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映画「ダークナイト」の感想

今週のTBSラジオ「伊集院光深夜の馬鹿力」のなかで、パーソナリティの伊集院光が映画「ダークナイト」を大絶賛していた。ラジオで伊集院がおすすめの映画や音楽なんかをリスナーに紹介することは決して珍しいことではない。過去にもテリーギリアムの映画やら向田邦子脚本のドラマやら、最近では「僕らの音楽」で桜井和寿と対談した縁から番組内でミスチルのニューアルバム「SUPERMARKET FANTASY」の収録曲のなかからお気に入りの曲として「水上バス」をかけたりしている。伊集院のおすすめ作品だからと言って「これは絶対見なければ!聴かなければ!」と思うほどの伊集院マニアではないので、大概はスルーしていたのだが、今回の「ダークナイト」はスルーせずDVDを買い見てみた。以前からすこぶる良い評判を幾度と無く耳にしていたので実はずーっと気になっていたんだよなー。以下感想。

「ダークナイト」とはバッドマンシリーズである。故に主人公はバッドマンなのだが(そうですよね?)、「ダークナイト」はヒース・レジャー演じる悪役のジョーカーが“オイシイトコ”を全てかっさらっている。「ダークナイト」の脚本だけを読めば、決してジョーカーの独壇場になってしまうような偏ったストーリーにはなっていないはずだ。むしろ脚本上では検事のデントが最もオイシイ役所として描かれているだろう。しかし「ダークナイト」を見終わった後にはジョーカーで頭が一杯になってしまう。これはひとえにジョーカーを演じているヒースレジャーの演技力が神がかっているからだろうな。156分と長い映画だが、ジョーカーが画面に映っているだけでワクワクする。ジョーカーが次々に行う狂ったテロ行為を見て「悪いやっちゃな~」と思いつつも、内心カッケーと思っている自分がいる。とっても魅力的なのだ。

対してバッドマンはダサダサである。そもそも僕は「バッドマン」についての知識が皆無なので、よくわからないのだが、バッドマンはいつもあんなにメンタルが弱いのだろうか。何人も人を殺し大々的なテロ行為をゲーム感覚で楽しみながらやっているジョーカーを殺せないだなんてヒーロー失格じゃないか。ジョーカーみたいな狂った奴は、ノータイムで抹殺するくらいのメンテリティでないと街の治安は守れないし、ヒーローじゃないよ。作中ではゴッサムの市民が正義の味方であるはずのバッドマンを糾弾するシーンがあったが当然といえば当然だ。バッドマンがいるからジョーカーは現れたわけだし、ジョーカーを殺す機会がありながらバッドマンは寸前で止めたりしているわけだから、責められて当然だよ。それに、メンタルだけじゃなく格闘もそれほど強くない。犬に苦戦してたもんな。「ダークナイト」だけでは、バッドマンのどこがそんなに魅力的なのかよくわからない。やはり「ダークナイト」の主人公はジョーカーだ。DVDのジャケットもジョーカーがドーンと一人で映っているし。

評判通りの面白い映画だったが、アメリカでの大ヒットは異常だと思う。ヒースレジャーが公開前に亡くなり注目度が高まった(死はある意味最強だもんな)というのもあるかもしれないが、タイタニックに次ぐほどの大ヒット映画になるほどではないような気がする。映画の大枠はありふれたハリウッド映画って感じだし、特に後半の顔半分が焼けたデントの暴走ぶりには既視感すら覚えた。まあ、それでもジョーカーの狂気を見るだけでも十二分に見る価値のある映画だろう。

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gennkoukann
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