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岡村靖幸で「DATE」 全曲解説

1.19★★★★★
「ダダダン ダダダン」という印象的なアンサンブルからはじまる、19。細かく刻んだアコギを中心に生楽器のリアルなグルーヴが味わえる。20年も前のアルバムだが、生演奏風だからか、古さが殆ど感じられない。「19」は2004年のライブDVD「Me-imi Tour 2004」でほぼ原曲通りのアレンジで演奏されたが、まったく古さを感じさせない出来となっていた。「ウォーターベッド」や「チェックアウトラブ」が大幅なリアレンジにより生まれ変わったことを考えると、「19」の色あせなさは脅威といえる。

2.Super Girl ★★★★★
19とは打って変わり、いかにも80年代風のアレンジとなっている。スーパーガール以外にもこのアルバムに収録されている曲(うちあわせ、生徒会長、DATEなど)には今となっては懐古的なシンセが多用されている。80年代の懐古的な時代の匂いを閉じ込めたようなサウンドだ。
「Super Girl 」の歌詞は80年代後半から90年代前半における岡村靖幸のパブリックイメージを象徴するかのような内容となっている。自分に見向きもしないスーパーガールという存在を立て「俺ほどの男はそうはいないはず~俺ならば本当に損は無いはずさ」という自信満々なナルシストぶり。「忘れないであのときのときめきを」という純真で汚れなのない、ある種モラトリアムのような心情を大事にしようというメッセージ。そして「本当のダンス・チャンス・ロマンスは自分しだいだぜ」というポジティブだがちょっと苦笑してしまいそうになるフレーズ。それらを突き抜けるように爽快なメロディに乗せて歌っている。まさに岡村ちゃん節炸裂だ。どんなミュージシャンでも歌を通して伝えたいメッセージのようなものが少なからずあると思うが、岡村靖幸の場合のそれは、「Super Girl」をに集約されているように思う(もちろん全てではないが)。
また、大人気アニメ・シティハンターのエンデンィグに採用された曲でもある。そのため、岡村靖幸の曲の中では認知度の高い曲だ。「だいすき」と並び岡村靖幸の代表曲の一つといえる。あの中川翔子もシティーハンターのサントラからSuper Girlを見つけ気に入り岡村靖幸を聴き始めるようになったようだ。

3.生徒会長★★★★
80年代風懐古的シンセがもっともフューチャーされた曲。チープだが小気味の良いビートにのせ、ノリノリで歌っているダンスチューン。ダンスチューンと言ってもダンスの舞台はクラブといよりディスコだろうか。終盤のスィングした盛り上がりは一聴の価値あり。。

4.Lion Heart ★★★
詩先風のメロディによるバラード。言葉の乗せ方がいかにも五線譜のおたまじゃくしを辿っているかのような印象を受ける。肝心の歌詞は「実はさ この僕も あの日から 傘さえも ひらけない」という非常にメタフォリカルあるいは独善的な内容となっている。スマップの「Lion Heart」と同じタイトルだが全く関係ない。

5.いじわる ★★★★★
岡村靖幸が和製プリンスと呼ばれる所以はこの曲にある。超ファンク曲。しっかり忠実に日本語でファンクをやっている。数少ないジャパニーズファンクにおける金字塔でありひとつの到達点といえる。他の追随を許さないドロドロ&エロエロなファンクネス・「いじわる」を礎とする岡村流ファンクは、90年代以降、ファンクで勝負しようとする奇特なミュージシャンたちにより揺ぎ無い信望を得ている。「ファンクって何?」という方はこの曲を聴けば誰でも直ぐに理解できるだろう。笑っちゃうくらいプリンスなのはご愛嬌だが、ここまで岡村流に咀嚼し再構築する術は、才能が無ければ不可能だろう。後奏の語りは「家庭教師」と双璧をなすほどの変態ぶりを発揮している。どんな「語り」をしているのかを知りたい人は実際に聴いてみよう。

6.DATE ★★★
アルバムタイトルと同名曲。流麗なストリングスを背景に、今にも泣き出しそうな心持枯れた声での語りからはじまる(また語りである)。残念な点は歌い方だ。変なのだ。声の出し方が(わざとそうしているのだろうが)異質だ。すりつぶしたような声だ。終盤は剛毅さを感じる威圧感のあるスラッピングも加わり演奏のテンションはどんどんと高まっていくのだが、唐突にブッツリと終わる。この終わり方はXJAPANのアンフィニッシュドと同じくらい違和感がある。

7.どうかしてるよ ★★★
ピアノとアコースティックギターのみのシンプルな演奏によるバラード。「Super Girl」が岡村靖幸の表向きなパブリックイメージを象徴する内容だと書いたが、「どうかしてるよ」は裏側の顔を象徴した曲といえる。好きな異性に対し行動を起こせない自分に嫌気が差し一人で鬱々としているといった内容の歌詞をマイナー調で歌っているとても暗い曲。
過去に何度かインタビューで発言しているように岡村靖幸は「どんなに酔っていようが絶対に自分から告白できない」という損な性分なのだ。そのため夜な夜な「うじうじ」しているという。軟派でバブリーな遊び人風のパブリックイメージとは対極にある性格だ。あまりにも恋愛に対して消極的なため、89年のロッキンオン2000字インタビューでは以下のようなやりとりがあるほどだ。
●まさか、童貞じゃないでしょうね?
岡「よく言われるよ、童貞じゃないですかって。ファンの子たちもね、『岡村君はエッチなこと一杯歌ってるけど、実は童貞じゃないかとニラんでます』とか書いてくる」
●その憶測は外れてるんですか。
岡「いやぁ、外れてると思うけどね」
●「思う」ってどういうことだよ(笑)。

8.うちあわせ ★★★
暗い曲の後は、拍子抜けするほどポップなアップチューン。男女の痴話ケンカを「愛の摩擦問題」とか「君がロシアで ぼくがたぶんアメリカ」とか「恋の平和条約」など国際問題に例えて歌っている。

9.不良少女 ★★★
ブラスバン調の細かいドラミングと行進曲を想起させる笛のイントロではじまるこの曲はタイトルからもわかるように、かなり80年代を感じさせる曲。岡村靖幸らしからぬ凡庸なメロディが逆に新鮮。「こんな曲も作れるのか」みたいな。爽やかで癖の無いまるでアイドルが歌うような曲調。岡村靖幸のドロドロとしたファンクは影を潜めている。不良少女とは当時の時代から想像するに、いわゆるスカートの丈を引きずるように歩く硬派なスケバンのことだろう。いまや絶滅した人種だ。そんな不良少女に対して全面的に理解を示している心情が歌われている。

10.イケナイコトカイ ★★★★★
DATEに収録されているバラードは「Lion Heart」と「どうかしてるよ」、そして「イケナイコトカイ」の3曲なのだが、「イケナイコトカイ」は別格だ。群を抜いて名曲。「カルアミルク」「友人のふり」とならび岡村靖幸の三大バラードのひとつ(「三大バラード」というのは僕が勝手に名づけたものである。別に岡村靖幸ファンの間で市民権を得ている言葉ではない)。乾いたドラム、究極的に切ないストリングス、フレキシブルなファルセットと地声を搾り出すように情熱的な歌唱。邦楽ではこれほどまでスケールが大きいソウルバラードはなかなかない。

11.19才の秘かな欲望 ★★★
渡辺美里に提供した楽曲のカバー。曲の最初と最後は、スタジアムに響き渡る歓声のSEが挿入されている。系統としては「彼女はScience Teacher」のような曲。歌詞を担当しているのは岡村靖幸ではなく、有賀啓雄という人。その筋では結構有名なお方のようだ。 イケナイコトカイで終わりにした方がコンセプトアルバムとしての統一感が増したように思う。

総評★★★★★
不世出の天才・岡村靖幸のセカンドアルバム「DATE」。前作の「yellow」からぴったり一年後にリリースされた今作は、岡村靖幸らしさが随所に伺われる内容となっている。まずタイトルのDATE。一応説明すると「デート」と読む。データではない。DATEという言葉は岡村靖幸ファンの間では頻繁に取り交わされる重要な言葉だ。DATEとは岡村靖幸のファンクラブ名でもある。(現在は存在しないが)また、岡村靖幸のライブをファンの間ではDATEと呼ぶ。単なるコンサートではなく、客と岡村靖幸の親密なDATEなのだ。まるで、ミッチーのような発想である。(そもそもミッチーは岡村靖幸の熱狂的なファンらしいが)とは言っても岡村靖幸のファンはミッチーと比べると格段に男の比率が高いわけで、男の岡村ファンはDATEという言葉を使わない傾向にあるようだ。
「yellow」と同様に「DATE」でも編曲は西平彰との共作が多くを占める。唯一、作詞・作曲・編曲すべて一人でこなしている作品は1曲目の「19(nineteen) 」のみだ。しかし、「yellow」と比べると前述したように、後の「靖幸」「家庭教師」に顕著に見られる岡村靖幸らしさが発揮されている。思うのだが(あくまでも予測だけど)、同じ”編曲:岡村靖幸・西平彰”でもイニシアチブは岡村靖幸が握っていたのではないか。それくらい「yellow」とは作風が違う。僅か1年のリリース期間でここまで編曲能力が変貌するなんて凄い。

上記の「総評」はこの記事から一部抜粋した。リンク先も併せてどうぞ。
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Comments

みーっけ
こんにちわ。
私は、ごく最近岡村靖幸ファンになりました。
ネットサーフィンしてたら、このブログに出会いました。
熱烈な靖幸ファンに出会う度、嬉しくなっちゃうので、
コメントしてみました。
また、捕まっちった岡ちゃんだけど、彼の残した音楽は永遠だものね。
Posted at 2008.03.19 (14:34) by Romi (URL) | [編集]
どうも
コメントありがとうございます。
そうですね。捕まったことは残念ですけど音楽には罪はないし、永遠です。
Posted at 2008.03.20 (02:35) by yuji (URL) | [編集]
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Posted at 2016.12.03 (07:59) by () | [編集]
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