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幽遊白書が読み継がれないワケ 前半

「幽遊白書」といえば冨樫義博の代表作であり、「ドラゴンボール」「スラムダンク」と共に90年代前半のジャンプ黄金期(発行部数が脅威の600万部越え)を築きあげた名作漫画である。幽遊白書の人気は当時、相当なもであった。90年代前半に毎週ジャンプを欠かさず購入し、心躍らせながら読んでいた僕の感覚では、あのスラムダンクよりも人気を上回っていた印象があるくらいだ。

ジャンプ黄金期といえば、ドラゴンボールと幽遊白書がジャンプ内で双璧を成していて、それを追随するようにスラムダンクが後を追うというイメージがあった。今のジャンプで言えばワンピースとナルトが双璧を成していて、追随するのが「テニスの王子様」(もう終わっちゃったけど)みたいな感じだろうか。あくまでも、個人的な感想だが、スラムダンクはちょっと大人向けだった。特に初期は「クローズ」や「ろくでなしブルース」などの学園ヤンキー漫画風の絵柄であり内容であったので、スラムダンクに当時の小学生はあまりドキドキワクワクを感じなかったのだ。

その点ドラゴンボールと幽遊白書の人気は凄まじかった。ドラゴンボールの人気は言うまでもないだろうが、幽遊白書も同様に爆発的な人気があった。正義感の強い主人公幽助、ムードメーカー役の桑原、中性的でナルシストなのに嫌味を感じさせない蔵馬、クールでべジータ風のツンデレ飛影、この主要4人の絶妙なキャラクターの黄金率。特に蔵馬と飛影の人気は天井知らずで「キャラ萌え」の原点とも言えるだろう。また、この4人が並んだ時のコントラストが少年の心をくすぐる。まるで戦隊もののようにそれぞれ、緑、青、赤、黒と原色の派手な衣装を纏っているのだが、それがとにかくカッコイイのだ(漫画だとあまりわかんないけど)。

他にも、ぼたん、けいこ、雪菜、しずる、など女性キャラも皆個性的でかわいらしい(特にぼたんは良いですよね…)。主要4人のメンバーと女性キャラの間には、いくつか色恋沙汰があり、また雪菜と桑原の関係をじっと見つめる飛影など、作中の要所々々でニヤニヤポイントが周到に用意されているのも良いアクセントになっている。

ドラゴンボールと比較するとあまりデフォルメされていないリアルな世界観にも惹かれる。霊界やら魔界やらの世界を描いている一方、主人公は制服を着、昼休みに学校の屋上で弁当を食べたりと、学園生活の模様もパラレルワールド的に描かれている。また、デフォルメされていないといえば「HUNTER×HUNTER」程ではないものの、ややグロ系の描写がある。敵を倒せばリアルな血が飛ぶし、首が飛ぶこともある。また、悪の手により人々が操られゾンビみたくなり、ぼたんやけいこを襲うというホラー・オカルト要素もある。

バトルものの少年漫画にありがちな戦闘力のインフレに関しての処置も見事だ。暗黒武術会編において、ひたすら肉弾戦のバトルに終始し、幽助はどんどん強くなる。それは戸愚呂との対決でピークを迎える。しかし次のエピローグでは海藤の頭脳戦により、一瞬にして蔵馬以外あっさりとやられてしまう。タブーという概念において、それまでの、肥大した戦力を、局地的なテリトリーのなかで技術的に奪うという、いわば冨樫の真骨頂を取り入れることにより、深みが増した。何より、1分ごとに言葉が1文字ずつ使えなくなるというシチュエーションが小学生でも十分理解でき、面白かった。

終盤は、戸愚呂がB級妖怪であると判明し、べジータが言うところの「スーパーサイヤ人のバーゲンセール」みたいな、めちゃくちゃな常態になるのだけど…。それでも幽遊白書はドラゴンボールとは違ったタイプのドキドキワクワクを我々に提供してくれた。とにかく凄い漫画だったのだ。90年代前半に小学生時代を送った世代にとって幽遊白書は誰もが知っている超人気漫画であり、「幽遊白書世代」といっても過言ではないくらいなのだ。

しかし、2008年現在、幽遊白書の知名度は残念ながらそれほど大したものではない。ドラゴンボール、スラムダンクと比較すると、その差は歴然である。つまりは、読み継がれていないのだ!語り継がれていないのだ!ジャンプ黄金期の漫画は2000年代に入ってから誕生した「完全版コミックス」という形で再発売されている。

完全版コミックスとは、通常の単行本(400円のやつ)よりも一回り大きな版型で、表紙は新たに描き下ろされ、紙質やカバーにもこだわり、贅を尽くした製本がなされた形態の本である。故に値段は1冊につき1000円ほどするのだが、それでも、愛蔵版として手元に置いておきたい人たちはたくさんいるようでバカ売れしている。漫画界における新しい市場の開拓である。完全版コミックスの売り上げは、現在における人気の指標になると思うのだが、幽遊白書はあまり売れていない。詳細は、以下となっている。

ドラゴンボール(全34巻)売上2000万部
スラムダンク(全24巻)売上800万部
北斗の拳(全14巻)売上600万部
るろうに剣心(全22巻) 売上400万部
幽遊白書(全15巻)売上140万部
シティーハンター(全10巻)売上100万部


巻数を勘案したとしても、幽遊白書の140万部は少ない。もちろん、今の時代における幽遊白書の知名度を考えれば、至極妥当な数字だと思うが、ジャンプ黄金期における先述したような幽遊白書の人気を肌で体感した者からすると哀しいものがある。幽遊白書は、90年代前半、あれほどの人気があったにも関わらず、なぜ読み継がれていないのか?なぜクラシックになれないのか?

ということで、今日の記事では、幽遊白書が読み継がれない理由について考えてみようと思う。……前置きが長くなってしまったので理由を書くのは次回にしよう。つづく。
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Comments

90年代前半、僕は主に中学時代でした。
もっぱらスラムダンク派。モロに影響を受けたのかバスケ部だったし(笑)。
ドラゴンボールは、一応読んではいたけど消化的でした。
ボロボロのゴクウが片手でカメハメ波を出してピッコロのお腹を突き抜けてからテンション下がってしまいまして。(-_-メ)
…幽遊~は、わりとはじめの段階で読むのをやめてしまいましたね~。
理由はyujiさんの “幽遊白書が読み継がれないワケ” 後半を見てから
発表しようかな~と。

Posted at 2008.05.16 (01:08) by ぶる山 (URL) | [編集]
スラムダンク派ですか。僕も今ならスラムダンク派ですねぇ。スラムダンクは小学生高学年あたりにならないと本当の面白さが分からないとこがありますね。

ピッコロのお腹を突き抜けてから、普通はテンションが上がるもんですよ!!!ベジーター、フリーザ辺りがピークでしたけど、僕は。無印の頃が鳥山明らしさが一番出ていて面白かったって意見も意外と多いみたいですが。

ぶる山さんが、はじめの段階で読むのをやめてしまった理由…「単純にピンと来なかったから」ではないでしょうか?

Posted at 2008.05.16 (21:14) by yuji (URL) | [編集]
私は幽遊白書派ですね。
Posted at 2008.06.05 (11:24) by 幽遊白書 (URL) | [編集]
・幽遊白書さんへ
やっぱ幽白ですよね。
Posted at 2008.06.05 (21:26) by yuji (URL) | [編集]
あ~、分かるなあ、俺もちょうど黄金期時代小学生だったのでスラダンはもうちょっと大人の人が見る漫画(アニメ)だと思っててどっちも真面目に見てなかったですね。
それに比べてドラゴンボールと幽白は凄かった!輪ゴムでカメハメ波ー!とかレイガーン!とかよく皆で遊んだものですよ(笑)
女性にも人気が凄まじいみたいですがベジータとか飛影とかに憧れてました
Posted at 2008.11.03 (15:26) by yu2 (URL) | [編集]
コメントありがとうございます。

ですよね。スラムダンクは小学生にとってはちょっと大人な漫画でしたよね。

ベジータや飛影の無口でクールな感じは子供心に「カッケー」と思ってました。
Posted at 2008.11.04 (00:31) by yuji (URL) | [編集]
スラダンは連載終わってから美化されすぎてますよね。
それに対して幽☆遊☆白書は評価が著しく下がりましたよね。
ものすごい面白いのにもったいない…
Posted at 2009.01.28 (23:21) by nanasidesu (URL) | [編集]
Re: タイトルなし
昔はスラムダンク、ドラゴンボールと同じくらいの人気があったんですけどね。もったいないですよね。
Posted at 2009.01.30 (00:17) by yuji (URL) | [編集]
幽☆遊☆白書
確かに当時はスラダンがかすんで見える程の人気でしたね!
今の看板漫画のワンピナルトBLEACHなんかとは比べ物にならない人気でしたよね!
Posted at 2009.03.09 (17:50) by buta (URL) | [編集]
Re: 幽☆遊☆白書
えぇ、凄い人気でした。スラムダンクより人気がありましたよね。アニメの視聴率も高かったし。
Posted at 2009.03.11 (20:51) by yuji (URL) | [編集]
幽遊白書・スラムダンク・ドラゴンボール・るろうに剣心全部アニメ見たことがありますが、バトルシーンが好きで幽遊白書が当時一番影響を受けました。

何故語り継がれないかという点で気がついたのは、
スラムダンクは通しで漫画を読み返すけど、幽遊白書は~編と別れてるので好きな編しか読まない傾向がある。
実は最初の霊界探偵編のとこが好きで漫画を当時読んでたのはそこまででした。(買おう買おうと思いつつ年月が経ち・・)
全巻買い揃えたのは大人になってから。人に貸すと「仙水編で終わらしておけば名作だったのにね」と言われました。
ただ自分も魔界統一編に思い入れがなくそこは読み返してないです。

そして、漫画のおススメを聞かれてあまり進んで勧められないという点。
グロイ・暗めな描写・トラウマになる可能性もあるので、漫画を普段読まない人には明るくて王道なものを結局勧めてしまう。(幽遊白書が一番好きなのに)

ジブリ作品は子供から婆さんまで見れるけど、大友作品のAKIRAは子供には見せられないようなトラウマ確定の青年向けだけど、二つとも名作。
そんなイメージ。
Posted at 2014.03.19 (03:52) by 今頃 (URL) | [編集]
今頃さん
コメントありがとうございます。

僕も霊界探偵編が一番好きです。魔界統一編に関しては記憶がかなり薄いです。絵も雑だし読み返そうとはあまり思いません。

グロイ・暗めな描写・トラウマというのは、まぁそれが冨樫の真骨頂でもありますよね。冨樫自体がメジャーな存在ではないのかもしれませんね。陰というか。
Posted at 2014.03.24 (21:35) by yuji (URL) | [編集]
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