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夏目漱石で坑夫

夏目漱石の作品の中ではマイナーと思われる坑夫を読んだ。
抗夫は村上春樹の世界的ベストセラーである海辺のカフカのなかでギリシャ神話のオイディプス王とともにテーゼ的な小説として登場する。
これをきっかけに抗夫を読んだ人はたくさんいると思う。

海辺のカフカの主人公である田村カフカは夏目漱石全集から抗夫を読んでいた。抗夫なんて作品名はこれまで一度も耳にしたことがなかったからきっと大きな図書館に行かなければ読めないくらいマイナーな小説だと勝手に思ってたんだが、こないだブックオフにあっさりと置いていた。
しかも百円。

余談だけど小説の値段っておかしい。
ブックオフに限らず大抵の古本屋では分厚い世界文学全集なんかが捨値で売られている。価値が低すぎる。わざわざ辞書みたいな紙の箱まである嵐が丘や赤と黒が100円とかって悲しいぞ。
ま、でもそれは需要が無いから仕様が無いか。

本の値段でもう一つ思うのがハードカバーと文庫で値段が違いすぎること。だいたい、ハードカバーが1500円だと文庫が500円くらいだ。
ジャンプ漫画は最近値段の高い完全版が発売されてるけどあれは良いと思う。でも小説は(特に文学小説は)中身が全てでしょ。装丁なんて関係ないわけです。最初から文庫で発売すればいいのに。ハードカバーってのはいわば愛蔵版なわけだから文庫で発売してからその2年後にハードカバーを出版すれば良いと思う。
そっちの方が売れるような気がするのだけど。

で、坑夫ですが内容は、
19歳の青年が中二病をこじらせて家出をし松林を永遠と歩いていると、とある周旋屋から坑夫の仕事の誘いを受ける。坑夫という職業は現在の仕事で言えば3Kのようなものだ。この話の主人公は割と金持ちの家の出だから本来なら坑夫なんて職業とは無縁なのだけど自暴自棄で別に死んでも構わないくらいの心持であったから坑夫になることをその場で決断する。そうして銅山に着いた主人公は、教育の無い下流社会に属す坑夫たちに散々罵られたり馬鹿にされながらも坑内の深くまで降りていく。
坑内の暗い中で一人の教育のある人格者(安さん)に出会う。
安さんに坑夫を辞めて社会に戻ることを進められる。
結局、帳附の仕事を5ヶ月間やってから東京に帰る。
というあらすじです。

海辺のカフカでは、坑内から出た主人公は新しく生まれ変わったような描き方がされていたけど、読んでみるとそうでもない。結構普通にあっさりと外に出てくる。
別に坑内から外に出た瞬間を象徴的な扱いにもしてなかったのが意外だった。温室育ちと思われる主人公が野蛮な教育の無い坑夫たちに責められる描写には凄みがある。前半ははっきり言って退屈な内容だけど後半の主人公が困惑し無様な醜態を晒すところは読み応えがある。

ところで、坑夫の主人公とライ麦畑でつかまえてのホールデンはどこか共通するところがあるように思う。
個人的に坑夫は『和製・ライ麦畑でつかまえて』です。
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