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Peach‐どんなことしてほしいのぼくに(1989年)

donnnakotositehisii1989年に公開された、岡村靖幸初主演映画「Peach‐どんなことしてほしいのぼくに」。1989年といえば、時期的には傑作アルバム『靖幸』と『家庭教師』の間だ。シングル「だいすき」がスマッシュヒットし、テレビ番組にも頻繁に出演、NHKではレギュラーのラジオパーソナリティを務めていた時期だ(当時ラジオでは、自分のことを『シンガーソングライター・アンドダンサー・アンドアクター』と言っていた)。岡村ちゃんの20年以上に渡る長い音楽活動の中で最も勢いのあった頃だ。そんな飛ぶ鳥を落とす勢いの89年に公開されたのが、eZ the MOVIE第二段「Peach‐どんなことしてほしいのぼくに」だ。ちなみにeZ the MOVIEの”eZ”とは、88年から92年までの間、テレビ東京系列で放送されたEPICソニー制作の音楽番組のタイトルだ。この番組には、岡村靖幸をはじめとしたEPICソニー所属のミュージシャン(渡辺美里、TM NETWORK、松岡英明、小比類巻かほる等々)が頻繁に出演していた。他とは一線を画したワンランク上の音楽番組だったらしい。

岡村靖幸が映画…というのは違和感がある。しかし「80年代後半、EPICソニー制作のeZが映画を制作」という背景を考えれば、岡村靖幸の映画主演もそれほど突飛なものではないように思う。むしろ、相応しい。80年代後半には、チェッカーズや吉川晃司なども映画に挑戦していた。歌手が主演の映画は当時プチブームだったようだ。

肝心の映画だが、正直面白くない。…いや、岡村靖幸の演技は面白い。…でも、この映画の主演が岡村靖幸じゃ無かったら見る価値は無い。…だけど、僕は岡村靖幸ファンなので凄く楽しめる。心持複雑な心境なのだが、つまりは、映画自体ははっきり言って「星ひとつ」の残念な映画だ。なんだか批判的に書いているが、岡村靖幸ファンでも異論は無いと思う。一応、「リアリティ溢れる台詞と映像で都会の若者の孤独を描いた作品」だそうで、劇中で何度か岡村ちゃんが朗読のような口調で語る「みんな人は淋しいんだって言うけど、絶対に違う」というのが「Peach~」の一貫したテーゼのようだ。

ストーリーを簡単に書くと…、

主人公の岡村靖幸(役名も岡村靖幸)は親の仕送りを受けながら、大学も行かず働きもせず、だらしない暮らしをしている。街に繰り出しては変な踊りをしながらナンパをしたりと、毎日を明るく陽気に生きている。しかし心の中はいつもからっぽだった。そんなある日、恋心を寄せている遊び仲間のエリコに金持ちの婚約者が現れ、エリコは突然姿を消す。時を同じくして、父親からは叱責され仕送りを止められる。・・・さて、どうする岡村ちゃん!


みたいな感じだ。一応最後は力技でハッピーエンドなのだが、よくわかんない映画だ。正直な話。岡村靖幸ファン以外にはおすすめ出来ない映画だ。裏返せば、岡村ファンにとってはこれほど面白く、且つ贅沢な作品は無い。だってあの岡村ちゃんが演技をしてるんですよ。しかも超ナチュラル演技。殆ど素だ。それだけで爆笑ものだし、見る価値はある。

終盤には「泣きの演技」もあるのだが全然涙が出てない。感動の場面なのに笑ってしまう。台詞はアドリブと思しき箇所が何箇所かあり、共演者が思わず笑ってしまっているカットがある(レストランでの食事シーンとか)。ドライブのシーンではギター片手に即興で歌を歌っているし、サラリーマンのおっさんの群れと格闘し揉みあうシーンもある。会社に潜入する場面ではネクタイを締めてスーツを着たレアな岡村靖幸が見れる。スーツ姿の岡村靖幸なんて、もはやコスプレだ。もちろん、劇中で流れる音楽はすべて岡村靖幸の曲だ。うちあわせ、スーパーガール、はじめて、友人のふり、Young Oh!Oh!、ライオンハート、ラブタンバリン等が使用されている。

yumenokyouennこのように靖幸一色の映画だ。全体的にこの映画を眺めるとあまりにもパワーバランスが靖幸に偏っている。でもこれでいいのだと思う。この手の映画は「あの岡村靖幸がこんなシチュエーションであんなことをしている」という意外性を楽しむ作品なのだから。この楽しみ方はミュージシャンが映画の主演をした際の、正しい楽しみ方だと思う。いくら下手であろうが「演技」をしている時点で満足なのだ。
個人的に「Peach‐どんなことしてほしいのぼくに」の一番の見所は戸川純とのカラミだ。この映画には戸川純が喫茶店のマスター役で出演している。マスターと常連の客という設定で、戸川純と岡村靖幸の競演が実現している。この二人の競演が、いかに貴重で素晴らしいかは、なかなか伝わらないだろうが、ある種の人々からするとヨダレものだ。まさに孤高のカリスマ同士の夢の競演だ。


案の定(というかなんというか)「Peach~」はそれほど流行らなかったみたいだ。2007年現在、「Peach~」は一般的にはマイナーな部類の映画だろう。しかし、冒頭で記したようにレコード会社が制作した映画なので今でも大型CDショップのDVDコーナーでは「Peach‐どんなことしてほしいのぼくに」のDVDが置いてある。容易く手に入れることが出来るので興味のある人は見てみよう。


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Comments

No title
「エリコ」って…「家庭教師」の「エリコがじゃんじゃん浪費するとあの夢がバレる~」と何か関係があるんですか?知らなかったな、こんな映画…。
Posted at 2007.11.22 (20:18) by shallow (URL) | [編集]
No title
はじめまして。
偶然にたどり着きました。
この映画、わたしも買いました。
LDです。笑。
大好きだったので、本当に、
見てるだけで満足でした。
嬉しくなって、コメントしてしまいました☆
Posted at 2007.11.22 (21:02) by やこたま (URL) | [編集]
No title
・shallowさん
どうなんでしょうかね。
映画のエリコ役をしている女優は藤井かほりという人なんですが、当時彼女の年齢は23歳くらい(岡村ちゃんと同い年)なんです。で、家庭教師には「たぶん23歳」という歌詞があるので「映画」と「家庭教師」に出てくるエリコは藤井かほるをモデルとした同じ人物なのかもしれません。


・やこたまさん
はじめまして。LD(レーザーディスクのことですよね)でも発売されてたとは知りませんでした。「見てるだけで満足」って気持ち、すごくわかります。自由奔放な演技をしている岡村ちゃんを眺めているだけで微笑ましいですよね。

Posted at 2007.11.23 (20:28) by yuji (URL) | [編集]
はじめまして。楽しく読ませていただきました。 
この映画 今日やっと見ました★ 岡村くんが戸川純さんに、自分の周りが汚れてる・・・お金払ってるよね とか言って八つ当たりするシーンには少し笑ってしまいました。
たくさんの女の子をナンパするシーンがあるけれど、実際の岡村くんは違うんですよね。。。
何かキモイけど好きなんです。
Posted at 2008.09.12 (01:16) by 楽子 (URL) | [編集]
はじめまして。コメントありがとうございます。
戸川純に八つ当たりするシーンは素なんじゃないかと思うくらいリアルな演技で面白いですね。

普段は、シャイな人らしいので映画のようなナンパは到底できないでしょうね。
Posted at 2008.09.12 (21:26) by yuji (URL) | [編集]
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