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宮本輝で「花の降る午後」

神戸で屈指のフレンチレストラン(アヴィニョン)
を経営する未亡人の甲斐典子が主人公の物語。

「花の降る午後」には二つの大きなストーリーがある。
ひとつはアヴィニョンを乗っ取ろうと企む悪者たち(やくざ)との闘い。
もうひとつは、典子と貧乏だが才能のある若い画家、高見雅道との恋。
この二つのストリーは形式的には全く交わらずに物語は進んでいく。

別々に描かれている点が
キーポイントだと思いました。

この話には典子と雅道の交わりが何度もある。
数えたわけではないけど5回はあったと思う。
この情事の描写に宮本輝の力量が伺える。
例えば、村上春樹の性描写は直接的なワードや具体的な愛撫の具合
なんかが細かく描かれているが
宮本輝はちがう。
あくまでも婉曲的に描かれている。

そして本番よりもその前と後の描写に紙数を割いている。
だから陰湿なエロさはない。
かといってエロくないかといえば、すこぶるエロい(笑)

解説にこんな一文がある。

「典子は官能を生きる基準として受け入れている点で、新しく、大胆な女である。~中略~典子は雅道と快楽を貪っているのではなく、かけがえのない楽しさ、嬉しさを分かち合っていることが読者には実感されてくる」

まさに言い得て妙です。

読み進めていくうちにこの話は典子が
アヴィニョンか高見雅道
のどちらを選ぶのかという二者択一の話なんだと思った。

しかし物語の終わり方は結論を先延ばしして終わるというもの。
とりあえず、支障が出るまでは
アヴィニョンと高見雅道を両立させよう、と。
今が幸せならとりあえずいいじゃないか、
という結論。

ぼくはこういう終わり方好きです。
いわゆるハッピーエンドですからね。

ジョン・アーヴィングみたいに
小説が終わったあとも
物語は続いていくという姿勢に
安らぎを感じられるから。

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