっそりと棲息している。最初の頃は過去の行方知らずの知り合いをたくさん探せると思っていたのだが案外見つけられないものだな。

【10月】
▼「HUNTER×HUNTER」再開
5ヶ月ぶりの再会。再開と休止の繰り返しが激しいため、「HUNTER×HUNTER 再開」で検索しても、前回の再開だったり前々回の再開だったり、情報がごちゃごちゃになってしまっている。

▼3周年
10月9日で本ブログが3周年に突入。何事もなく4周年に突入したいものだ。

【11月】
▼尾崎豊熱、再燃気味
11月に入ってから尾崎豊の記事が多くなりはじめる。やっぱり尾崎豊は良い。他のミュージシャンとは格が違う。

【12月】
▼「HUNTER×HUNTER」10週分終了
「1日も早く再開できるように…何とかがんばります」だそうです。頑張ってください!

▼ギターの練習
クリスマスの夜にギターを手にしてから、毎日練習している。ギター初心者が挫折する「Fの壁」だが、押さえるのは普通に出来る。でもコード進行のなかでFが出てくると2~3秒止まってしまう。あと、ドレミファソラシドが弾けるようになった。その程度のレベルだ。
曲はこのサイトを見ながら練習しているのだが、岡村靖幸の曲が無いのが残念だ。岡村靖幸のスコアなんて売ってないだろうしなぁ。「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」のイントロを猛烈に弾きたい。コードを知っている方いましたらぜひ教えてください。


というわけで、「サブカルのすすめin2008」、これにて終了。
せっかくなので「サブカルの戯言 2008年12月」もこの記事で済ましてしまおう。

第137回:12月4日
岡村靖幸と素早くタイピングすると5回に1回は「岡村や手記」になってしまう。

第138回:12月5日
「ノンちゃん雲に乗る」…ちょっと欲しい。

第139回:12月18日
結局、サンドウィッチマンは今年ブレイクしたのだろうか?ナイツ頑張れ。

第140回:12月22日
そういえば、「ペンション」のライブ映像ってないな。名曲なのに。


来年もよろしくお願いします。
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憧れのカッティング

ネットでアコースティックギターを衝動買いしてしまった。本日19時頃、日本郵便から我が家にアコギが宅配された。予期せぬクリスマスプレゼントになってしまった。なぜ、突然ギターなんかを買ってしまったかというと、それは2日前の23日にさかのぼる…。

23日は仕事が休みで外出する予定もなかったため、昼前からお酒を飲んだ(アル中じゃないですよ。そんな飲めないし)。で、ほろ酔い気分でネットサーフィンに興じた。閲覧サイトは主にニコ動とYOUTUBE。この2大動画サイトで様々なライブ映像を視聴した。岡村靖幸やら陽水やら尾崎豊やら「たま」やらの動画を見漁った。岡村靖幸の「YO-HO」や尾崎豊が東京ドームのアンコールで弾き語った「僕が僕であるために」やたまの「お経」なんかを聴いていたら、突然、猛烈にアコギが欲しくなったのだ。

これまでにも何度かギターが欲しくなったことはあった。でも、どうせ買ってもすぐに挫折するだろうし、そもそも楽器は苦手だし(音楽の授業ではメロディオンもリコーダーも下手くそだった)、自分には向いていないものと思い諦めていた。しかし今回は、少々酩酊状態であったため、今すぐアコギを買わなければならないぞ!そして岡村靖幸のようにカッティングするんだ!そういう運命なんだ!とわけのわからない思考に陥った結果、「楽天」にアクセス。いろいろとギターを見定める。しかしどれが良いのかよくわからなかったため「教えて!goo」や「巨大掲示板」などで初心者に見合うギターがどれなのか情報収集する。その結果、どうやら「YAMAHA」のギターが、安いギターの中ではダントツで完成度が高いということがわかった。なのでYAMAHAの適当なギターを選んで速攻で買った。ライブ映像を見て「ギターが欲しい!」と思い立ってから僅か2時間弱で買っていた。まさに衝動買い。ネットで買い物をするなんて3~4年前にAMAZONで買った岡村靖幸のライブDVD「ファンシーゲリラ」以来だなぁ。

…ということで、今、僕のすぐ右横にはYAMAHAのギターがある。「FG750S」という機種(?)らしい。付属のチューナーを使いチューニングした後、コードを押さえながらジャーンと弾いてみたが…やっぱり無理だわ。いや、まあ頑張るけど、すぐに限界を感じたな。簡単なコードを適当なストロークで弾くくらいしか出来そうにないぜ!弦の張替えも自力では無理っぽいぜ!憧れのカッティングも無理。いや、まだやってないけど、たぶん出来ないだろうな。カッティングって激しくリズミカルに弾くものだから自ずとギターの音が大きくなる。つまりカッティングすると近所迷惑になってしまう。夜は「ドレミ~」の練習を単音でポロンポロン弾くくらいしか出来ないな。

ギターを実際に弾いてみて改めて岡村靖幸の凄さがわかった(あと「たま」の凄さも)。フジテレビの「夜のロックスタジオ」で弾き語った「年下の男の子」なんか凄いね。

なんで左手をパカパカさせまくってるんだろう。パカパカさせてるのにちゃんと音が鳴ってるし。まあ岡村靖幸の場合、コードをちゃんと押さえるとかいうレベルじゃないのだろうな。カッコイイな。ちなみに、29秒のカサカサ鳴らしてるのはカッティング時によく併用されるブラッシングというテクニックらしいのだが、これかなり簡単。誰でも出来るよ。

●今日の写真
akogi
さて、ドレミの練習を再開しよう。

M-1グランプリ2008の感想

もはや年末の風物詩、『M-1グランプリ2008』の感想を。何気に「M-1」をリアルタイムで見るのは初めてだったりする。毎年見逃してたんだよな。やっぱり生放送は緊張感が違うな。

今年の優勝は「ノンスタイル」。去年の「サンドウィッチマン」と同様に無名コンビの優勝だ。ただ大阪ではレギュラーを多数抱えている人気者らしく、審査員の島田やら上沼やらとは親しい間柄のようだった。関西では既にお馴染みのコンビなのだろう。しかも吉本芸人。…今思えば、ファーストラウンド終わりに、上沼、島田らと親しげに会話をしていた時点でノンスタイルの優勝は実質的に内定してたような気がする。2年連続で吉本芸人が優勝を逃すなんてことはあってはならないもの。関西ではM-1の視聴率が異様に高く関心度も高いらしいし。「関西では有名だが東京に進出してまだパっとしないノンスタイルがM-1で優勝」となれば吉本と関西圏の人間は大盛り上がりだろう。もちろん漫才の時の客の笑いの量も多かったし、ノンスタイルの優勝は妥当な結果だろう。優勝が決定した時のボケ(白い方)の号泣具合には若干引いたが、きっといい人なんだろうね。来年は東京でもレギュラー番組が増えればいいですねぇ。

以下ノンスタイル以外の漫才の感想を簡単に、

●オードリー
去年のサンドウィッチマンの再来とばかりに敗者復活からのし上がりファーストラウンドトップの得点を叩き出したオードリー。見事だった。勢いが凄かった。漫才では致命的な「噛む」という失敗を笑いに変えた時は、もはや無敵状態だった。優勝は逃したが十分でしょ。来年は仕事が増えるはず。

●ナイツ
個人的に注目していたナイツ。一番笑わせてもらった。マイペースに量産されていくボケと的確に処理していく秀逸なツッコミは名人芸だ。「メガネネタ」を2回目の漫才でつなげるのは上手かったなぁ。司会の今田も言っていたがファイナルに行くことを前提としていたんだな。面白かったけど、まあ、でもM-1王者って感じではないかも。今回優勝を逃したとなると、笑い飯のようにこの先かなりキツいかもしれない。

●笑い飯
無冠の王者・笑い飯。今回もダメだった。M-1の魔物は笑い飯に目をつけているようだ。いわゆるいつもの“笑い飯スタイル”から少しマイナーチェンジされていて面白かったのだが…。このネタでダメだったらもう無理なのではないだろうか。そろそろ芸歴も10年になるのではないか。清原のように無冠のまま終わるのだろうか。

●U字工事
お風呂に入っていたため、見れなかった。動画サイトで見れたら後から書こう。

●ダイアン
ボケの人はいつもああいう顔なのだろうか。凄く緊張しているように見えたなぁ。あんまりネタは覚えていない。

●モンスターエンジン
これもどんなネタだったか殆ど覚えていない。トイレの鏡でエイリアンの練習ってのには笑ったがあれは今田か。

●キングコング
まさかの8位。ザ・パンチの次に悪い得点ということは実質的には最下位。どうしたんだろうね。全体的にぎこちなかった。それに西野の目が怖かった。会場の空気もズッシリと重かったように感じた。この結果について、西野はブログにどんな気障な文章を綴るのだろう。

●ザ・パンチ
なぜ決勝まで勝ちあがれたんだ?と思わせる出来だった。「普段はもっと面白いんですけどねぇ」みたいなフォローがあったが普段からあの程度だよね。もともと、あのボケとあのツッコミのフォーマットからはそれほど大きな爆笑は期待できないと思う。

岡村靖幸のLyricsを舐めるなよ ペンション編

久しぶりの舐めるなよシリーズ。歌唱力、御尊顔、ダンスと来て、今回は岡村靖幸の『Lyrics(歌詞)』について。岡村靖幸の「歌詞」についてあれこれツラツラと書きつらねようと思う。

作曲家として音楽活動をスタートした岡村靖幸は、自身がエピックからデビューする際「歌詞なんて書けないだろうから、作曲だけを担当し作詞は他の誰かに頼めばいい」と思っていたそうだ。後に自らを「シンガーソングライター&ダンサー」と自慢げに称す岡村靖幸だが、デビュー当時は自らの才能に半信半疑だったようだ。しかし、誰かに依頼し出来上がった歌詞をいざ歌おうとすると全く歌えなかったという。その歌詞が一体どんな内容の歌詞だったのかはわからないが、きっとどんな歌詞でも岡村靖幸は歌えなかっただろう。なぜなら、岡村靖幸には「詞」で表現すべき個人的な「感情」や「景色」を体内に山ほど抱え込んでいたのだから。

岡村靖幸の書く歌詞は変だ。いい大人なのになぜか青春時代を舞台とした恋愛模様や煩悩や純愛を書く岡村靖幸の歌詞には、意味が通じなかったり、一見するとふざけているのではないかと考えてしまうような歌詞が多々見受けられる。巷で流行っているような、いわゆるそこら辺の普通の歌の歌詞と比べると一目瞭然だ。「そこら辺の普通の歌の歌詞」といっても非常に漠然としているが、今だったら例えばエグザイルだろうか。最近CMで頻繁に流れている彼らの新曲「Ti Amo」のサビの歌詞は「キスをするたびに 目を閉じてるのは 明日を見たくないから」。…。体裁が良いというか、当たり障りがないというか。カラオケで若者を中心に幅広く歌えそうな流行歌らしい歌詞だ。岡村靖幸はこのような歌詞を書かない。多分岡村靖幸は「体裁」なんてものは全く気にしていないのだろう。故に強烈なインパクトを有した歌詞が岡村靖幸の曲には点在している。「Ti Amo」のように“切な系”の曲で一例を挙げるとすれば『Lion Heart』だろうか。セカンドアルバムに収録されている名バラードであるが、この曲にはこのような歌詞がある。

実はさ この僕もあの日から 傘さえも開けない

この歌詞は個人的に凄く好きだ。いろいろ考えさせられる味わい深い歌詞だ。失恋の歌なので、きっと傘が開けないってことは、窓の外では雨が降っていて、外出する元気がないほど鬱々としているということなのだろうか。っていうか傘を開くくらいの気力すらないって相当危ないぞ。しかも「この僕も」ということは相手も傘が開けない状態なのか?お互い傘が開けないなんていう奇妙な症状に陥っているのか?など、いろいろと考えてしまう。抽象的でどこか独善的な歌詞であるが、『Lion Heart』の〆の歌詞は

今日はどんなお酒でも酔えないよ

意味不明な歌詞がありつつもラストはこれ以上にないくらいリアリスティックでしんみりしてしまうフレーズで終わる。憎いほど上手いではないか。他にもインパクトのある歌詞はたくさんある。中でも屈指の名盤「家庭教師」の最後を飾る「ペンション」には強烈な歌詞が集中している。冒頭の歌いだしの歌詞からして変だ。

足が疲れちゃったって君は拗ねてしゃがみこむ

なんて唐突!どんなシチュエーションであるのか説明がなされないまま、足が疲れたと拗ねる女がいきなり登場。「そんな女置いていけ」と思いつつ、次の歌詞は

でもこんな場所じゃおんぶできないよ

おんぶとか…優しすぎる。多分、ペンションの歌詞は実体験ではなく妄想で書いたんだろうな、岡村ちゃん。だって設定がありえないもの。さらに次の歌詞は

雑誌を見て「このペンションの食事に連れてって」だなんて
そんなに学校でも話したことないじゃん僕と…


まず「ペンション」の歌詞に登場する男女が学生だという事実に驚愕。しかも「そんな話したことない」間柄なのに「このペンションの食事に連れてって」という女。現実世界ではありえない展開だ。やはり岡村ちゃんが夜な夜な鬱々と創作した妄想なのだろう。裏を返せば岡村靖幸は、学校でそんな話したことのない女のコに「ペンションの食事に連れてって」と言われたいという都市伝説のような願望があるのだろうな。なんて受身なんだ。そりゃ結婚できないわ。他にも

あだ名から「さん」づけ呼びへの距離を測れないだなんて僕よりちょっぴり大人だね ねえリボン

いつも思うのだが、“あだ名から「さん」づけ呼びへの距離”ではなくて“「さん」づけ呼びからあだ名への距離”じゃないか、普通は。そして「ねえリボン」という歌詞。リボン?足が疲れたと拗ねる女の名前がリボンなのか。わからない。永遠の謎である。このように全編に渡ってなんだかよくわからない歌詞が占めているのだが、ワンフレーズだけ心を揺さぶる歌詞が出てくる。

oh My baby 素敵だぜ いつか青春を振り向いた時 最高の夏、そして一番美しく心に灯したい

それまでのどこか可笑しい歌詞も、このワンフレーズを聴いた瞬間に何とも言い難い哀愁が帯びていくようだ。またここのフレーズのメロディも秀逸であり、聴いた人の脳内にそれぞれの大切な風景を呼び起こすであろう絶大な威力を有している。「ペンション」以外にも岡村靖幸の書く歌詞にはオリジナリティ溢れた、面白くて、ポジティブで、時にはエロい語りなど、ステキな歌詞がたくさんある。

「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」の「寂しくて悲しくて辛いことばかりならあきらめて構わない大事なことはそんなんじゃない」のメッセージ性についてや「だいすき」の「ねぇ3週間ハネムーンのふりをして旅に出よう」という歌詞の暖かな世界観についてや「家庭教師」や「いじわる」のエロ歌詞の裏に潜む切実さについてなど書きたいことはまだまだたくさんあるのでいずれ書こう。

母恋ひの記

13日土曜日に放送されたNHK時代劇スペシャル『母恋ひの記』の感想を。

普段は全くテレビドラマを見ないのだが、昨日放送された『母恋ひの記』の原作は、僕の好きな作家の一人である谷崎潤一郎の中篇小説「少将滋幹の母」。これは見ないわけにはいかない。谷崎の代表作といえば長編小説の「細雪」だ。過去に何度もテレビドラマ化、映画化、舞台化され、その美しくも儚く壮観な物語は名作とされている。しかし谷崎の真骨頂といえばカオスを喉に詰め込んだような変態物語だ。「痴人の愛」「卍」などのカオス作品こそ谷崎潤一郎の味が出ている。谷崎作品を形容する時によく使われる言葉として「妖艶」やら「耽美主義」やらがあるが、個人的に思うに妖艶というよりは単に「エロス」なのであり、耽美主義の『美』の部分は病理的に激しく倒錯している。『母恋ひの記』の原作である「少将滋幹の母」は間違いなく「細雪」側の作品ではなく「卍」側の作品である。

話の大筋は――80歳の老人(大滝秀治)が50歳も年下の美女(黒木瞳)と結婚し幸せな日々を送っている所からはじまる。ある日、大滝秀治は時の権力者・時平の陰謀により、自分の妻を引き出物として上納せざるを得ない状況に追い込まれる。酒の席での酔った勢いもあり大滝秀治は、泣き叫び嫌がる黒木瞳の腕を引っ張り、時平にプレゼントする。その4~5年後に大滝は亡くなる。ここまでがプロローグ。話の本筋は大滝と黒木の間に生まれた子供・滋幹(劇団ひとり)が母と再開するために生きる紆余曲折の人生を40年という長い月日を背景に描いたものだ。

時代は平安時代が舞台なのだが、上記のストーリーを見れば一目瞭然なように、平安時代である必要性が全くない。幼い頃に生き別れになった母親を子供が生涯にわたって探す話…現代でも充分描ける(バラ珍)。故に「NHK時代劇スペシャル」となっているが、言葉遣いや格好や舞台セットなどが時代劇風なだけで話の内容はいつの時代でも問題のない普遍的なものだった。

冒頭に大滝秀治と黒木瞳の幸せな結婚生活を描くためにベッドシーン(布団か)のようなものがあるのだがこれが衝撃だった。「ワシみたいな老いぼれが夫で幸せか」「幸せですとも」みたいな会話をしながら大滝秀治が黒木の両肩に手を置くのだが、徐々に大滝の右手が黒木の肩から胸にスライドしているのだ。このスライドの仕方が絶妙に曖昧にナチュラルだった。しかし胸にスライドしたものの大滝の手は硬直したかのようにずっとパーのまま。揉まないのかよ…みたいな。逆に不自然だったな。

酒の席で最愛の妻を時平に渡さなければいけなくなり発狂するシーンのカオス感も秀逸だった。大滝秀治の悲壮感溢れる顔は凄い迫力だった。風がビュービューと吹いていたり雷が鳴っていたりする演出は、いかにも文学作品の映像化といった趣が出ていて良かった。

母と再会するべく頑張る滋幹(劇団ひとり)も、いい感じに発狂していた。何度か会う機会が与えられているのに異父弟が「あなたは母を美女だと思っているかもしれないが今は違う。疱瘡(顔がブツブツになる伝染病)にかかりヒドイありさまだ」と言われ、滋幹は会うのをやめてしまうのだ。本当は疱瘡なんてのは異父弟による嘘で実際は今でも綺麗なままなのだが…。滋幹は母に対しマザコン以上の感情…いわばエディプス・コンプレックスくらいのドロドロとした感情を抱いているのだろうか。それとも幼くして母と別れたため自分の中で母が神格化されたのだろうか。いずれにせよ「母の顔が醜くなった」という嘘情報を耳にしたがために会うのを止めてしまう。そして狂う。挙句の果てには暗がりの部屋で発狂しケタケタ笑ってる(嗚呼、谷崎っぽい)。

最後はなぜか山篭りして修行し(リョウガか)、身を清めた後で推定60歳の母に会いに行く。しかしちょうど十日前に亡くなったとことを知る(「天の夕顔」のオチと被っているような)。絶望する劇団ひとりを映しながら物語りは終了。なかなか面白かった。劇団ひとりの演技も良かったし(滝にうたれるシーンはコントっぽかったけど)。NHKだから途中でCMがないのも良い。時間も9時から始まって10時15分には終了。ほどよい長さだ。2008年に見たドラマは「めぞん一刻」と「母恋ひの記」の二つなわけだが、「めぞん一刻」の10倍は面白かった。

1日も早く再開できるように・・・何とかがんばります

10月から連載再開された「HUNTER×HUNTER」が今週で終わってしまった。ジャンプで10週連続掲載ってことは約3ヶ月なわけだが、もう3ヶ月も経ってしまったのか!時の流れの残酷なまでの速さにブルブルと震え上がってしまう。既に12月も中盤だし、そろそろ「ザ・テレビジョン」の年末年始特大号が発売されるし(今年も表紙はスマップなのか)、この調子だと、2008年もあっという間に終わるんだろうな。

今週の「HUNTER×HUNTER」で遂に長きに渡る「ユピーVSナックル・モラウ・シュート」が終了。長ーい闘いのなかでユピーは肉体的にも精神的にも大きく成長し、最後は対戦相手のナックル達に対し敬意のようなものすら見せ、トドメをささないまま王のもとへ行ってしまった。結局、ユピーに完敗してしまった討伐軍だが、シュートもモラウも最終的には死ななかったので良かったのではないだろうか。まあモラウはキレてたみたいだけど…。それにしても、ユピーは僅か10分程度の間に何回変身したのだろう。最初はただの筋肉隆々の男だったのに、随分複雑な造形になってしまったな。なんかちょっと仙水っぽいし。

今週号の見所は個人的には久しぶりに登場したノヴだ。ある意味ユピー以上の変貌を遂げたノヴ。思わず吹いてしまった。なんだ、あの禿げ具合は。あのまま髪を伸ばしたらセンリツになるのでは?はじめはメガネにスーツ姿のクールなキャラだったのに。宮殿に近づくにつれどんどん醜くなりオタクっぽい顔になり、護衛隊のオーラに触れただけで一瞬にして震え上がり白髪頭になったノヴ。ってか宮殿突入から10分程度しか経ってないのになんで禿げたのだろう。宮殿突入前のマンション空間での打ち合わせの段階ではまだ髪はあったし、クールだった。震え上がってはいたものの冷静に指揮をしていた。それなのに何故?宮殿突入後の10分間にノヴの身に何があったんだ。…何もなかったはずだ。こっそりシュートを助けただけだろ。それだけでなんで禿げるんだ。これはもう冨樫の悪ふざけとしか考えられないな。まあ面白かったから問題ないけど。

最後は王VSネテロ会長。戦う気のない王に対し、王の名前を餌になんとか戦おうとするネテロ会長。名前なんてどうでもいいような気もするが、案外この『名前』というのが大事になってくる気もする。自分が何者か分からない王にとって『名前』は重要な意味を持つのかもしれない。しかも自ら殺した母親が付けてくれた『名前』。来年の連載再開時は王とネテロのガチンコのバトルが見られればいいなぁ。

さて、今回の10週連続掲載だが、振り返ってみると相変らず展開が遅いもののバランスは良かった。あまり描かれていなかった「ゴンとピトー」「王とネテロ」のやりとりが描かれていたし、キルアのカッコイイとこも見れたし、「ユピーVSナックル」はやっと終わったし。イカと海老のペスカトーレ対決が序盤に2週連続で掲載された時は「大丈夫か」と思ったが、終わってみればとてもバランスの良い10週だった。

そういえば、10週のうち3週分も読み逃してしまった。今までの自分からすれば考えられないことだ。リアルタイムでジャンプに掲載されているHUNTER×HUNTERを読むということのアリガタミが薄れてきてるのかもしれない。昔は、数ヶ月に一度しか掲載されなかったり、掲載されたとしても、子供の落書きみたいな絵で掲載されていたり、挙句の果てには1年半以上休載したりと、まあそれはそれは滅茶苦茶だったわけだが、今思えば僕はそんなロックでブレイクスルーな冨樫が好きだったのだ。最近の冨樫はちゃんとし過ぎてるよ。10週連続掲載という制約のなかできっちりと描き上げ、10週連続掲載の後は再開未定としながらも、3ヶ月程度という早期でカムバックしてるし。3ヶ月って速い。冨樫なんだから冨樫らしくもっと休んでくれ。1年でも2年でも休んで結構だ。そして久々のジャンプ再開後、作画崩壊の絵をジャンプに掲載して全国500万人のハンターファンを落胆させてくれ。ハンターの熱心なファンなんてみんな変態マゾ野郎なのだから。

サブカルのすすめin2008(5月・6月)

久しぶりの3日連続更新。調べてみると3日連続で更新したのは7月以来だとさ!さて、今日は新緑の5月・6月を振り返る。

【5月】
▼hide memorial summit
5月といえば、3日・4日に味の素スタジアムで行われた「hide memorial summit」だ。「XJAPANも再結成したし、ちょうど今年はhideの10回忌だし、ちょっとお祭り騒ぎでもしようか」みたいなノリで開催が決定したのだろうか。今思えば、復活ライブから僅か1ヶ月後という短い期間でよくライブしたもんだ。こんなに精力的なXは珍しい。hideのためなら、重い腰(文字通りYOSHIKIの腰は重い)を上げるんだな。世界ツアーもこれくらい身軽にやればいいのに。
hideの命日である5月には毎年追悼ライブが行われていたようだが、近年規模は小さくなっていたようだ。テレビ東京で放送されたヴィジュアル系専門番組「VISUAL SHOCK」では2007年5月の追悼ライブの模様が流れていたが、ZEEPくらいの箱でhide with Spread Beaverのメンバーが開催していたようだ。今回の超大規模な「hide memorial summit」に関してhide with Spread Beaverのメンバーはどんな心持なんだろうなぁ?だって、毎年ささやかながらもhideへの愛情と敬意を込めて追悼ライブをやり、そこには暖かなファンが集まり、親密な空間を築きあげていたと思うんだ。それが突然今年になってYOSHIKIが「今年は10万人規模のライブをやっちゃいます」と。チケットは1万5千円です、と。しかもhide with Spread Beaverの皆さんはXJAPANやLUNASEAやディルアングレイが登場する2日目ではなくマイナーなミュージシャンが多めの1日目に出てもらいます、と。口には出さないだろうけど、少し複雑な想いを抱いていたような気が個人的にはした。2日目のクライマックスの無敵バンドの際もSpreadの皆さんは居なかったようだし。来年のhide追悼ライブをどうなるんだろうねぇ。継続が何よりも大切だと思うんだけどな。

▼目安
5月8日。岡村靖幸に懲役2年の判決が出た。前回が懲役1年6ヶ月で今回が2年だから、覚せい剤で捕まっても、せいぜい2年程度で出られるってことなんだな。意外と刑が軽くない?まあ覚せい剤で捕まった人に懲役10年とか出したら、刑務所がヤクチュウで溢れかえってしまうか。2008年5月に2年の求刑が出たのだから出所時期は2010年の5月。だだし、前回の出所時期は2007年の4月ごろとの予定だったのに、実際は2007年の3月には東京環境会議での復活が決定していた。よくわからないが、実際の懲役期間より早めに出てこられるシステムになっているらしい。ということは、今回も2010年の5月より早めに出てくると思われる。ただ、今回は出所後、治療に専念するらしいので復帰は未定だと思われる。
……まあ、上記に書いたような一連の内容は本ブログで何回も書いているから、今さらな感じが漂よいますね。これ読んでいる人も「そんなこと知ってるよ」って感じなのでしょうねぇ。とりあえず、2010年の5月まではオツトメ。で、刑務終了後、カラダを純化するため名越先生のもと治療しながら沖縄でスローライフ。その治療期間を暫定的に1年と予測する。というわけで、2011年の5月、つまり地上派放送が終了し地デジに完全移行したくらいの時期に、46歳の新生岡村靖幸が復活するのではないだろうか、と本ブログでは勝手に考えている。まあ、全く適当な目安だが無いよりは良いではないか。


【6月】
▼全曲解説終了
2月からはじめた岡村靖幸の全曲解説が終了。6月7日には「岡村靖幸のすすめ」と題し、これまでに書いた全ての全曲解説を一つの記事にまとめた。それからFC2の編集機能に備わっている「お絵かきエディター」を使いアルバムジャケットのイラストを描き、載せた。この記事をアップしたときはカタルシスだったなぁ。

▼生TOSHI
6月24日。アリオ札幌で行われたTOSHIのインストアライブを見てきた。Xの復活ライブとhide memorial summitからまだ間もない頃だったから、かなりウキウキしながら行った。歌は凄かった。声量が凄かった。今冷静に考えれば単純にマイクの音量が大きかっただけかもしれないが、圧倒されたよ。よく素人の歌に対し「カラオケレベル」という言葉が使われるけど、TOSHIの歌を聴いた後だと、その言葉の意味が心底理解できたよう気がした。改めてプロの歌って凄いわ。そりゃ歌を歌うことを生業としているんだから、上手くて当たり前なんだけどさ。
歌には感動したがTOSHIにはあまりオーラが無かった。やはりロケーションが悪かったからなぁ。ただのスーパーだもの。やっぱりXのTOSHIは豪華なセットが組まれた東京ドームとかでこそ輝くんだよ。スーパーとかTSUTAYAの一角で歌っちゃダメだ。
そういえば、今年見た唯一の芸能人がTOSHIだ。やっぱりライブに行かないと人生もったいないよなー。来年の4月に北海道厚生年金会館で行われる山下達郎のライブのチケットをゲットしたいのだが、普通に取れるのかなぁ。

川本真琴、岡村靖幸を語る

今までは、ブログにYouTubeの動画を埋め込んだ場合、その動画と関連動画数種類しか視聴できなかったが、昨日アップした尾崎豊の「太陽の破片」の動画をふと見てみると画面の上部に検索欄が設置されていた。確か昨日の夜はなかったはず。出来立てホヤホヤの新機能なのだろうか。これがあればYouTubeにアクセスしなくても自分のブログで動画がいくらでも見れる。ちょっと便利だ。でも、こんな機能を設置してYouTubeサイドに得はあるのだろうか?広告スペースもないようだし。どうでもいいか。

せっかくなので検索ワードに「岡村靖幸」と打ち込み検索してみた。すると「川本真琴、岡村靖幸を語る」という動画が表示された。この動画、探してたんだよ!前に一度見たのだけど、凄く笑えるというか微笑ましい岡村ちゃんエピソードが川本真琴の口から語られていてお気に入りだった。最近はどの動画サイトにもアップされていなかったんだよな。今日はこの動画について書こう。

まず、この動画は何のために撮られた映像なのかがイマイチよくわからない。左下でポニョポニョと跳ねているピーチマークがあるということは、岡村靖幸のファンクラブ限定配信の特典映像とかだろうか…いやそんな親切なVTRをエピックが制作するわけないか。そもそも90年代に配信なんて高度なものはないしな。右下の目玉の親父みたいなロゴ(EE?)も何か分からない。番組のロゴだろうか?それともレコード会社のロゴだろうか?わからない(詳細を知っている方求む)。とにかく川本真琴が2分足らずの短い時間のなかで岡村靖幸について語っている。

▼一番最初会ったとき北海道のツアーの帰りで凄いいっぱいイクラの醤油漬けを持っていて「みんなで食べようよ」みたいな

「北海道のツアーの帰り」ということは、96年に行われた「真・禁じられた生きがいツアー」か「ハレンチツアー」か、どちらかだろう。96年ってことはもう充分太ってる頃。むしろ一番太っていた時期だろうか。そんな最太期にイクラをたくさん抱えている岡村ちゃん…。リアルに想像すればするほど笑えてくるのは何故だろう。北海道帰りにイクラを買い込むというベタさがなんか微笑ましい。ベタに二条市場で買ったのだろうか。で、川本真琴やスタッフに向かい「みんなで食べようよ」と…。微笑ましいなぁ。岡村ちゃんはイクラが好きなのか。ちなみに僕はイクラが食べれない(どうでもいい話だが)。プチってなったあとに口の中でこぼれる溶液のような水分が気持ち悪くてさ。

▼「好きな歌手誰ですか?」と聴かれて、その時に岡村さんって言わなかったみたいで、後から「川本さんは俺とかはあんま聴かないからね~」とかずっと言われてるんですけど(笑)

嗚呼、微笑ましい!!自分がプロデュースした、それも自分より10つほど年下の女性に対し敬語を使う岡村靖幸に好感を覚える。さすが「あだ名から“さん”づけ呼びへの距離を測れない」という意味不明な歌詞を書く人だけある。川本真琴との距離を測れてないわ、岡村ちゃん。川本真琴は昔から岡村靖幸の音楽を聴いていたらしいのだが、この時は緊張していたため肝心の目の前に居る岡村靖幸の名前を思いつかなかったようだ。そのことを後からずっとネチネチと引きずり、さらっと川本真琴に嫌味を言う岡村ちゃん。なんだこのニヤニヤシチュエーションは!

▼普段、歩いている時も踊ってたりするんで…なんっつーかなぁ。“イケてる人”なんじゃないかなぁと思います(苦笑)

「笑っていいとも」のテレホンショッキングに出演した時、恋愛ドラマを見てモヤモヤしたら部屋の中で踊っていると話していたのを思い出した。部屋の中で踊る分には問題ないが、「普段歩いている時」ってことは、外だよね。コンビニとか駅とか国道沿いの歩道とかで踊っているのか。それってただの危ない人じゃないか。しかも岡村靖幸の踊りってかなり『変』だ。誰にも真似できない(それ以前に誰も真似しようと思わない)オンリーワンなダンスだ。そんな独創的なダンスを普段歩いている時にしているのか。それとも「ミラクルジャンプ」のPVみたいな感じだろうか。冒頭のプロレス会場に向かう廊下で足先だけををキュキュとクイックさせるシーンがあるが、あの程度なのだろうか。それならら許容範囲だが、「(E)na」並に変なダンスだったら絶対職質されるよ。

Scratch of Sun

毎年この時期に放送されている「2008FNS歌謡祭」で尾崎豊の映像が流れていた。過去50年間のフジテレビの音楽番組のなかから、美空ひばりやテレサテンや石原裕次郎などと共に尾崎豊の映像が流れていた。過去50年の音楽番組のなかから尾崎豊が選ばれたのは嬉しいのだが、少し違和感があった。美空ひばり、石原裕次郎と来て尾崎豊だよ。世間的にはしっくり来ているのだろうか?皆、「故人で今でも語り継がれている大物」という共通点があるにはあるが、それならhideの映像があってもいいのにな。

「2008FNS歌謡祭」で使われた尾崎豊の映像はもちろん「夜のヒットスタジオ」で歌った「太陽の破片」だ。

尾崎豊が最初で最後の唯一のテレビ出演をした音楽番組が「夜のヒットスタジオ」だ。それまでテレビ出演せず、またそれ以降も亡くなるまで一切テレビ出演しなかった尾崎豊がなぜ1988年に「夜のヒットスタジオ」にゲスト出演したのかというと、1987年の暮れに覚せい剤所持で捕まったことが関係していると思われる。捕まり、また音楽活動を始めるにあたり、ある種の“けじめ”としての出演だったようだ。歌う前の司会者とのトーク時には覚せい剤所持で捕まったことに触れられ、尾崎豊が「ご心配おかけしました」という会話があるし、「太陽の破片」という歌は尾崎がクスリに手を出すきっかけとなったニューヨークでの絶望の日々のなかで苦心しながら作った曲だ。

それにしても、なぜ数ある音楽番組の中から「夜のヒットスタジオ」に出演したのだろうか?いかにも「芸能界ど真ん中」的なイメージが「夜のヒットスタジオ」にはある。リアルタイムでは知らないが、今で言う「うたばん」的な番組ですよね。尾崎豊なら「ミュージックフェア」とか「Mステ」(タモリとの共演が見たかった。ちなみに尾崎豊は「テレホンショッキングに出たい」と冗談半分で言っていたらしい)の方が似合っているのに。

「夜のヒットスタジオ」の俗っぽさと尾崎豊の神経質な感じが融合した結果非常にカオスな映像になっている。尾崎の後ろに配された、ひな壇には森進一やチェッカーズが座っている(尾崎豊は母のために森進一からサインをもらったという)し、スタジオの床にはスモッグがモヤモヤしてるし。普段テレビに出ない人がテレビに出たら違和感が生じるのは当たり前だが、これほどまでに浮いているのは珍しいのではないだろうか。

友好的な交りが望めないであろう尾崎と夜ヒット。シンクロ率ゼロパーセントの緊張感がピリピリと漂っている。しかし、司会者とのトークが終わり歌に入った瞬間、尾崎の独壇場になる。イントロから全力で叫んでいる。顔がくしゃくしゃになるほど熱く叫んでいる。たぶんこの人にはテレビだろうが歌を通して表現する場合には常に本気になってしまうのだろうな。初っ端のイントロから叫んで顔が原型を留めないほど崩れても決して「恥ずかしい」とか思わないのだろう。

「2008FNS歌謡祭」で使われた映像は上に貼ったYOUTUBEの動画の5:10~だ。「昨夜眠れずに~」という印象的なAメロでもなく、サビでもなく、曲の一番最後のフレーズから流れていた。なぜ最後なんだ?と一瞬疑問に思ったが、すぐに納得した。歌い終わってからの尾崎のシャウトを流したかったんだろう。なかなかわかってるな、フジのスタッフは。グッジョブ。歌い終わってからのシャウトがイントロの叫び以上に凄いことになっている。もはや絶叫。テレビでこんなに絶叫する人って珍しい。しかも尾崎の場合は「こんな風に絶叫したらウケるかな」みたいな狙いが全く無く、天然で絶叫しているから圧巻だ。尾崎のシャウトが流れている時に右下のワイプに写っていたコブクロの黒田の「うわっ、スゲーな」みたいな、心持ニヤけた表情が印象的だった。

生涯で「夜のヒットスタジオ」に一度しかテレビ出演しなかった尾崎豊だが、晩年はテレビ出演に前向きだったという。実際1992年にはテレビ出演が決まっていたらしい(ソースは忘れたけど)。もし、尾崎豊が今でも生きていたら普通にテレビに出演する人になっていたかもしれない。今夜の「2008FNS歌謡祭」にも出演していたかもしれない。

追記
こっちの動画ではトークの部分も見れる。
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