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岡村靖幸で「LIVE 家庭教師 ’91」 全曲実況

Introduction
モノクロの不気味な映像からはじまる。一人の修道女が赤ん坊を抱えながらカメラ目線で無表情にこちらを見ている。たぶん聖母マリアをイメージしているのだろう。横綱・朝青龍にどこか似ている赤ん坊は(多かれ少なかれ赤ん坊というものには朝青龍的な面影がある)、修道女の腕の中で居心地の悪そうに暴れ、首にぶら下がっている十字架を玩具にし弄っている。カメラは徐々に赤ん坊にズームし、赤ん坊の顔面アップになったところで、Peach Timeへ。

1. Peach Time ★★★★★
赤のスポットライトが後方から当てられ、シルエットになった岡村靖幸とダンサー二人が、「早熟」に収録されている「Peach Time(修学旅行MIX)」バージョンのイントロの「ダンス!ダンス!ダンス!」という掛け声と共に踊っている。シルエットなのに岡村靖幸の踊りはシャープだ。バックダンサーの二人と基本的には同じ振りのダンスをしているにのに、岡村靖幸の動きは遥かにリズミカルだ。
イントロが終わり歌いだしの「ピーチタイム ラヴャ」で、ステージは一瞬にしてピンク(ピーチ)の照明に切り替わり華やかに明るくなる。全貌を現した岡村靖幸…いろいろと凄い。まず前髪。鶏冠のようにそびえ立っている。そして当時のお気に入りだったと思われる革ジャンを脱ぐと、「家庭教師」のジャケットをプリントしたジュンスカ風の白の長袖のシャツがドーン!しかもジーンズにイン!さらに白シャツがインされたジーンズはケミカルウォッシュジーンズ!しかも左足の膝には黒いバンドが!このダサさにノックアウトである。

ファッションは1990年頃の時代をふんだんに感じさせる仕上がりとなっているが、メインの音楽は全くダサくない。ケミカルウォッシュのように色褪せていない。むしろ新しい。ファッション面は時代の流れに迎合しているが、こと音楽に関してはさすが天才とでも言おうか時代を超越している。
CD音源とほぼ同様の音程を保ったままハイクオリティな歌唱力で終始歌っている。表情はナルシスティックでダンスはキレている。1曲目から岡村靖幸の魅力がバンバンでている。

2. (E)na ★★★★★
(E)naといえば、イントロの「ナーナカナカナカ」の所で岡村靖幸と客席のファンが一緒に両腕を挙げ手首を前後にカクカクさせるというお決まりがあるのだが、この頃はまだ定着していなかったらしく、岡村靖幸が一人でカクカクさせている。ファンもバックバンドも誰一人としてカクカクさせていない。ちょっぴり寂しい。

前曲「Peach Time」と同様にまるでCD音源のような完成度の高い歌唱を披露している。冒頭のカクカク以外にも「(E)na」には印象的でユニークな振りつけが施されている。特にバックダンサーの踊りが面白い。「こんなことしてちゃ絶対戦争すりゃ負けちゃうよ」の所ではゲイっぽいバックダンサー二人が絡み合っていたり、「あの娘に話そう眠れずに泣いた日々」の所ではなぜか銃を構えたバックダンサー二人の背中があたり敬礼するというダンス。意味が分からないけど良い。2000年代に入ってからの岡村靖幸のバックダンサーはいかにも「チャラチャラ遊んでそうな悪ガキ」といった感じであまり好きになれない。やっぱ、このライブのダンサー二人(ケンとコウジローだっけ)のように何か得体の知れないキモさがあった方が「岡村靖幸のバックダンサー」として相応しいと思う。

曲の最後の方はレスポンス合戦になり、ドラムソロが入り、バンドセッションなったりと見所がたくさんあるが、一番の見所は岡村靖幸のギターソロである。別にこれといって超絶なテクニックをひけらかしているわけではないが天性のリズム感により上手く聴こえる。そして、注目すべきはギターを弾いている時の顔だ。怪しげな微笑。照れるように首を振る。常に半開きで心持腫れぼったい唇。挑戦的な瞳。どーだ顔。

3. 家庭教師 ★★★★★
Introductionの修道女に抱かれた赤ん坊の映像に一旦戻ったあと、遂に「家庭教師」。衣装は時代を感じさせるダサい衣装から、大き目の黒のセーターに変わる。しかし下は相変らずケミカルウォッシュジーンズ。ただ、ステージは曲のイメージに合わせ暗いので普通のジーンズに見える。なので、ファションとしては、非常にまともである。

暗闇のステージ。淫靡な赤のライト。なぜか汗を大量にかいている岡村靖幸。顔や首筋に滲む汗が赤いライトにより非常に妖艶に怪しい。アコースティックギターを弾きながらタラタラと汗をかき、ねっとりと歌い上げている(エロいぞ、この男)。一通り歌い終わった後は、ギターを外し、踊りまくる。自分の中にある塊を溶かすかのようひたすら踊る。陶酔しきっている。この時点で既にそこら辺のミュージシャンとは次元が違う。しかし、岡村靖幸はさらに高みへと昇ってゆく。

マイクを片手に変な踊りをしながら客席に近づく岡村靖幸。そして開口一番「こんばんわ、家庭教師の岡村靖幸です」。…岡村劇場のはじまりである。その後も変な踊りをしつつ一人芝居を延々と展開する。一人芝居の概要を簡単に説明すると、まずお母さんに挨拶をする。ケーキと紅茶を頂く。ありがたく食すが、どうも岡村靖幸の紅茶の飲み方がおかしいらしい。「家に居るときはだいたいコンナ感じですよ」と言いつつもう一口紅茶を飲む。お母さんとの談笑を終えた後、教え子のエリコちゃんの部屋へ。マット体操が得意なエリコちゃんとは気が合いそうだと喜ぶ岡村先生。さっそく世界大恐慌について教えるが、思わず岡村先生は絶叫してしまう。エリコちゃんはどうやら勉強がしたくないらしいのだ。あっちに行きたいらしいのだ。あっちに向かい岡村先生とエリコちゃんは…。ここから先は省略しよう。最後は深呼吸を「フンフンフン」して終わり。岡村靖幸の最高峰のパフォーマンスとして挙げられる映像の終わりである。
この映像は岡村靖幸のそのずば抜けた圧倒的な変態的パーフォーマンスにばかり目が奪われがちだが、バックバンドの演奏もスッバラシイ。

4. イケナイコトカイ ★★★★★
「家庭教師」の後だとどんな曲を持ってきた所で存在感が薄くなってしまいそうな気がするがこの「イケナイコトカイ」もこれまた凄い。映像を見る限り、「家庭教師」から「イケナイコトカイ」の間には編集が入っていないように見える。つまり実際のライブも「家庭教師」の次に「イケナイコトカイ」という曲順だったのだろう。「ライブ家庭教師91」の「イケナイコトカイ」が傑作な所以は、前曲の「家庭教師」のテンションの余韻が残っているからかもしれない。個人的には、この「イケナイコトカイ」が岡村靖幸の全ての映像のなかで一番声が出ていると思う。ファルセットは一点の淀みなく澄み切っており、終盤にまるで感情の塊を吐き出すような地声は迫力がある。壮絶な悲壮感に満ちており、何よりも美しい。

5. どぉなっちゃってんだよ ★★★★
ステージ下手から側転をし登場する岡村靖幸。衣装がまたまた凄いことになっている。ジーンズのジャケットにインナーは地肌が見える網の粗い黒タイツのような生地の服。下は黒のタイツにジーンズ素材のミニスカート(スカート!)。…ここまできたら逆にダサさがない。コスプレだもの。

原曲よりテンポが速い。そのため、原曲のあの濃厚なファンク色が影を潜めややロック調になっている。これはこれで良い。爽快である。ダンスの振り付けもジョジョ立ちのような決めポーズがカッコイイ。最後の方は客席に足踏みをさせ「どぉなっちゃってんだよ」のレスポンスをさせている。しかし、あまり客のノリが良くない。やがてステージ両脇からカーテンが中央に迫ってきて岡村靖幸とカーテンのカラミがスタート。この岡村ちゃんWITHカーテンが長い。無駄に長い。なので「LIVE家庭教師91」を視聴するときはいつも飛ばしている。今回この実況記事を書くにあたって久しぶりにじっくりと視聴したら、なんだか、ノリの悪い客にイジケタ岡村ちゃんが、カーテンを弄りながら、恨めしそうに客席を睨んでいるように見えた。

6. DATEメドレー(DATE~生徒会長~いじわる~Punch ↑~祈りの季節~いじわる) ★★★★★
再び修道女の登場。赤ん坊は居なくなっている。首にかけた十字架を両手で胸の前に掲げ口をパクパクさせている。DATEのイントロでの岡村靖幸の語りの口パクのようだ。
またまた衣装チェンジ。胸に大きく鶴の刺繍の入ったスーツ。インナーのシャツにも鶴の刺繍が入っている。なかなかカッコイイ。「DATEメドレー」はとにかく細部まで鍛練に作りこまれている。「きっと何度もリハーサルをしたのだろうな」と思うほど演奏もダンス(バックダンサーとのダンスのシンクロ率が凄い)も完璧。岡村靖幸のダンサーとしての力量が伺える映像だ。特に「祈りの季節」の「俺の子供を産んでくれー」のあとの扇情的なダンスは、もう何度見たことだろう。これほどまでに吸引力のあるダンスはそうはないだろう。

最後の方には、3曲目の「家庭教師」ほどではないが岡村劇場も少しだけあるし(「そこの彼女どこから来たの?」ってやつ)、ケンとコージローのソロダンスシーンもあるし、もちろん岡村靖幸のソロダンスもあるし、エンターティナーとしての底知れない才能にほとほと感心する。最後は5TIMEで終わり。ちなみにこの秀逸なメドレーは「岡村ちゃん大百科」にも収録されている。

7. あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう ★★★★
これ以上にないくらい爽やかなギターリフを弾きながらステージ上手から歩いてくる岡村靖幸。ファンとバックバンドのメンバーは手拍子でリズムを取っている。アンコール明けのためか(は分からないが)凄くアットフォームな雰囲気に包まれている。「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」の有している切なくも優しい曲調とマッチしている。「LIVE家庭教師91」という超傑作ライブDVDのラストに相応しい映像だ。

衣装はまた変わり紫のセーターに黒めのジーンズ。歌っている時の表情は親密であり、リラックスしているように見える。最後は「青春ってワンツースリジャンプ」のレスポンスをさせ終了。本編が終わったあとは、先ほど修道女の腕から居なくなった赤ん坊がひとりで床に寝転がっているというシュールな映像で幕を閉じる。


総評★★★★★
不世出の天才・岡村靖幸の最高のライブパフォーマンスが収められた傑作ライブDVD「LIVE 家庭教師 ’91」。このライブは1991年3月12日に中野サンプラザで行われた伝説のライブである。これを見ずして岡村靖幸を語ることなかれ。岡村靖幸を語るなら絶対に必須なアイテムである。このライブ映像の何が凄いかって全てが規格外に凄いのである。歌、ダンス、ルックス、演奏、映像の編集、バックダンサー、一人芝居、紅茶の飲み方、全てが一線を画している。
59分の長さの映像に7曲というのはライブ映像作品としては一般的には、短い部類に属すると思うのだが、「LIVE 家庭教師 ’91」はそのクオリティの高さから59分という短さが全く気にならない。濃密でハイクオリティな圧巻のステージングを59分間ずーっと真剣に見続けていればそりゃお腹一杯になる。59分でも十分満足できるのだ。

このDVDの岡村靖幸は全てが完璧であるが、それ以降の岡村靖幸はご存知のようにミュージシャンとしての活動が寡作になり、ひとりの社会人として堕落していく。上述した、歌やらダンスやらルックスやらのレベルは悲しいかなどんどん劣化してく(いくら劣化したところで、岡村靖幸には代わらぬ魅力が備わっているのは周知の事実だが)。劣化すればする程、堕落すればする程「LIVE 家庭教師 ’91」の岡村靖幸が輝いて見える。しかし「LIVE 家庭教師 ’91」の岡村靖幸が輝いて見えるようになればなる程、悲しくなるのである。

岡村靖幸の記事


●今日の写真
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雨の日。濡れたコンクリートにどんぐり松ぼっくり。はじめ遠くから見たときは…。
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Posted at 2008.08.30 (00:01) by () | [編集]
岡村ちゃんのファンになってから、このDVDだけは、まずGetしなくてはと思い、購入しました。前評判を聞いて見る前の期待があまり大きすぎたためか家庭教師のステージを実際見た時は正直「え、それで終わっちゃうの」と少し物足りない気がしました。「え、もっとぬがないの?」くらい思っちゃいました。(笑)
まぁ、あれ以上やったらわいせつ罪で逮捕されちゃいそうですもんね。その辺の分別わきまえてるところもさすがです。いつも思うけど ”家庭教師” の曲だけ聞いたらこいつ変態?て思っちゃいそうだけど、その後に続く ”あのロン” の突き抜けるようなさわやかな曲そしてこのDVDにおいては ”イケナイコトカイ” の甘く切ないバラードを聴いて「この人はただの変態じゃない、天才だ」と悟るのです。
ほんと、創りこんであるので靖幸の曲はどれだけ聞いても飽きません。

あ、あと写真ですがどんぐりじゃなくて松ぼっくりじゃないんですか?なんか表面がでこぼこしてる。
Posted at 2008.09.02 (09:41) by Romi (URL) | [編集]
そうですね。家庭教師の後の曲がアルバムもこのDVDにおいても、重要だし、岡村靖幸の凄味が感じられますね。

家庭教師の一人芝居は、あれ以上無茶してアナーキーになるのは簡単だと思うのですけど、Romiさんの言うようにその辺の分別をわきまえた範囲内で変態をやっている所が凄いと思います。

…魔ツボッ栗でした。
Posted at 2008.09.02 (21:24) by yuji (URL) | [編集]
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