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PVレビュー 岡村靖幸で「真夜中のサイクリング」

PVレビュー第2回目は「真夜中のサイクリング」(略して〝マヨサイ〟)。

岡村靖幸が引きこもっていた時期と言えば、一般的に「禁じられた生きがい」から「Me-imi」の10年弱だ。90年代後半から2000年代前半の間、岡村靖幸は表舞台に姿を見せずに引きこもっていた。しかし、シングルのリリースという形で音楽活動は行っていた。引きこもり期間にリリースされたシングルは主に「ハレンチ」「セックス」「真夜中のサイクリング」「マシュマロ・ハネムーン」の4曲。4曲とも全て名曲である。秀逸すぎる最強の4曲である。アルバム「家庭教師」が岡村靖幸の最盛期と思われがちだが、実は、引きこもっていたこの時期にも天才ぶりを発揮している。この4曲はシングルとして単発でリリースされたまま、ほったらかしにされたためオリジナルアルバムには未収録なのが悲しい。この4曲を中心にアルバムを制作したならば「家庭教師」並の名盤が誕生していただろうに…。結局、この4曲の行き着いた先は、「OH! ベスト」だ。岡村靖幸が所属していたレコード会社(エピック)を辞める際、最後の置き土産としてリリースされた「OH! ベスト」にひっそり収録されている。

引きこもり期間にリリースされたこの4曲の中でも一際名曲なのが「真夜中のサイクリング」である。岡村靖幸の真骨頂といえば「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」に代表される青春ソング。「いじわる」「家庭教師」に代表されるエロソング。「イケナイコトカイ」「友人のふり」「カルアミルク」に代表される天才的なバラードの3つに大別されると思うのだが、「真夜中のサイクリング」はこれらのどのジャンルにも当てはまらない。なんというか…別格だ。曲調はミディアムバラード。痛々しいほどに切ない空気感を閉じ込めたミディアムバラード。無機質に響くキーボードの寂しげな単音と幻想的でけだるいコーラス、所々ノイズのような音になるアレンジがやや前衛的な出来栄えとなっている。特筆すべきは歌詞だ。歌詞が最初から最後まで秀逸すぎる。「歌詞が良い」だなんて感想は反吐がでるくらいありきたりでつまらないが…しょうがないのだ。マヨサイの歌詞は神がかっている、間違いない。

そんな未曾有の名曲「真夜中のサイクリング」。PVは一体どのような出来となっているかというとこんな感じである。

サッカーをしている人たちや河川敷のような場所で座っている人たちや道端に座りタバコをすっているおっさんや公園でキスをしているカップルや真夜中に自転車に乗っている人など、リアルでどこか牧歌的で生活観溢れる映像が延々と流れている。所々ピーチマークが登場する。これがなければ岡村靖幸のPVであることを忘れてしまいそうなほどに地味だ。最後は深夜に「はないちもんめ」をハイテンションで興じる若者たちという意味不明な終わり方。「はないちもんめ」の映像の時は既に曲は終わっているためシュールな余韻が漂っている。このPVに出てくる人たちのナチュラルさを見る限り、マヨサイのPVのためにエキストラが集められ撮影された映像ではないだろう。きっとどこかから借りてきた素材の映像を編集したものなのだろう。

PVの大体の概要は上記のような感じなのだが、…さて、これは一体何を意味しているのだろうか?非常に難解なPVだ。そもそも岡村靖幸はPVに関してどれくらい関与しているのだろう。岡村靖幸がPVに関与せずノータッチならば、岡村ファンの正直な心情としては、わざわざ考察する意義あるいは価値は全く無いんだよなぁ。岡村靖幸本人は出演していないしさ(引きこもってますからね)。

岡村靖幸がPV制作に関与しているとことを前提としたうえで考えるに、結局このPVに登場する人たちのようなフツーな感じの幸せ…ありきたりで平凡だけど、まあそこそこ幸せな生活、みたいな。そういうものへの羨望が現れているのではないだろうか。有名人でもないし特別な才能もないしお金もそれほど無いけど、そんな環境の中でも、自ら脇役に志願せず、ささやかに生活してフツーに幸せな人々、そういう人たちに対しての憧れが岡村靖幸にはあるのではないか。岡村靖幸が過去のインタビューで口癖のように言っている「ミュージシャンとしての岡村靖幸を知らない女性と付き合いたい」というのも、要は「フツーの幸せ」への憧れと希求が集約された言葉のように感じる。

岡村靖幸がマヨサイを作った時期は既にクスリにどっぷり手を出していた時期だろうから、自らを省みて、クスリを辞められないでいる自分なんかが結婚して子供を産んで幸せな家庭を築くなんて無理なんじゃないか、と絶望していたのではないだろうか。そんなヘヴィーな絶望を抱えながら、まるで祈るような心持ちで作った曲が「真夜中のサイクリング」なような気がする。

●今日の写真
yukimaturi3

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Posted at 2009.02.23 (10:40) by () | [編集]
真夜中のサイクリングは本当に名曲ですね。なんというか…ほろりと涙がこぼれそうになる。何度聴いても。

岡村靖幸という人は、めちゃめちゃ子供なんだろうな~と思うのです。しみじみ。だから可愛くて愛しいのかもしれない。

ないものねだり。

ごく普通の平凡な幸せなんて、実際に手に入れたら退屈なだけなのですよ。

でも、自分には絶対に手に入らないから欲しくてたまらなくなる。

岡村ちゃんて…ホント可愛くてしょうがないですよねー。
Posted at 2009.02.23 (20:50) by 志織 (URL) | [編集]
「マシュマロ・ハネムーン」、「セックス」何度も何度も聞きました。
「マヨサイ」もいいですね。マシュマロとマヨサイの時って岡村さん恋してたのかしら。

本当にこの曲たちが入ったアルバム出していたら、今はまた違った人生になっていたかも、と思うと悔しいです(v-91)

岡村さんは、すごく愛されたいと思う感情が強い人だと思います。ただ愛されたいのではなくて、本当の「愛」というか・・・。
エッチなこととか考えながら、やっぱ本当の愛じゃなきゃやだ・・みたいな。

「ミュージシャンとしての岡村靖幸を知らない女性と付き合いたい」というのは、本当に自分を愛して欲しいからだと思います。
v-61がなくても、自分がどうなっても、自分を愛してくれる絶対的な愛が欲しい・・・・(私がそうなのですが・・・v-14)

引きこもっていらっしゃった間、レコーディング以外に、どんなことしてたのかすごく気になります。

Posted at 2009.02.24 (00:30) by 楽子 (URL) | [編集]
Re: タイトルなし
・非公開でコメントをくれた方
良い曲ですよね。歌詞の解釈はいろいろとありそうですね。いろんな解釈が出来そうです。ひとそれぞれの解釈があって良いと僕も思います。「はないちもんめ」の意味はわからないけど、あんな風にはしゃいで「はないちもんめ」ができる友達が岡村ちゃんにも居たら良いなぁと思いました。

・志織さん
名曲ですよね。もっと評価されても良い曲だと思います。
あの岡村靖幸が一般人と同じサイズの普通の幸せで満足は出来ないでしょうね。とはいっても、現在が悲惨な状態なんで案外普通の幸せで満足できるかもしれない気がしないでもないです。

・楽子さん
「マシュマロ・ハネムーン」では「結婚したいんだ」って歌ってますしね。なんてストレートな歌詞なんだ。
愛されたい願望は強そうですね。じゃなきゃ「ミュージシャンとしての岡村靖幸を知らない女性と付き合いたい」だなんて発想にはならないですもんね。
Posted at 2009.02.25 (18:10) by yuji (URL) | [編集]
CD アルバム
こんにちは。質問なのですが、いま岡村さんは音楽活動はやすんでいらっしゃって、もし彼のアルバムを購入した際に、岡村さんのもとへは収入ははいるのでしょうかね?2枚もっていないアルバムがあってぜひ購入したいのですが、いま彼とレコード会社の契約ってどうなっているかにもよるとは思いますが、ご存知だったらぜひアドバイスおねがいいたします。
Posted at 2010.05.27 (09:45) by みゆき (URL) | [編集]
Re: CD アルバム
僕に聞かれても残念ながら全くわかりません。ただ、岡村靖幸のアルバムは現在廃盤なのでどの店でも取り扱ってないと思われます。中古で買った場合は当然岡村さんのもとに印税は入らないですしね。カラオケで岡村靖幸の歌を歌うくらいしか貢献の手段がないかもですね。
Posted at 2010.05.28 (22:52) by yuji (URL) | [編集]
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Posted at 2010.05.29 (11:53) by () | [編集]
Re: Midnight Cycling
こんにちは。「真夜中のサイクリング」は名曲ですね。僕もかなりすきです。
翻訳頑張ってくださいね。
Posted at 2010.06.05 (19:04) by yuji (URL) | [編集]
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Posted at 2011.11.10 (10:32) by () | [編集]
Re: はじめまして
はじめまして。コメントありがとうございます。
きっかけはやっぱり尾崎豊ですかね。もともと尾崎豊の大ファンだったので、尾崎豊つながりで岡村靖幸を知り、ファンになりましたよ。

「真夜中のサイクリング」は切ないですよね。別段、キャッチーな歌詞でもメロディでもないのに(と僕は個人的に思うのですが…)、なぜか引きこまれます。曇天模様の空の下で汗ばんでいるようななんというか不器用な感じがします。


「初冬の空気」というのもすごくわかります。そんな雰囲気が漂ってますよね。
Posted at 2011.11.22 (00:51) by yuji (URL) | [編集]
せつない、淋しい曲、でもズシーンときますね。寝るときにヘッドフォンで聞くと、とてつもない孤独感に包まれて目が冴えてしまいます。
岡村は自分が囚われているコンプレックスで自由な恋愛ができなかったのでしょうかね。なによりも、受け身なのが気の毒でよね。(実際はわかりませんが)
好き過ぎて駄目だ、こいつが他の男に取られる前に、なんとしてでも…。なんて衝動も1度や2度は、あったでしょうし。
どんな人でもいいので、(といいつつも所ジョージの嫁さんみたいな人がいい)身を固めてくれないですかね。
Posted at 2012.03.09 (23:50) by しおむすび (URL) | [編集]
●しおむすびさん
「真夜中のサイクリング」は岡村靖幸の曲の中でもちょっと異質というか別格な感じがします。

受身っていうのがねぇ…不便ですね。
Posted at 2012.03.16 (21:09) by yuji (URL) | [編集]
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