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途中で読むのをやめてしまった本の感想

小説の感想を書く場合、前提としてその本を読了していることが求められる。当然だ。読んでいない本の感想なんてどう足掻いても書けるはずが無いのだから。これは、本に限らず、アルバムでも映画でもテレビ番組でも、何か感想を書くならば、一通り見るなり聴くなりしてから、というのが一般的であり筋だ。

ただ、アルバムは大抵収録時間が1時間未満だ。映画は2時間程度、テレビ番組は30分~2時間程度と割と短い。しかも、音楽や映像作品は、再生ボタンを押せば後は勝手に流れる。ソファーで横になりながら、お菓子を食べながら、とくつろぎながら鑑賞ができる。受動的で楽だ。
それに対して、小説はひどく能動的だ。黒目を幾度と無く上下上下させながら、視力を着実に消耗しながら読まなければならない。それなりのコンディションを保っていないと内容が頭に入ってこなかったりもする。また時間もかかる。

人それぞれ読む速さは違う。また、作家の文章(文体)によっても読む速さは違う。例えば、赤川次郎の文章は漫画と同じくらいの速さで読めるが、大江健三郎の文章は難解だから時間がかかる。一概には言えないけど、おおよそ、300ページある小説を読了するのに要する時間は4時間弱。1000ページ程度の長い長編小説なら10時間以上はかかるだろう。

小説とはこれほどの膨大な時間と労力を費やすものだ。換言すれば、それだけの膨大な時間と労力を費やすだけの価値が(自分にとって)無ければならない。つまり「あれ、つまんねーぞ」と思う小説は早めに見切りをつけて読むのをやめるべきだ。

「途中でやめるのは気持ち悪いから面白くなくても最後まで読む」という考え方の人もたくさんいる。その気持ちはわかる。途中まで読んで投げ出すということは実質読んでいないも同然だし。実際に序盤はつまらないけど中盤からグングン盛り上がっていく小説もないわけではない。でも、そんなの滅多に無い。中盤から面白くなる小説は序盤の文章の感じで大体わかる。

途中で読むのを挫折した本でも、最低1時間は我慢して読む場合が多い。挫折した本は今年だけでも10冊以上はある。つまり、今年だけで10時間以上もの時をある意味無駄にしているのだ。この「10時間以上もの時」を無意味にしないために(本来は邪道であるが)今日の記事では、途中で読むのをやめてしまった本の感想を書こうと思う。

瀬戸内寂聴「女人源氏物語」
「源氏物語でも読んでみるか、有名だし」くらいの軽い気持ちで読み始めた瀬戸内寂聴の「女人源氏物語」。これは、光源氏の女君たちの視点から書いたものだ。だからこれ単体では当然意味がわからない。『源氏物語』の原文の現代語訳を読んでからじゃないと意味不明だと思う。いきなり、桐壺更衣の光源氏に対する想い(しかも死に際)なんて読んでもね。70ページの空蝉の章で挫折した。

T・ハリス「羊たちの沈黙」
児玉清に感化されて読み始めた「羊たちの沈黙」。この小説は面白い。文章も翻訳ものにしては読みやすい。「羊たちの沈黙」は映画で見たことがある。ストーリーがある程度頭に入っていることもあり楽しんで読めるはずだったのだが…。この小説は中古で買った。かなり古びているのだ。所々に変な「しみ」があるし、ページをめくる度に仄かに匂いがする。別に臭い匂いではないのだけどテンションは下がりますよねぇ。小説自体は面白いのだけど思わぬ伏兵が潜んでいた。ということで、124ページで挫折。

ドストエフスキー「悪霊」
新訳の「カラマーゾフの兄弟」が40万部を突破。NHKで特集を組まれるほどのドストエフスキー。 僕はドストエフスキーが好きだ。「罪と罰」は今でも適当にページをめくったところから読み始めたりするし、「カラマーゾフの兄弟」の主要な登場人物、兄弟3人と父親と私生児の計5人の名前は寝起きでもそらんじる自信がある。
しかし、「悪霊」だけは読めない。何度も挑戦したが、いつも200ページ弱で挫折してしまう。挫折の理由は、ひとつ。「ストーリが把握できない」からだ。いくら読んでも、誰が主要な登場人物なのかがわからない。真剣に集中して読んでるのに、一体何を言っているのかさっぱりだ。
こないだ、悪霊を読了した人のブログを読んだ。「結局最後まで誰が主人公なのかわからなかった」と書いてあった。やっぱり最後まで読んでもわかんないのか。悪霊のアマゾンのカスタマーレビューすら意味がわからない。ドストエフスキーが好きだなんて言う資格は僕には無いようだ。

小松左京「日本沈没(上)」
日本沈没は1973年に刊行されバカ売れした小説だ。バカ売れする小説は往々にして読みやすいものだ。「セカチャー」が良い例だ。しかし「日本沈没」は専門用語がたくさん出てくる。具体的に写真や図を用いて説明する小難しい箇所が多々ある。あと、やたらと文中に棒の記号が使われていて読みづらい。面白い小説なんだろうけど、ちょっと自分には難しい。55ページの第1章・6で挫折した。
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Comments

本ですと!?
> 膨大な時間と労力を費やすだけの価値が無ければならない

ごもっともですね、しみじみ。 …しか~し!そんな問題以前に、物語を最後に読んだ覚えが全くありません(笑)。高校の教科書に載ってたヤツとかか??? 本と呼べるに近いものは、さくらももこのエッセイあたりか。もっぱら雑誌派ですわー。
Posted at 2007.10.26 (00:27) by ぶる山 (URL) | [編集]
No title
ぶる山さんは音楽一辺倒ですからね~。
さくらももこのエッセイは、僕も好きで結構読みますよ。十分、本と呼ぶに値する本です。
Posted at 2007.10.26 (01:29) by yuji (URL) | [編集]
No title
途中で読むのをやめた本。
そう言えば、「悪魔の詩」は上巻しか読んでません。
あれは日本語訳がキツいので…
今、知っている人はあまりいないかな…いわくつき
の小説ですね。
Posted at 2007.10.29 (22:33) by シバ蔵 (URL) | [編集]
No title
ドストエフスキーの悪霊もそうですけど、予備知識がないと意味不明の小説は難しいですよね。

悪魔の詩はしらないですけど、アカデミー出版の「超訳」に任せたら読めると思います。超訳はすごいですよ(笑)
Posted at 2007.11.02 (17:50) by yuji (URL) | [編集]
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