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信じてみてもいいかもしれない

僕が岡村靖幸のファンになったのは2004年だった。 2004年の岡村靖幸といえば尾崎豊のトリビュートアルバムに参加し、「ROCK IN JAPAN FES」に参加し、久しぶりのオリジナルアルバム「ミイミ」を発表し、今は亡き筑紫哲也の「NEWS23」や国分とイノッチが司会の「R30」にテレビ出演していた頃だ。2004年はいわゆる「禁じられた生きがい」以降の引きこもりがちだった岡村靖幸がようやく表舞台にカムバックした年。岡村靖幸を語る上で2004年とは、記念すべき年だった。そんな記念すべき年に僕は岡村靖幸のファンになった。

しかし僕がファンになってから僅か数ヵ月後の2005年4月に岡村靖幸は逮捕されてしまった。そのニュースを知った時僕は落胆した。久しぶりに(しかもかなり本気で)好きになったミュージシャンがファンになってたったの数ヶ月で逮捕されたのだから…。

それから、2年後。2007年3月に岡村靖幸は出所し、小林武史が主催する「東京環境会議」で復活した。所属事務所とレコード会社が決まり、シングル「はっきりもっと勇敢になって」をリリース。全国ツアー「岡村靖幸TOUR '07 告白」を開催。ようやくの復帰に僕は歓喜した。

岡村ちゃんが復活したのだ。こんなに嬉しいことはない。「告白ツアー」は残念なことに僕が住んでいる札幌での公演はなかったけど、次の全国ツアーでは札幌公演の可能性も十分に見込めるだろう。近いうちにニューアルバムもリリースされるのだろうと、そう前向きに考えていた。長い時間がかかったけれど、やっと現在進行形で岡村靖幸のファンになれたのだと嬉しく思った。

しかし、2008年2月。「東京環境会議」の復活から1年足らずで岡村靖幸は再逮捕された。岡村靖幸が再逮捕されたという事実はネットニュースで知った。その瞬間、僕は思わず笑ってしまったのを今でも覚えている。なんだか馬鹿馬鹿しく思えて笑ってしまったのだ。でも、すぐに真顔に戻って…。ムカツクほど悔しくて切なかった。

さらに時は流れて、それから3年半後。2011年8月27日。「SWEET LOVE SHOWER」という音楽フェスで岡村靖幸は何度目かの復活を果たした。

今だから言う。…正直に言おうと思う。

僕は「SLS」で岡村靖幸が復活するという事実を知っても特に何も思わなかった。「へぇ…そうなんだ」程度の感想しか抱かなかった(抱けなかった)。セルフカバーアルバム「エチケット」がリリースされるという知らせを受けても「なんでセルフカバーなんだろ?カバーなら別に買わなくてもいいんじゃねーの?」といささか批判的な姿勢でいた。東名阪の「エチケットツアー」の開催に関しても「今回はいつまで持つのかねぇ…」と冷ややかな思いを拭えないでいた。気づけば、いつのまにかブログを長期間放置していた。

「裏切られた」という言い方がおこがましいことは十分承知している。しかし2004年に「久しぶりに好きなミュージシャンに巡りあえた!応援しよう!」と思った矢先に逮捕され、2007年に「よし今度こそ」と思ったらまた再逮捕され…という過去が僕にとっては決して小さくはないそれなりのサイズのトラウマになっていたことは確かだ。

そんな、ある日、「エチケット+(プラス)ツアー」の開催を知る。どうやら札幌公演もあるようだ。「まぁ・・・・一応」と思い先行予約でチケットをゲット。期待なんてしていなかった。どちらかといえば冷めていた。ライブの前日になっても実感は全く沸かなかった。札幌公演の「エチケット+(プラス)」のチケットを見つめながら「僕は本当に明日岡村靖幸のライブに行くのだろうか?やっぱりやめておこうか?」と訳のわからないことを考えたりもした。

そして、1月15日のZeppSapporo。初めて生で岡村靖幸を至近距離で見た。1曲目の「どぉなっちゃってんだよ」で岡村靖幸が僕の視界に入った。そりゃ岡村靖幸のライブに参加しているのだから、岡村靖幸が視界に入るのは当たり前なのだけど、「岡村靖幸が目の前にいる」っていう、ただそれだけで「岡村ちゃんだぁー!!!!」とテンションが自分でも信じられない程上がってしまった。で、2曲目の「カルアミルク」で少しだけ泣いてしまい…ってライブのレポは既にアップしているか→岡村靖幸LIVE TOUR2012『エチケット+(プラス)』@Zepp Sapporo

最終曲の「アウトオブブルー」が終わり、汗だくの岡村靖幸がステージから去り、客電が灯り、僕はその場に呆然と立ち尽くしていた。想像していたよりも遥かに素晴らしいライブだった。がむしゃらに一生懸命な岡村靖幸のライブを見て「もう一度…信じてみてもいいかもしれない」と心から思った。

2012年1月15日のライブ以降、僕のなかで久しぶりに岡村靖幸熱が再燃している。ブログの更新頻度からもわかるように、今の僕は熱いのだ(アチチチ)。僕がこれほどまでに再び熱くなれた理由は、なによりも今回の復活に懸ける岡村靖幸がひたむきなまでに真摯であったからなのだろう。それに尽きる。

というわけで、今回の記事では「岡村靖幸の奇跡の復活」のファーストインパクトの舞台となった「SWEET LOVE SHOWER」の映像(以前、わらびもちさんから提供していただいたDVDです)について書く・・・・つもりだったのだが…思いのほか前置きが長くなってしまったので次回にしよう(笑)
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「早熟」を巡る冒険

  先日、岡村靖幸の再販CDを5枚買った。「早熟」以外の5枚である。ご存知のように「早熟」はベストアルバムだ。だから、別に買わなくてもいいだろとその時は思ったのだ。しかし、「早熟」以外の5枚をPCに取り込み、ライナーノーツを読み、改めて歌詞カードをじっくり読みながら聴き、細部まで凝った作りの紙ジャケを眺めていたら…「せっかくだからコンプリートしようかしら・・・」という気持ちになったのだ。というわけで、本日JRタワーのHMVに再度赴き「早熟」を購入してきた。

僕は基本的に買い物をする場合には、なるべく最短で済ましたい性格なので、この間HMVで「早熟」以外の5枚を買った時は、一直線に岡村靖幸の特設コーナーに向かい、素早く「早熟」以外の5枚を手に取り、すぐさまレジに向かった。

しかし、今回はちょっと戸惑ってしまった。だってあのジャケットだよ。エメラルドグリーンの背景をバックに岡村靖幸史上最もキモい顔で微笑んでいる「早熟」をレジに持っていくのは、ちょっと気が引けてしまう。そこで、妙案を思いつく。「早熟」のインパクトを軽減させるためにカモフラージュとしてもう一枚何かCDを適当に買えばいいではないか!と。まるで中学生が「週刊少年ジャンプ」をエロ本の上にしてレジに持っていく時のような心境だなと思わず苦笑いを浮かべてしまった。なぜ28歳にもなってこんな厄介且つ面倒な想いをしなければいけないのだろう。まったく、岡村靖幸ってヤツは…。

HMVの店内をぶらぶら徘徊し物色する。「なーんか欲しいCDあったっけなぁ?」と考える。そして閃いた。そうだトミー・エマニュエルのCDを買おう。トミー・エマニュエルとは、僕の最も尊敬するギタリストで、通称「アコギの神様」と呼ばれる驚異のテクニシャンギタリストだ。個人的には、はっきり言ってクラプトンよりも桁違いに上手いと思う。

しかし、HMVをいくら探してもトミーのCDが置いていない!なぜだ?HMVは一応外資系のCDショップじゃないのか?おいおい何で置いてないんだよ。札幌の中心街にあるこのHMVに置いていないという事はおそらく道内のあらゆるCDショップを探してもトミーのCDは取り扱われていないのだろう。まったく、やれやれだ。

気を取り直し、トミー以外で欲しいCDはないかなぁ?と5分ほど真剣に考えたのだが全く思いつかず。レッチリの新譜は別にいらないし、プリンスは中古で買えばいいし、「サブカルのすすめ」の管理人としては「ももいろクローバー」でもチェックしておこうかとも考えたが正直「ももクロ」とかしゃらくさいし、フランツ・フェルディナンドのサードアルバムはこの前買ったし、特設コーナーがやたらと設けられているホイットニー・ヒューストンは興味ないし、などと様々な想いを巡らせながら、店内を20分ほどぐるぐると徘徊していたら、ひどく具合が悪くなってきたので、オゲッ、「早熟」だけでいいや!と心に決めた。

決心を固め「早熟」を手に持ちレジに歩を進める。途中チラっと「早熟」のジャケットに目をやる。「まったく。なんでこんなにキモい顔してるんだよ…」とため息をつきつつ、無事「早熟」を購入致しました。

家に着き、「早熟」をPCに取り込み、部屋のコンポで再生する。うーんやっぱり良いな。「PeachTime」「DOGDAYS」「Shining(君が好きだよ)」の3曲(実は名曲ぞろいの3曲)は本作でしか聴けないし、買ってよかった。フルコンプリートした達成感も得られたし、買って後悔はない。

追記
先日予約した「エチケット」の限定版ブルーレイが1万800円。今回の再発6枚で1万5千円。岡村ちゃん関連の出費が痛い昨今である。まぁ、この出費の何割かはダイレクトに岡村靖幸の口座に振り込まれるのだと考えれば“オゲッ問題ないまくり”ですけどもね。

やっぱり「エメラルドグリーン」好きなんだ(笑)

追記2
「早熟」と共にやっとこさ「ミュージックマガジン」購入しました。本人のインタビューはないのですねぇ。残念。次は「Eye scream」でしたっけ?追いかけるだけでも大変だね。
soujyukuanndomyu-maga

追記3
「早熟」の紙ジャケを開くと・・・・・!!!!超絶にキモイなー。この太い眉毛!この目付き!心持膨らんだ小鼻!極めつけは乳首立ってるよ?…指で隠して自主規制しときました(笑)。
hiwai 

岡村靖幸はキモくない?

 岡村靖幸のパブリックイメージといえば何だろう?世間的にはやはり「川本真琴のプロデューサー」や「渡辺美里に曲を提供していた人」というイメージが強いのだろうか?ある程度岡村靖幸を知っている人であれば「和製プリンス」「シンガーソングライターアンドダンサー」「変態」「カルアミルク」といったワードが挙がることだろう。近年であれば「覚せい剤」というイメージも悲しいかな強いかもしれない。

上述したようなイメージが岡村靖幸のおおよそのパブリックイメージだと思われるのだが…僕が抱く岡村靖幸のイメージといえばだたひとつである。それは“キモイ”だ。岡村靖幸はキモイのだ。岡村靖幸のCDを聴けばそのねっとりとした歌い方から、その赤裸々な歌詞から、その卑猥な語りから、ヒシヒシとキモサが伝わってくる。ライブ映像で動く岡村靖幸を視聴すれば、そのナルシスティックな目付きやプリッとした肉付きの良いお尻(プリケツ)や激しくデェーンスする岡村靖幸を見ては「岡村ちゃんキッモイなー」と微笑ましく思うのだ。

一般的に“キモイ”という言葉は褒め言葉ではない。本来は悪意をふんだんに含んだ言葉だ。しかし、岡村靖幸は例外である。岡村靖幸に対して“キモイ”という言葉を使うとき、それは深い愛情のこもった“褒め言葉”となるのだ。

岡村靖幸のファンになってからというもの、ずっと岡村靖幸はキモイものだと信じて疑わなかった。しかし、先日の「エチケット+ツアー」の札幌公演に参戦して、気づいてしまったのだ。「あれ?岡村ちゃん全然キモくなかったな…」と。ライブ自体は「岡村靖幸LIVE TOUR2012『エチケット+(プラス)』@Zepp Sapporo」でも書いたようにとんでもなく完成度の高いスッバラシイライブだった。「カルアミルク」を聴いて嗚咽を洩らし、「ハレンチ」のあとに「ステップアップ↑」がはじまったときは失神しそうになるほどエキサイトした。でもライブが終わって、家に着き、一息つき、お茶を飲み…改めて札幌公演の岡村ちゃんを思い返してみて思ったのだ。「そういや岡村ちゃん全然キモくなかったな…」と。

今の岡村靖幸にはキモい要素が希薄だ。だって、むしろカッコよかったもの。ダンディで中年の渋さが漂っていた。「いじわる」を歌うときはそこそこエロかったけど決してキモくはなかった。キモいというよりはセクシーという言葉の方が適している感じだった。

もしかしたら岡村靖幸はキモくないのだろうか?我々岡村靖幸ファンは岡村ちゃんに対して「キモイ」というレッテルを半ば強引に押し付けていたのかもしれない。そりゃ「早熟」のジャケットは否応無く最高に気持ち悪いし「LIVE家庭教師91」の「家庭教師」での寸劇は次元を超えた変態性を噴出させている。でも考えてみれば、それは20年以上前の話だ。20年前の印象を今の岡村靖幸に押し付けるのは酷かもしれない。

最近の松岡英明のインタビュー。昔の岡村ちゃんについてこのように語っている。

僕らと一緒に遊んでいる時なんかはいたって普通の人間ですよ。常識もあるし、話も通じる(笑)。当然、節々に岡村節も出てくるんですが、メディアに登場している"岡村靖幸"とはまったく違う一面も見せていました。本人は僕に「素の部分をバラすなよ」なんて言うこともなかったけど、それは裏を返せば、彼が徹底してキャラクターを作り込んでいたということなんでしょうね。

これからもわかるように、「yellow」から「家庭教師」の頃の岡村靖幸は意識的にキモくてナルシスティックな王子キャラを作りこみ、演じていたようだ。まぁ、本当にあれほどまでに自信満々でナルシストな人間であれば、覚せい剤なんかに手は出さないだろう。本当は弱くてどうしようもないほどに傷つきやすい人間だからこそ“どつぼ”に嵌ってしまったのだろう。

思うのだが、たとえキャラクターとして作りあげたものであったとしても、岡村ちゃんのキモサは唯一無二の魅力を有している。だって、普通の人には「早熟」のジャケットみたいな気持ち悪い顔はどう頑張ったって絶対に出来ない。あれほどまでにキモイ顔は岡村靖幸にしか出来ない。岡村靖幸がキモイというのはキャラ云々以前の問題だ。生まれながらにして先天的なキモサを持ち合わせているのだ。そう、岡村ちゃんはめちゃくちゃにキモいのだ。

では、なぜ今の岡村靖幸はキモくないのか?あくまでも僕の勝手な推測だけど、それはやはり“本人が自重している”からではないだろうか。過去が過去だし、年齢も年齢だし。昔みたいに周りがどん引きするようなキモさ全開のパフォーマンスをすることに気後れを感じているのではないだろうか。

キモさの代替として今の岡村ちゃんはとにかく一生懸命だ。「エチケット+ツアー」の岡村ちゃんを見た人なら誰もが知っているだろうが、これ以上ないくらいに、別にそこまで頑張らなくてもいいのにと思ってしまうくらいに、気迫溢れる全力のパフォーマンスをしている。

今の一生懸命な岡村ちゃんはとてつもなく素敵だ。でも、昔みたいなキモい岡村靖幸を楽しみにしている人もたくさんいるはずだ。岡村ちゃんのキモサを感じて少なくとも僕は笑顔になれる。次のツアーのセットリストに「家庭教師」(もちろん寸劇付き)が入っていることを強く望む。

追記
「家庭教師」だけ買うつもりだったのだけど・・・全部買ってしまったよ。こんな高級感の溢れる紙ジャケは初めてだ。さすが初回仕様限定版だけあって細部まで丁寧に作りこまれている。大事にしよーっと。 
saihanCD.jpg
追記2
あっ「早熟」は買ってないです。買わなかった理由はですね…あの…簡単に噛み砕きながらぁ~ひとつひとつぉ丁寧に説明するとあの…その…レッツギョウ♪(エチケット『渋谷AX』VER)

追記3
「岡村靖幸の記事」の更新しました。「おすすめの記事」を5つセレクトしました。

岡村靖幸のおしゃべりエチケット ~ライナーノーツに憧れて~

2011年8月14日にスペースシャワーTVで放送された「おしゃべりエチケット」。この番組はタイトルからもわかるように岡村靖幸が“おしゃべり”している。1時間番組なのだが、終始岡村靖幸は喋っている。先日、大盛況のうちに終了した「エチケット+(プラス)ツアー」では白石さんがあの手この手で岡村ちゃんから話を引き出そうとしても一言も喋らなかったくせに「おしゃべりエチケット」での岡村靖幸は、まぁ饒舌である。これほどまでに素の状態で普通に喋っている岡村靖幸の映像を1時間も堪能できる「おしゃべりエチケット」は岡村靖幸ファンにとって非常に貴重な番組なのではないだろうか。

以下、「おしゃエチ」(誰が最初にこう略したのだろう?)の感想。ちなみに、この番組はスペースシャワーTVで放送されたため未見の方が多く、また動画サイトにも全くアップされていないので番組の内容・構成の概要をなるべく解説しつつ、感想を書いていこうと思う。



オープニングはエチケットVERの「あの娘僕がロングシュート決めたらどんな顔するだろう」が流れる中、夕方の校舎、グラウンドの片隅にある水飲み場、誰もいない体育館、夕日の差すバスケットゴールの映像が次々に映る。青春のノスタルジックな風景が流れるなか、とある教室が映し出される。放課後の教室だろうか?西日の光が強烈に差し込む教室。窓際の一番後ろの席に全身黒ずくめの怪しい大男が座っている。岡村靖幸だ。

岡村靖幸の居る教室に一人のおじいさんが入ってくる。一瞬、校長先生?かと思わせる風貌のおじいさん。このやさしそうなおじいさんは今回岡村靖幸のインタビュアーを務める小倉エージ。音楽評論家&料理評論家だそうだ。岡村靖幸は思春期の頃、小倉エージの書いたライナーノーツをたくさん読み、曲とその曲の出来た背景などに思いをはせていたそうだ。小倉エージが岡村靖幸に近づき握手したところでオープニングは終了。

学校の教室にて、岡村靖幸と小倉エージの対談がスタート。
初っ端からややテンション高めで小倉エージのライナーノーツについて熱く語る岡村ちゃん。僕を含めた多くの人たちにとって、おそらく小倉エージという人物はただの気の良いおじいさんでしかないと思うのだが、岡村靖幸にとっては特別な人らしく、その話しぶりから敬愛の念を抱いていることが伝わってくる。小倉エージのライナーノーツの素晴らしさについて語る岡村靖幸。そして、ライナーノーツの書き方について語る小倉エージ。とても、息のあった素晴らしい対談なのだが、終始岡村靖幸は自分の口元に指先を当てていたり(指先のバリエーションが多彩!)、少々目が半開き気味だったり、相槌する時ひどくか弱い細い声で「はぁい はぁい」と発していたところが気になり対談にあまり集中できなかった。つまりは話の内容よりも、喋っている岡村靖幸という生き物の観察にどうしても神経がいってしまうのだ。

ライナーノーツの話の後は「デビューまでの道のり」を語る。「yellow」を制作する際は新人ということもあり、自分のやりたいようにしづらい現状があった。しかし、妥協はしたくないので、思ったことは言う。「余計なことしないでください」「好きなように演奏しないでください」「そのエフェクター使わないで僕の持ってきたやつを使ってください」と思ったことは全て口にしたそうだ。もちろん周りの人たちは、いい顔をしない。ストレスは溜まる一方だったとのこと。

この話をしている時の岡村靖幸の表情がやや怖い。きっと当時嫌な想いをたくさんしたのだろうな。「DATE」からはすべて自分一人でやるようになり随分楽になったという。「yellow」と比べて「DATE」はクオリティが遥かに高くなっていることは誰の目から見ても自明だし、岡村靖幸にとっても、ファンにとっても、岡村靖幸が一人で制作する体勢に移行したことは音楽面においては良きことなのだろう。少なくとも「家庭教師」までは…。それ以降は、一人で全て制作する。レコーディングスタジオに一人でこもり没頭する。本来なら人に任せるはずだった歌詞を苦しみ悩みながら書く。誰も助けてくれない。助けを求めたくもない。周りは岡村靖幸を天才と言う。…という流れが岡村靖幸を蝕み苦しめていたのではないかと思うと悲しくもある。

教室の対談が終わったあとは「二人のお気に入りの街を散策」。まずは小倉エージのお気に入りの町・浅草寺を散策する。岡村靖幸が浅草寺を散策!浅草寺といえば日本屈指の観光名所だ。僕も高校の修学旅行で歩いた。平日・祝日関係なくディズニーランド並みに一年中人で混み合う浅草寺。そんな人で混み合う浅草寺を岡村靖幸が歩いている。それだけでなんかもう…笑いがこみ上げてくる。この映像が撮影された季節はおそらく初夏(たぶん5月から7月の間くらい)だと思われる。もちろん周りの人たちはみな半袖である。そんななか岡村ちゃんは超厚着である。フード付きのロングコートを着用している(ちなみにインナーは白と黒のボーダーのシャツ。可愛い)。ただでさえ違和感があるのにこの服装である。ちなみに小倉エージも長袖の黒のドレスシャツを着ている。なぜに二人して着込むのだろうか?寒がりなの?それとも黒縛りなの?

異様な格好の二人が浅草寺を歩く。周りの人たちは「あら?芸能人かしら」と岡村ちゃんと小倉エージの顔を伺うものの「・・・・誰?」的な顔をしているのが面白い。小倉エージの知人の店に紹介され人形焼を食べる岡村靖幸。小倉エージと人形焼のご主人が二人で会話している中、一歩引いた所で黙って人形焼を食べる岡村ちゃんが愛おしい。

次の店に向かう道中、岡村靖幸が「こういうとこ来たらおみくじ引いたりしますか?僕は絶対引かないです」と言い小倉エージが「何で?」と訊くと岡村靖幸は食べかけの人形焼を両手で弄くりながら「やなのが出たら落ち込むじゃないですか~」とこれ以上ないくらいにニタっと微笑みながら言う。おっ!でた!ちょっとキモイぞ!岡村ちゃんよ!最近の岡村靖幸はキモさが薄れ、渋くなっているから僕は心配していたのだが「落ち込むじゃないですかぁ~」とニヤつくキモい岡村ちゃんを見て安心したよ。

小倉エージに案内され「祭り用品専門店」に到着。小倉エージは祭りや神輿が好きらしく、岡村靖幸に祭りの魅力について熱く語る。自分の趣味の店に来たためかテンションが上がり、表情がほころぶ小倉エージ。それに反比例するかのように明らかにテンションダウンな岡村靖幸。「へぇ~」「いいですねぇ~」「目移りしますねぇ」と表情を失くした魚のように適当な相槌を連発している。そんな無表情な岡村靖幸に気づかないテンションMAXの小倉エージおじいちゃんは満面の笑みで「どうですかぁ!一式揃えて来年一緒に担いでみたり!」とまさかの祭りのお誘いをもちかける。。岡村靖幸は虚ろな目をしながら「いいですねぇ」というのが精一杯だったようだ。

「祭り専門店」を後にし、次は岡村靖幸のおすすめの街の散策である。
岡村靖幸のおすすめの街は「かっぱ橋」界隈。なぜか、全身金色の河童の像の前に立つ二人。金の河童を3秒ほど無言で凝視したあと岡村靖幸は低音ボイスで「ヌハッハッハ」とまるで王様のような笑い方をする。何だその笑い方は。凝視していた3秒の間に岡村靖幸はどんなことを想像したのだろう?とても気になる。

岡村靖幸が紹介した店は「そばの道具の専門店」と「食品サンプルのお店」。ある意味、岡村ちゃんらしいなぁ。この辺から岡村ちゃんと小倉エージの仲がだんだんと親密になってきているように感じる。二人とも笑顔が多くなっており、会話はとてもスムーズだ。まるでゼミの教授とゼミ生が久しぶりに再開したかのような暖かい雰囲気が漂っている。

互いのお気に入りの街の散策が終わった後は銀座の中華料理店で食事をしながら「エチケット」について語る。出される料理は料理評論家でもある小倉エージが考えたメニューとのこと。

食事をしながらの会話だからしょうがないといえばしょうがないのだけど、岡村ちゃんが、まぁ食べること食べること。しかも一口がめっちゃ大きい。話している最中にもそのタイミングで食べるのかよっと突っ込みたくなることがしばしば。料理を食べて「おいしい」「すごくおいしい」を連発する岡村ちゃん。料理を食べた後の自分の感想のボキャブラリーの少なさに気づいたのか「これじゃ料理番組に呼ばれない」と嘆く岡村ちゃん。えっ、料理番組に出たいのか?もちろん冗談だろうけども、いろいろと妄想のし甲斐のある発言をしてくれるな。もしも、岡村ちゃんが「三分クッキング」に登場したら…。「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」に登場したら…。想像するだけで愉快だ。言葉なんてなくとも岡村ちゃんの一口でがぶっと豪快に口に放り込む食べ方は見る人の食欲をそそるかもしれない。いつか、料理番組に出てほしいなぁ。

メインディッシュの料理が運ばれてきた折に岡村靖幸のメインディッシュといえば「セックス」と小倉エージが言い、話は岡村靖幸の歌には「セックス」に関する曲が多いという話題に。「日本語で直接的な比喩で歌われていることが少ないだけで、黒人音楽では普通であり、伝統的なこと。僕にとっては自然なことなんです」と真面目に答える岡村ちゃん。しかし、小倉エージは「セックス」について語る時、顔がにやけている。やはりあの年代でセックスという言葉を口にするのは照れがあるのだろうか?そして、ここに来て気づいてしまったのだが、どうやら小倉エージはあまり岡村靖幸の歌を知らないっぽい(「どぉなっちゃってんだよ」を「どぉなっちゃってんだろ」と言っているし)。「セックス」という曲に関しても自身の個人的な性体験の曲だと勘違いしている節が見受けられる。ご存知のように「セックス」という曲で歌われている「セックス」とは性差やジェンダーという意味合いのセックスだ。「君があらゆることをやったところで世の中には不平等な性差がある、あん時言ったろ」というような救いのないシビアな歌詞だ。ちゃんと聴き内容を理解していれば「セックス」という曲を語る時にニヤニヤしたりすることはないと思うのだが。

「祈りの季節」についても、世の中に対する風刺・警鐘・メッセージが含まれているのですか?という質問をしているのだが、それに関しても僕は少しだけ違和感があった。「岡村ちゃんの歌に風刺とか警鐘とかってちょっと違うんだよなぁ」と引っかかったのだ。岡村靖幸はそれに対して「自分も含めてどうなっているのだろうっていう…。僕は不安です。自分の心の引き出しにうまく入れられないです。…みんなどう思う?って感じです」と話していた。僕はそれを聞いてなんだか感動した。岡村靖幸の歌を聴いて日頃自分が感じていたことと同じだったので嬉しかったのだ。

なんかこういう風に書くと小倉エージを批判しているように思われるかもしれないけどそういうわけではない。僕は「おしゃべりエチケット」を見て小倉エージにかなり好感をもった。洋楽に関する知識が豊富だし、眼鏡はチャーミングだし、何よりこの人絶対に悪い人じゃないのだろうなーという暖かい雰囲気が素敵だ。

「エチケット」についての話が一通り終わり、最後にライナーノーツについてもう一度話す。
「今回はライナーノーツがテーマですけども、僕はライナーノーツを読んで思いをはせて、知的好奇心をくすぐられて、歌詞カードを読んで曲を深く理解して。それはとてもいいことだと思うんですよね。イマジネーションが沸くし。歌詞カードとライナーノーツの付いているものを見たり聴いたりすることをおすすめします」という岡村ちゃんのスッバラシイお言葉で「おしゃべりエチケット」はおしまい。



というわけで、長々と「おしゃべりエチケット」の感想を書きましたが、これを読んでも実際に映像を見なければなんのこっちゃかわかりませんよね。「おしゃべりエチケット」が映像作品として発売される可能性は限りなく低いだろうし、やはり動画サイトにアップされるのを見つけるしか方法がないのが辛いところです。でも、ほんの少しでも「おしゃべりエチケット」での岡村ちゃんの雰囲気が伝わればとても嬉しいです。

追記
ちなみに「おしゃべりエチケット」はナタリーのこの記事で大方読めます。それから「サブカルのすすめ」のライバルブログ(!)である「しょっちゅう場外級のファール打ってます」では「おしゃべりエチケット」の文字起こし&素敵なイラストがアップされています。

「家庭教師」のライナーノーツ

2月15日に岡村靖幸のアルバムが再販される。それに伴い開催されたライナーノーツ選手権大会。僕は「家庭教師」のライナーノーツを書いて送った。結果は見事に落選。…わ、わかっていたさ!わかりきっていたこと…のはずなのだけど、入選作品の発表を見るときはドキドキした。そして、自分の名前が無いことに落胆した。こんなチャンス二度とないよなぁ。残念無念。

失意のなか、入選作のライナーノーツを読んでみる。感想は「…レベル高すぎだろ」である。これじゃ僕の書いたのが採用されるわけ無いわ。完敗である。特に「靖幸」と「早熟」のライナーノーツが個人的にはお気に入りだった。クオリティが高く上手いこと書けている。

全体的にライナーノーツというよりは「岡村靖幸と私」をテーマにした作文といった趣の文章が多かった。僕もはじめはこの路線で文章を書こうと考えていたのだけど、この路線は20年来の往年のファンにのみ許された特権だということに気づく。だってリアルタイムでそのアルバムと出会ってなければ書けないもの。それに最近のファンが「岡村靖幸と私」について語る場合はどうしても“逮捕”がチラついてしまうし。

「ライナーノーツを読みながらCDを聴くことはとてもロマンティックな行為」と岡村靖幸は話していた。僕は岡村靖幸のこの発言に重きを置くことにした。ライナーノーツを読みながらCDを聴くのであれば、やはり曲の解説をメインにやったほうが良いだろう。それならいっそのこと「アルバムの概要はさらっと短めに書き、残りは全て曲の解説に費やす」というフォーマットでいこうと決めた(「yellow」の入選作と同じ構成ですね)。そのほうがCDとライナーノーツの親和性が高くなるだろうし。

そこで、僕のやましいたましいは気づいてしまったのだ。曲の解説なら既にくどいほど本ブログに書いているではないか。…それを使えばいいんじゃね?ライナーノーツの執筆に取り掛かったのは締め切りの1日前で時間が無かったし、これは妙案ではないかとその時は思ったのだ。

しかし、応募規定には「未発表作品に限る」とある。仮に入選したとして、後から「あれ、これどっかで読んだことあるな」となれば僕は糾弾されてしまう。なので、原稿を応募する際、「応募規定に『自作の未発表作品に限ります』とありますが、今回、送らせてもらった原稿は私が個人的にやっているブログに以前掲載した文章を元に加筆修正したものなのですが、これは規定違反でしょうか?規定違反なら申し訳ございません」という一文を添えさせていただいた。

というような経緯で完成させた僕の「家庭教師」のライナーノーツが以下である。よかったら以下の文章をプリントアウトして「家庭教師」のケースに挟んでください。yuji仕様の「家庭教師」にすることをおすすめします(笑)



“家庭教師”

Written by yuji

「家庭教師」は1990年11月16日にリリースされた岡村靖幸の4枚目のアルバムである。デビューアルバム「yellow」で華々しくデビューを飾り、2ndアルバム「DATE」でその隠しきれない個性を開花させ、3rdアルバム「靖幸」で溢れんばかりの才能を自由自在に駆使し、オーディエンスにその天才ぶりを知らしめた岡村靖幸。アルバムをリリースする度に確実に進化していることが窺い知れる。特に「靖幸」においては一つの高みに到達している。ポピュラーミュージックからプリンスの影響が香るファンクミュージックに移行し、アレンジはどんどん濃厚になり、歌詞は赤裸々になっている。そして、何よりも曲の隅々に岡村靖幸が滲み出ている。金太郎飴のようにどこを切り取っても岡村靖幸が滲み(切りどころによっては噴出している)出ており、それはまるで“岡村ちゃんワールド”とでも言おうか、岡村靖幸にしか創り上げることの出来ないオリジナルな音楽が「靖幸」では展開されている。「靖幸」の時点で岡村靖幸はある種の高みに到達したと言えよう。しかし、本作「家庭教師」を聴けばそれはまだ通過点に過ぎなかったことに否が応でも気づくだろう。

「家庭教師」は怪物である。聴くものに強烈な中毒性をもたらし、繰り返し何度もリピートさせる魔力を有している。一度聴けば最後、しばらくの間は“岡村ちゃんワールド”から抜け出せなくなるだろう。もし、あなたが本作を初めて聴くのであれば、「家庭教師」はあなたにとってあらゆる邂逅を超越した特例となるだろう。あなたの持っている多くのCDのなかでも特別な輝きを放つ大切な一枚になることだろう。

以下、怪物アルバム「家庭教師」の曲目解説

1 どぉなっちゃってんだよ
オープニングからガツンとくる衝撃的なファンクナンバー。爪弾くように弾き出された威勢の良いエレキとファンク色の濃厚なリズムが見事にかみ合ったサウンドは病み付きになること間違いなし。圧縮されたテンションの高いイントロだけでこのアルバムの底の知れない傑作ぶりの片鱗が伺える。そして歌いだしの第一声「ヘップバラ(Hey everybody)」で完全に心が捉えられる。ややヒップホップ調のメロディラインにひと癖もふた癖もある言葉を乗せて歌っている。まるでヴィジュアル系のようにねっとりと歌う歌唱は前作の「靖幸」よりも格段にパワーアップしている。

2 カルアミルク
どこか屈折していたり、変態っぽかったり、いい大人なのに学生時代の青春模様を題材にした曲が多かったりと、何かと大衆性の低いコンテンツをメインに歌ってきた岡村靖幸だが、「カルアミルク」はストレートに恋愛の歌だ。「今六本木にいるからおいでよ。カルアミルクで仲直りしよう」という内容の歌詞をセンシティブな演奏に乗せて歌っている。「六本木」という固有名詞が印象的なアクセントとして味わい深く響いている。

3 (E)na
楽器編成がとても賑やかで音の密度が高い。多種にわたるパーカションが隙間なく鳴っておりヘッドフォンを装着し耳を澄ますと数え切れないほどの楽器が潜み暗躍しているように感じる。サウンドは重厚でまさに「ウォール・オブ・サウンド」と化している。サウンドの向こう側が透けて見えることは決して無いだろう。やや喧騒を感じないでもないが、ギリギリの線で不協和音にはなっていない所はさすが。ちなみに、ライブで「ナーナカナーカナカ」というイントロが流れるとファンたちは、両手を挙げ手首を前後に振る。岡村靖幸のライブでは数少ない「お決まり」である。

4 家庭教師
ひと癖もふた癖もある名曲ばかりが収められた「家庭教師」。そんな曲ばかりが集まったアルバムのなかでも、さらに頭ひとつ飛び越えて異色さを燦々と放っているのが、タイトルチューン「家庭教師」。あらゆる意味合いにおいて、他を遥かに圧倒し凌駕している。この曲を聴かずして岡村靖幸は語れない。また、映像作品「LIVE 家庭教師 '91」に収録されている「家庭教師」では岡村靖幸の戦慄的なパファーマンスが見られる。必見である。

5 あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう
前曲のドロドロとした暗闇の室内から一転、突然太陽が燦々と降り注ぐ健康的な外界に放り出されたような爽やかなアコギが気持ちよく鳴っている。キャッチーで空まで突き抜けるようなフレッシュ且つイノセントなギターリフが印象的。タイトルからもわかるように青春真っ盛りの名曲。青春時代特有の刹那的な時間の流れを歌っている。まるでタイムリミットのように忙しなく刻まれるドラムに胸騒ぎを感じる。一番は、「あと15秒でバスケの試合が終わる瞬間」、2番は「あと15分で引越しし旅立つ瞬間」が歌われている。どちらも胸が締め付けられるような限られた時間のなかに存在している。時間の前では人間は無力であり抗うことはできない。そんな脱力感や焦燥感が描き出されている。

6 祈りの季節
大人の雰囲気がぷんぷんと漂うジャジーなサウンドに乗せ、ねっとりとした声で歌っている。ほんとこれ以上ないくらいにねっとりと…。歌っている内容はずばり少子高齢化について。「老人ばっかじゃBaby バスケットもロックも選手がいなくなってオリンピックに出られない」と、とてもユニークな歌詞が素敵。

7 ビスケットlove
「祈りの季節」からのムーディな余韻を残したままメドレーではじまる「ビスケットlove」。「だいすき」で効果的に使用された子供のコーラスが今回も良いアクセントとして使われている。それにより、幾分明るめの曲調になっている。しかし、その明るさは陽気なものではなく、どこか退廃的に感じられる。全体的にけだるい。リベラルな性の匂いがぷんぷんと漂っている。そんなかったるい雰囲気と無邪気な子供の「すごーいすごーい」という声のギャップが言い得もせぬ折衷的な世界を形成し、中毒性を高めている。

8 ステップUP↑
アフリカの民俗音楽のようにリズミカルでシンプルな太鼓が鳴り、ビッグバンドのように迫力のあるアンサンブルが被さり、「イーヤッホー」と声帯がえぐれるようなジェームズブラウン風のソウルフルなシャウトが響き渡る。これほどまでにハイになれるイントロはそうはない。最高にエキサイティングなファンクナンバー。

9 ペンション
ラストを飾る曲はバラード。ナイーブで刹那的なキーボード。決してキャッチーとはいえないが流麗なメロディライン。神経質な文学青年のように凡庸な自己に向けられた自虐的な怒りが切ない。ペンションは「家庭教師」というアルバムのラストに在ってこそ魅力的に輝く曲ではないだろうか。きっと「どぉなっちゃってんだよ」から「ステップUP↑」まで聴いた後に最終曲として聴くべき曲なのだろう。そういう意味では「ペンション」には単体(シングル)としての資質は低い。「カルアミルク」「イケナイコトカイ」「友人のふり」のように曲単体が一人歩きしていくような強味はない。「家庭教師」の最終曲としてしか生息出来ないくらい儚く脆弱で、まるでカタストロフのような存在なのだ。しかし「ペンション」の有する宿命的な脆弱さに強く惹かれることだろう。そして、これほどまでに儚い曲を創作する岡村靖幸を切実に愛さずにはいられないのだ。

エチケット+(プラス)報告会

予告通り2月11日(土)20時30分からチャットを開催します。タイトルは「エチケット+(プラス)報告会」です。今回のツアーについての話題を中心に、皆さんといろいろお話できたらなと思っています。

チャットのやり方はとてもシンプルです。「名無しさん」と書かれている欄に名前を入力するだけです。それからですね…、出きればで全然構わないのですが、名前を入力する時、、自分の名前のあとに参加した会場名を記してください。例えば、僕の場合だと「yuji@Zepp Sapporo」となります。AXの二日目に参加した正広さんの場合は「正広@AX二日目」といった具合になります。

「エチケット+(プラス)」に複数回参加した方は最も印象に残っている会場名を記し、さらに★を付け足してください。★は複数回参加した人の“しるし”とします(剛@STUDIO COAST二日目★)。

「エチケット+(プラス)」には行かなかったけど、過去にDATEに行ったことのある方はツアー名を名前の後に記す(“吾郎@フレボ”“慎吾@家庭教師”)。

岡村靖幸のライブにまだ行ったことのない人は・・・名前のあとに好きな岡村ちゃんの曲を書きましょう!(且行@ どぉなっちゃってんだよ)。長いタイトルの曲の場合(一つしかないけど)は略しましょう。

というルールでやろうかと考えてますがもちろん、強制ではありませんので、名前だけでもオゲッです。


というわけで、アドレスは

「終了しました。ありがとうございました」

豪華3点セット

昨日、仕事から帰宅するとポストに郵便物が投函されていた。なんだろう?この怪しげな角形封筒は…。手に取り宛名を見る。おぉ、これは例のブツではないか!

ことの経緯を説明すると…以前、本ブログに「スペースシャワーの映像が見れていないんだよなー。動画サイトにもアップされていないし。残念。」と書いたところ「よかったら録画したDVDをお送りしますよ」というありがたいコメントをわらびもちさんという方から頂いた。普段の僕ならありがたいことだと思いつつも「ありがとうございます。でも結構です。お気持ちだけでとっても嬉しいです!」的なコメントを返すのだけども、スペシャの映像に関しては狂おしいほど見たかったのだ。もう、喉から足が出るほどに。毛穴から血が出るほどに。…すぐさま「おねがいします!」と返信している自分がいたよね。

部屋着に着替え、一息つき、角形封筒を丁寧に開封する。例のブツはご丁寧にプチプチの衝撃緩和材に梱包されていた。お洒落なレターセットに綺麗な文字で書かれた手紙も添えてある。なんだか、あまりのお気遣いに少々申し訳なくなる。そして、プチプチをはがすと…
DVD
岡村ちゃんがプリントされている!なにこのクオリティ!レベル高すぎるでしょ。商品化できるレベルですよ!これ見てとても笑顔になってしまったよ。

わらびもちさんから頂いた映像は、

「LIVE エチケット」
「SWEET LOVE SHOWER」
「おしゃべりエチケット
(←この映像突っ込みどころ満載すぎる )

の豪華3点セット。

ついさきほど、全て視聴し終わったのですが、もう最高だった。「LIVE エチケット」を視聴して先月の札幌公演の記憶が蘇り(19のかわいいダンスも見れた!)、「SWEET LOVE SHOWER」で岡村靖幸のカムバックに改めて感激し、「おしゃべりエチケット」で普通に会話している岡村ちゃんに驚愕した。

番組の感想や内容は近いうちに詳しく書く予定です。特に「おしゃべりエチケット」に関しては岡村ちゃんの一挙手一投足を執拗に取り上げ、ネチネチ突っ込みたい所存でございます。…こんな風に書くと「おしゃべりエチケット」での岡村靖幸が相当ボケまくっているみたいに思われるかもしれないが、そういう意味ではない。至って普通だ。普通過ぎるくらい普通だ。でもね、想像してごらん?想像できる?浅草寺で人形焼を食べながら人ごみのなかを歩いている岡村ちゃんを。「『そば』と『うどん』どちらが好きですか?」とベタな質問をされて「そばの方がよく食べる可能性が高いですね」とややまどろっこしい答え方をする岡村ちゃんを。普通の人がやれば普通のことなのだけど、岡村靖幸だとそういう普通の光景が僕にはとても面白く映るのだ。普通が故に面白いのだ(何回“普通”って言うんだ、自分)。

というわけで、感想は近日中に(きっと)アップします。

追記
「SWEET LOVE SHOWER」から「LIVE エチケット」までは期間としてはたったの数ヶ月なのに体重が倍増しているよね。SLSくらいの体型がいいなぁ…。

追記2
明日の2デイズで終わりか。本当にいろいろと「+(プラス)」されたツアーだったなぁ。

ヒトカラのすすめ

アコースティックギターを弾く時、いつも注意を払っていることは“大きな音を出さないこと”だ。僕はマンション住まいなので部屋でジャカジャカ弾くと上と下の階の住人に迷惑をかけてしまう。だから常に細心の注意を払いつつ小さな音で弾いている。ギターをはじめてからの約4年間、ずっと小さな音で細々と弾いてきた。もちろん、たまには誰の目(耳)も気にせずに思いっきりジャカジャカ弾きたいという衝動に駆られることはあった。でも、だからといってそのために、わざわざスタジオを借りるのは大袈裟だし、公園や河川敷なんかで弾くのはちょっと恥ずかしいし、などと考えあぐねた末「まぁ、小さい音で我慢するか」といつも諦めていた。

しかし、先日の「エチケット+(プラス)」の札幌公演の岡村靖幸のギタープレイに僕は非常に感化されてしまったのだ。弦がぶちっと切れるのではないだろうかというくらい、強烈なアタックでガンガンと無遠慮にストロークする岡村靖幸を見てスゲーと思ったのだ。そして、同時にポロポロと小さな音で弾いていた自分が情けなくなってきた。僕の今使っているギルドD55は、自分で言うのも何だがそこそこ良いギターだし、もっとちゃんと大音量でボディを振動させまくって(アコギは振動させることで音が鳴るようになる)弾き込まないとモッタイナイしイケナイコトだなと反省したのです。

ギターを大音量で弾ける場所といえば、カラオケボックスである。僕はてっきりカラオケルームを楽器の練習のために使用することは禁止されているものだと思い込んでいたのだけど、大丈夫なんですね。いや、もちろん楽器お断りのカラオケボックスもあるようだけど(ドラムは禁止されていることが多いようだ)大概の場合はOKとのこと。

幸い僕の家から徒歩5分の場所にカラオケボックスがある。一人で行くのは正直「うぅぅ…」な心持だけど、最近は「ヒトカラ」なんて言葉もあるし平日の昼間なら一人で行っても大丈夫だろう、と。それにギターを持っていくのだから、ちょっとミュージシャンっぽい服装で(ミュージシャンっぽい服装ってなに?w)行けばむしろ「キャー、あの人カッコイイ」と店員に思われるだろう!そうに違いない!!と信じ込み、勇気を出してヒトカラに行ってきました。
D55
部屋に案内され、早速ハードケースからD55を取り出す。よーし、めちゃくちゃ弾きまくってやる!と意気込みガンガン弾いた。想像以上に大きい音が出る。そうそう、D55は大きい音が出ることで有名なギターでもあるのだ。しかし、これまで小さい音でポロポロ弾いていたため、あまりの大きさに怖気づいてしまう自分がいる。なんか、こんなに大きい音で弾いたら迷惑かな?もしかしたら隣の部屋の人が迷惑に思っているかもしれないなぁ…と、インドアギタリストの悲しい習性とでもいおうか、大きい音で弾くことになぜか罪の意識がつきまとってしまうのだ。でも、罪の意識は5分ほどで薄れ、10分後には全く無くなった。そして15分後には大音量でギターを弾くことに飽きてしまった(笑)。意外とね15分間一生懸命弾き続けたらもう満足だったりするんだよね。

ギターを横に置き、オレンジジュースを一口飲む。「よし、せっかくカラオケボックスにいるんだから少し歌うか」とリモコンを一人でイジイジする。歌手名を、オ・・・カ・・・・・・・・・ム・・岡村靖幸。曲名を・・・・
シティハンター
もちろん1曲目は「スーパーガール」ですよ!!おぉしかも「シティハンター」のアニメ映像じゃないか!イントロが流れ、歌いだしの「ダーリン♪」を歌った瞬間、何とも言えない小っ恥ずかしさが全身を針のように刺し鳥肌が立った。「うわぁぁ、なんだこの感じは…」と少々戦慄を覚える。“知らぬ間に築いてた自分らしさの檻”が僕を邪魔し、ひどく恥ずかしい心持になった。しかしそれも束の間、だんだんと気持ちよくなり、気がつけば熱唱である。

「スーパーガール」を歌い終わって思った。友達や同僚とカラオケに行ったときの自分の歌唱には“遠慮”があったのだな、と。とりあえず“無難”に歌い、歌い終わったあとは「いやぁ~、歌うの苦手なんですよねぇ」と苦笑いしていた自分。本当は今歌ったみたいに感情を込めまくって岡村ちゃんみたく気持ち悪く歌いたかったんだよなぁ…としみじみ思った。それから「ステップアップ↑」「ハレンチ」「友人のふり」「カルアミルク」を立て続けに歌う。
ステップアップ
一息つき、そういえば、まだ昼ごはんを食べていないことに気づく。メニュー表を10分ほど眺め「カツカレー」を注文する。店員がカツカレーを運んでくるまでの間はカラオケを一時中断し、テーブルに楽譜を広げギターの練習のフリをする(いや、フリではないけどもw)。僅か5分ほどでカツカレーが到着。
カツカレー
超美味そうじゃん。モグモグと食す。そしてギターを放りなげ「だいすき」を入力。送信。すると本人が降臨!!!テンション上がるわっ。
本人
「だいすき」を気持ちよく歌い終わった後、カツカレーの残りを食し、オレンジジュースを飲み、新たにラーメンサラダを注文し…ふと思った。

「・・・・ヒトカラ最高すぎる!!!!!」

ラーメンサラダを食したあとは、さすがに岡村靖幸祭りも自重し、ギターを弾きまくった。振動させまくった。左手の指は弦が食い込んで痛くなった。右手は痺れ、爪からはちょっと血が出てしまった(僕はピックを使わないので)。ボディが振動しているため、おなかに振動がガンガン伝わってくるのが体感できた。きっとD55も本領発揮できて喜んでいたことだろう。

結局3時間ほど「ヒトカラ」を楽しんできた。これは癖になりそう。ストレス発散に最適だ。とてもスッキリしたよー。近いうちにまた行こうっと。


追記
前回の記事で「スペースシャワーの映像が見れないんだよな。残念」と書いたら、お二人の方から「よかったら録画したものをお送りしますよ」という嬉しいコメントを頂いた。なんか催促したみたいで申し訳ないです。視聴した際にはきちんと感想書きます。ありがとうございました。
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