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岡村靖幸で「靖幸」/「早熟」

靖幸(1989年7月14日)
孤高の天才・岡村靖幸のサードアルバム『靖幸』。これまで「yellow」「DATE」と二作品のレビューを書いてきたが、その文中で何度も「岡村靖幸らしさ」という言葉を幾度と無く使ってきた。『靖幸』に関しては自分の名前をアルバムのタイトルにしている時点でもう言うまでもないだろう。らしさ全快である。作詞・作曲・編曲・プロデュースに至るまで全てひとりでこなしている。

岡村靖幸のアルバムをはじめて聴くなら『靖幸』から入ると良いかと思う。入門編のアルバムとして、打ってつけの作品だ。もし、このアルバムを聴いて「岡村靖幸って別に大したことないじゃん、キモイしさ」と思った人は、多分そこでもう終了。この先岡村靖幸のファンになる確立は極めて低いだろう。もともと好き嫌いがはっきり別れるタイプのアーティストだから仕方ない。お酒の飲めない人に無理やりビールを勧めても迷惑なだけだ。岡村靖幸もそれと同じことである。つまりは、体質の問題だ。なので、「(アルバムの)靖幸」が受け入れられない人は「(岡村)靖幸」も受け入れられないだろう。

『靖幸』には岡村靖幸の一番の代表曲である「だいすき」が収録されている。まだ美少女だった頃の今井美樹が出ていたホンダのCMに「だいすき」が起用され、オリコン上位(確か4位)にランキングされたスマッシュヒットだ。ランキングとは無縁の岡村靖幸が、長いキャリアのなかで唯一お茶の間レベルまで浸透した奇跡的な曲だ。30代以上の世代の人で「だいすき」を知らない人は少ないだろう。

そういえば、大学時代、スーパーでのアルバイト先の社員Sさん(30代前半)との会話の中で好きなミュージシャンの話になった。スターダストレビューが好きだというSさんに「僕は、岡村靖幸が好きなんですよ~、Sさんくらいの年代だったら知ってると思うんですけど。ま、今捕まってるんですけどね(笑)」と訥々と話したところ「ああ、だいすきの人でしょ」と言い返されたことがある。「だいすきの人」って!と思いつつも、内心嬉しかった覚えがある。それくらいのヒット曲なのだ、だいすきは。

はじめて『靖幸』をTUTAYAでレンタルし「だいすき」を聴く直前は、聴けばサビの部分辺りで「あ~この曲か、どっかで聴いたことあるわ」みたいな、ビッグネームの洋楽のアルバムを聴いた時によくあるパターンに陥るのだろうと思った。しかし、聴いてみると全く聴き覚えのない曲だった。岡村靖幸の大ヒットした代表曲なのに、全然知らないのだ。今の若い世代に岡村靖幸の知名度が著しく低いのも仕方ない。

『靖幸』のモチーフカラーはピンクだ。ジャケットや歌詞カードなど、すべてピンクで統一されている。(ちなみに、「yellow」は黄色「DATE」は紫である)ピンクから連想されるイメージは女の子らしい「かわいさ」とアダルトな「エロス」だ。故にこのアルバムの曲は、かわいい曲とエロスな曲の二つに大別される。

まず、「かわいさ」(安易な言葉だからあまり好きではないが)のある曲は「Vegetable」「だいすき」「ラブタンバリン」「友人のフリ」「バスケットボール」だろうか。これらの曲には「かわいい」という形容詞が相応しい。特に「ラブタンバリン」。この歌はサウンドから歌詞から歌い方から全てが堪らなく愛らしい。出だしの歌詞がもう凄い。「君が好きだよ 心に住んでる修学旅行が育つんだ」だ。心に住んでる修学旅行って一体何でしょう。詩的すぎて、凡人な自分には理解できない。しかしこの「ラブタンバリン」の歌詞は全てが意味不明な内容ではない。はっきりとしたメッセージがある。

「ラブタンバリン」の歌詞の概要は「男なんてものは毎日がバレンタインデーなのだから、告白しちゃえよ、だって愛しちゃったんだろ、ベイベー」というような内容だ。このような全体像の歌詞を把握した上では、一見すると意味不明な上記の「君が好きだよ 心に住んでる修学旅行が育つんだ」という歌詞も素敵に感じられるから不思議だ。他にも「このバラ持ってTVの男たちのように告白タイムを見つけ出したい」など秀逸な歌詞が多い。「友人のフリ」は岡村靖幸三大バラード(そんなのないけど)のひとつだ。(他の二つは「カルアミルク」と「イケナイコトカイ」)本当に切ない曲だ。イントロから、もう切ない。槇原敬之の「80Km/hの気持ち」と同じく友達の彼女が好きな男の複雑な想いの歌だ。

もうひとつの方の「エロス」な曲は、「どんなことをして欲しいの僕に」「聖書」「Co['] mon」「Punch↑」だ。エロスな曲とは、言い換えればプリンスっぽい曲とも言える。岡村靖幸は和製プリンスと呼ばれるほどの人である。「どんなことをして欲しいの僕に」はサビ以外はファルセットで歌っているのだが、これはプリンスのよくやる歌い方だ。また「Punch↑」の後半、3分17秒では”All lights This is new phone”(?)と歌っているが、この部分の言い方はまさにプリンスのモノマネだ。本当にそっくり。もはや声帯模写の域である。今やパクリを言い訳する際の便利な言葉としてインスパイアやリスペクトやオマージュ(すっかり胡散臭言葉と化してしまった)が使われているが本来は『靖幸』のような作品にこそ使われる言葉だと思う。

早熟(1990年3月21日)
「靖幸」と4thアルバム「家庭教師」の傑作アルバムに挟まれる形でリリースされたベストアルバム「早熟」。収録されている13曲中、4曲はオリジナルアルバムに入っていない曲なので聴く価値は大いにある。ちなみにその4曲とは「ドッグ・デイズ」「ライオン・ハート(ハリウッド・ヴァージョン)」「シャイニング(君がスキだよ)」「ピーチ・タイム(修学旅行ミックス)」。今思ったが岡村靖幸の曲には括弧つきの曲が多い。新曲の「はっきりもっと勇敢になって」のカップリングは「嵐の気分(着替えをもって全裸のままで)」だったし。

ベストアルバムであるから感想は省略するつもりだったが、「DATE」の最後に触れた早熟のジャケットについて少々…。まず、アマゾンの早熟を紹介しているページのリンクを貼ろう。コチラ。ご覧頂けただろうか。衝撃的なジャケットである。エメラルドグリーンの背景。薄手の白のトレーナに淡い花柄のチョッキを着た男がこちらを見つめている。首を右に傾け目は上目遣い。口角はやや上がっているのだろうか、あるいは笑っているのだろうか、もはや、定かではない。このアルバムの購入(もしくはレンタル)はファンにとって勇気を強いられる試練だ。

この異様なジャケットをレジに持って行き店員に手渡す瞬間は誰もが苦虫を噛み潰した様な心持となる。ズル賢い人はこう思うかもしれない。店員に渡すときジャケットを下、つまり裏ジャケットを表にして差し出せばいいじゃん、と。しかし裏ジャケットはもっと危ない。上半身裸にネックレスの岡村ちゃんが腕を組んでカメラ目線なのだ。なんで脱いでるんだよ。別に引き締まった体じゃないのにね。
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Comments

はじめまして。
いつも楽しみに拝見させていただいています。特に岡村ちゃん関連。私は30代前半ですが岡村ちゃんは高校生の時からファンです。(周りに誰も理解してくれる人はいなかったですけど)アルバム「靖幸」を買って中身を見たとき(当時は紙っぽいジャケット仕様で三折タイプ)ぶっ飛びました。だって開いたら岡村ちゃんが裸で寝そべって下半身だけ白いシーツなようなもので隠している状態がいきなり目に飛び込んできたから・・・当時高校生の私には衝撃が強すぎました(笑)
これからも岡村ちゃん記事たくさん書いてくださいね。楽しみにしています。
Posted at 2007.09.14 (09:35) by kei (URL) | [編集]
どうも
keiさん、はじめまして。わざわざコメントありがとうございます。岡村靖幸ファンから、しかもファン暦の長い方からのコメント、とても嬉しいです。
「靖幸」「早熟」の頃の岡村ちゃんは、いろいろと驚かされますよね。特にブックレットの写真は見てるこっちが恥ずかしくなりますし、「どんなことして欲しいの僕に」なんて周りに人が居るときはイヤホンじゃないと絶対聴けないですし。

はい、これからも岡村ちゃん記事書きます!とりあえず次は「家庭教師」について書く予定ですので、駄文ですが、お暇なときにでも読んでやってくだされば幸いです。
Posted at 2007.09.15 (01:10) by yuji (URL) | [編集]
こんにちは(*^_^*)
はじめまして。おっしゃる通り「靖幸」の「かわいさ」が、一番岡村くんの男の子こころいっぱいだと思います。
昨日の夜ツタヤさんで、岡村くんのベスト借りて、10代に聞いていた、「だいすき」明るくてかわいくて、子供たちの声もやっぱり良い!あの頃、子供たちの声をポップスに使うなんて、ホント斬新でおしゃれでした。軽自動車のCMとかで今使っても良いくらい。だいすき!ヘポタイヤ!
「ラブタンバリン」の、「君が好きだよ 心に住んでる修学旅行が育つんだ」って、岡村くんの中学生みたいな歌い出し、天才!って!!だって、心に住んでる修学旅行が育っちゃうんだよ~!!!この歌詞は、中原中也でも、マネできません。君がすきだよって、素直に直接言える人ってあまりいないですよね。言われた事も無かったきがするし…今は、小学生の娘が、毎日のように「ママだいすき!」って、言ってくれます。息子もいるのですが、小学生って素直で、息子のことをだいすき!って、言ってくれる友達もいます。今、だいすきな人に、はっきり言えるそういう時代なんだな~って、岡村くんのだいすき聞いて、改めて気づきました。岡村くんの歌聞いて、私の中の修学旅行が動きだしました。こんなに大切なことは、そうはないよ~♪
ブログ楽しみにしています。ありがとうございました(^_^)/
Posted at 2012.12.11 (10:34) by ぴーたん (URL) | [編集]
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