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岡村靖幸で「Me-imi」/「ビジネス」

Me-imi(2004年9月1日)
前作「禁じられた生きがい」から実に9年もの空白の末、2004年にリリースされた6thアルバム『Me-imi』。『Me-imi』と書いて”ミイミ”と読む。これは岡村靖幸が考えた造語だ。意味は『Me(自分)-imi(意味)』である。要するに”自分の意味”だ。このタイトルだと一見、自分のアイデンティティを問うようなメッセージ性の強い内容を想像してしまうが、ミイミはこれまでの岡村靖幸の曲の歌詞とはタイプが異なる。

ミイミでの歌詞は、パッチワークのように断片的な歌詞が多い。歌詞も詩の一部であるから、いわゆる詩的な表現を追及するがあまり抽象的になってしまい具体的な物語性が薄くなることがある。そうなると、受け取り側にとっては何のこっちゃか解らなくなる。これは、ヴィジュアル系の歌詞で顕著に見られる。比喩表現が過ぎたあまりに、実像がぼやけてしまうのだ。故に、意味不明な歌詞になってしまう。ただ、ヴィジュアル系の歌詞は幻想的な言葉が多い。例えば「覚醒のカオスの狭間で僕に微笑んだヴィーナスは深淵へのセレナーデ」みたいな。その、反面ミイミの断片的な歌詞の一つひとつは非常にリアルな言葉だ。

ミイミの歌詞は、適当な言葉ではなく、岡村靖幸のプライベートな体験から生まれた言葉なのだろう。自分の血肉を削って紡ぎだした言葉なのだろうと察せられる。断片的な歌詞であるのにグッと来る。胸に突き刺さるような、言葉のオンパレードだ。岡村靖幸自身「作曲よりも作詞のほうが難しい」みたいな発言をしている。きっと苦心して紡いだ言葉なのだろう。ただ、結果的には明確な意味が把握できない歌詞になっている。

さすがに9年の歳月は長く、歌詞以外にも変わった点は多い。サウンドも然りだ。2001年にリリースされたベストアルバム「OH! ベスト 」に収録されている「マシュマロハネムーン」と「セックス」の2曲は、ミイミの8曲目に新たなアレンジを施してセルフカバーされている。この2曲の「ミイミバージョン」と「OH! ベストバージョン」の違いはそのまま、「ミイミ」と「禁じられた生きがい」以前の岡村靖幸のサウンドの違いといえる。ミイミの方が洗練された音だが、僕は以前のサウンドの方が断然すきだ。このサウンドの変化は、単純にレコーディング機材の変化(デジタル化か?)というよりも、岡村靖幸自身の音楽の趣向が変わったからだろう。近年の岡村靖幸の音楽の趣向に影響を与えたと思われる人物といえば電気グルーブの石野卓球だ。この二人は仲が良いらしく(今はわからないけど)、2003年には「The Album」というアルバムを共作でリリースしている。

ミイミには、石野卓球テイストを取り込んだ跡が多少見られる。顕著に現れているのはドラムである。いかにも重低音ファンクといった趣がある。4曲目のアチチチは、特にその傾向が現れている。メロディよりもリズムに重きを置いている。故にキャッチーな音楽性が薄れている。僕は岡村靖幸の、難解なんかじゃ全然なくて大衆性のあるキャッチーな音楽が好きだが、アチチチにはそういった趣があまり無い。しかしアチチチは岡村靖幸のお気に入りの曲である。今年3月に再再復活を果たした東京環境会議でも歌っていたし。そういう意味でファンの間でも重宝されている曲である。

もちろんキャッチーな曲もある。「HEY!HEY!HEY!」のエンディングテーマにもなった「ミラクルジャンプ」だ。曲調は「家庭教師」に収録されている、「あの娘僕がロングシュート決めたらどんな顔するだろ」を力強くした感じだ。この歌には、印象的な歌詞がある。それは「いわばシャイでひきこもりの日常を返上したい」というものだ。この歌からはポジティブなイメージが噴出していて、岡村靖幸の再復活の狼煙を上げるには最高の曲だ(った)。「上流界と対決 赤の鮮烈なパーティーショールで シビレちゃう」とかよくわからない歌詞も見当たるが、それも含めて岡村靖幸らしさが滲み出ていて素晴らしい。

バラードは、ファミリーチャイムと未完成の二つだ。両方ともさすがとしか言いようが無い。やはり岡村靖幸の作るバラードは一線を画している。ファミリーチャイムは「夕暮れ」の歌詞とあいまってオレンジ色が脳内に広がる名作だ。「未完成」は楽器はキーボードのみしか使っていない。シンプルだが心に染み入る名曲だ。ただ、歌詞は案の定、聴き手の想像力にやや依存する内容だ。「カルアミルク」のように明確な物語性のある歌詞だったらもっと良かったのにと思う。

歌詞だのサウンドだのが変わったと散々書いたが、前作「禁じられた生きがい」と一番違う点は体格だろう。岡村靖幸は、この9年間で太った。女性ファンにとってはそりゃ痩せているほうが良いのだろうけど(元々はキムタク似だし)、個人的には別に太っていても嫌な感じはしない。太っている岡村ちゃんもカッコイイ。威圧感というか音楽界の重鎮っぽい佇まいがあるし。ただそれに伴って声が出なくなっているのが残念だ。これはミイミの一番の残念な点である。声がつぶれているのだ。高音が出ず、いわゆるデブ声になっている。自ずと歌唱法も変化し絞り出すような歌い方をになっている。それが悲しい。この声の問題は再再復活しツアーを控えた現在でも一番の問題だろう。
再再復活で痩せたと思われた岡村ちゃんだが、実はそれほど痩せていなかったみたいだ。「はっきりもっと勇敢になって」のジャケットはフォトショップかなんかで修正したものだろうか。僕は前述したように太っていようが構わないが、声はどうにかならないものだろうか。喉は大事にしてもらいたい。

昔からの岡村靖幸ファンにとって、「Me-imi」がどう映るのかは解らないが、自分は「Me-imi」での再復活を機にファンになった。リアルタイムで買ったはじめての岡村靖幸のアルバムだ。ということで、個人的な思い入れもあり、「Me-imi」は結構好きである。

ビジネス(2005年3月30日)
『Me-imi』から僅か7ヵ月後にリリースされた「ビジネス」。このアルバムは、きな臭いアルバムである。だいたい、9年もの間沈黙していた人が、たったの7ヶ月でリリースしないだろう。タイトルの「ビジネス」というネーミングからも推測できるが、岡村靖幸は本当は出したくなかったようだ。しかし、出さなければいけない大人の事情から出したようだ。その当てつけ(かどうかは分からないけど)に付けたタイトルが「ビジネス」。

当初、「ビジネス」は、2004年のミイミツアーのライブアルバムとしてリリースする意向だったらしい。しかし、同時にミイミツアーのライブDVDのリリースも決まっていた。ということは、実質同じ内容のものを、同時期に、2作品提供することになる。それはファンに申し訳ないと思った岡村靖幸が考えたのが、ミイミツアーの音源を駆使したリミックスアルバムである。『ビジネス』では「ア・チ・チ・チ」「聖書 (バイブル)」「come baby」「adventure」「Check out love」の既存の5曲を新たなリミックス・リアレンジで聴くことができる。

いろいろと曰くつきのアルバムだが、曲はかなり良い。Mステ風に言うなら「アゲうた」だ。疾走系の高揚感のあるアレンジだ。ハードロックのように大音量で聴くとさらに盛り上がれそう。案外岡村ちゃんは楽しんでレコーディングしたのではないだろうか。「adventure」なんてベックも驚きの遊び心満載のなんでもアリなアレンジとなっているし。5曲しかないのが難点だけど、曲自体は良いので聴く価値は大いにあると思う。

付記
yellow
DATE
靖幸/早熟
家庭教師
禁じられた生きがい


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Comments

No title
石野卓球といえば、電気グルーヴのアルバム『オレンジ』収録曲で、岡村ちゃんがゲストボーカルをつとめた「VIVA!アジア丸出し」という曲を思い出します。あれも良いんですよねぇ…。
Posted at 2007.10.13 (20:14) by shallow (URL) | [編集]
No title
「VIVA!アジア丸出し」、この曲の存在は知っているけど、実際に聴いたことは無いんですよね。「The Album」が好みで無かったので、石野卓球への関心が薄くて。
今度聴いてみます。
Posted at 2007.10.13 (20:54) by yuji (URL) | [編集]
こんにちは。
長い間の沈黙の理由としては、ただ単にいい詩が書けなかったからと何かで言っていた気がします。やっぱりコンポーザー岡村靖幸としては作詞は大変なのかな。
私はアチチチは結構好きです。歌詞が社会へか自分へか(どっちかわからないけれど)のメッセージ性が強いかなと思いました。
太っていてもダンスのキレは変わりないと思いますがやっぱり 苦しそうに歌うのをみると痩せてたほうがイイのかな?って思います(笑)
岡村ちゃんの「自分大好き」的なナルシスト部分はやっぱりビジュアルと伴っていたほうがセクシーさが増すような気がします。

それと2周年おめでとうございます。いつも楽しみにしていますのでこれからも続けてくれたらうれしいです♪
Posted at 2007.10.15 (11:56) by kei (URL) | [編集]
どうも
作詞は、作曲や編曲なんかと比べると簡単に(素人目には)出来そうに思っちゃいますけど、実際は難しいのでしょうね。特に岡村靖幸は、周りから天才って言われてますし、プレッシャーが相当あったんだと思います。

アチチチ、いいですよね。岡村ちゃん自身もお気に入りの曲みたいですし。ミイミ収録の曲の中ではわかりやすい内容の歌詞なんで僕もアチチチは好きです。

やっぱり、痩せていたほうが、健康のためにもいいと思いますよね。声に関して最近思うのは、太っているから声が出ないというよりも、喉自体に何か致命的な問題があるのかなぁ~と。痩せたら声が復活するとも限らないのか?なんて考えていたら、今のままでも別に構わない気がします。

「自分大好き」的なナルシスト部分は少なくとも、前回のライブのときよりは回復していると思うので、告白ツアーに期待しましょう。ま、僕はライブ行けないのでライブDVDの発売に期待します!

ありがとうございます。一応この記事で岡村靖幸のアルバムの感想は全て終わりましたが、岡村靖幸の新情報や靖幸関連の小ネタがあれば随時記事にしていきますので、よろしくお願いします。

Posted at 2007.10.17 (01:47) by yuji (URL) | [編集]
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