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MUSICA、2007年8月号 文字起こし(2)

◆要するに、岡村さんの人生はミュージックライフというものが100%を占めているわけで。その中にネガティヴが増幅していくと、自分の100%がネガティヴになってしまうと。それで混沌として行ってしまったわけですね。
「普通の場合は、もうちょっと仕事と生活のバランスが取れてると思うんですよ。でも僕は……極端なことを言うと、生き様として宗教集団的なところがあるから。『何だったらみんなタダで働いてくれよ、俺もタダだから。そうやっていいこと(=音楽)をやろうじゃないか』って思ってしまうんです」
◆「その代わり、ここには大切なことがあるよ」とも。
「そう。そういう思想を持っていると、バランスは崩しやすいですよね」
◆そうですね。
「で、仕事が順調であり多忙を極めれば極めるほど、その思想に対しての疑いも少なくなってくるわけですよ。『僕の頼んでいることをクリアするのは当然のことでしょう、最重要項目でしょう』と、そう思ってしまうんですよね。実際にそう思ってましたし。………そうすると、変な宗教団体が信者が信じられなくなるとそいつを無理やり脱会させるのと同じ感じになっていくわけですよ」
◆自分が閉じちゃって他を突き放してしまうわけですね。
「うん、突き放すね。突き放すし、なかったものとして見る。で、そういう自分の思想を疑えるような状況じゃなかったんですよね。そうすると、ますます自分というものを強固にバリアし、ますます狂信的になって行くわけです。他の思想を断絶し、自分の考えを肯定する――『これだけ忙しくてこれだけ順調に上手く行ってて、これだけ成し遂げているわけだから』って思って、疑う余地を排除してしまう。そういう時期がアルバム(『ミイミ』2004年)前後くらいからずっと続いていて。で、全然休まずに次のアルバムの製作に入ったわけですよ。今までの僕からすると考えられないようなタームでリリースするわけですよ。半年の間にアルバム(セルフ・リミックスアルバム『ビジネス』)とDVDを同時進行でやって」
◆僕らはそれを「岡村靖幸が完全に帰ってきた!」という喜びを持って見つめていたんですが。
「うん……………。聞いた話なんですが、ある売れっ子のタレントの方がいて、その人はもの凄い稼いでいるんだけど、もの凄い博打をするらしいんですよ。で、レギュラーの数やギャランティを考えると、信じられないくらい生活が火の車らしいんです。で、僕にその話をしてくれた人が言うには『その人はそうやって自分を追い込むことによって仕事をバリバリしているんじゃないか』って。………まぁ、うーん…今言ったようなことは全部、つまり忙殺されている中で生まれた自分という人間と周りの人間とのもの凄い断絶感、それから『追い込んでナンボだ』っていう感覚――僕は周りから見たら信じられないような追い込み方をするので、ついてこれなくて辞めちゃう人もいるんですけど。そういう、いろんな負の部分が合算して行ったんです。そういう『負』はどのアーティストも多少はあると思うんですが、普通は休みや振り返る時期を取ってバランスをとるわけです」
◆気分転換しますよね。
「僕の場合はそれができず、機関車のように忙殺されている中で負の煙幕から抜け出せず、いつの間にか包まれてしまっていた。でも僕としては『機関車のように働いているじゃん!!』という感じで、自分がどれくらい煙を出しているとか、その煙がどれくらい人に脅威を感じさせるかということを全く考えられずにいて。で、そういう状況にい続けることがさらに軋轢を生むようになってしまって…………………それで孤独感を強めたとは思います。…………………(長い沈黙)…………………うーん本当にあの時期はいろんなことがあったんですよねぇ」
◆ただ、岡村さんはそうやって自分を追い込みながらも、何かを打開しようと考えていたと思うんです。
「そうだね」
◆その時に何が上手く行き、何が上手く行かなかったんですか?
「まずね、仕事はバッチンバッチンにやったんですよ。例えばもの凄いタームでのDVDとCDのリリースも『ガッツンガッツンに攻めていくぜ!』というスタッフの期待に応えたいと思ったからだし、それに今までの自分のリリース・スケジュールを考えても応えるべきだと思ったし。………僕は『仕事が全て』みたいなところがあって、仕事している時が一番充実しているから、忙しくてもそれほど嫌悪感はないんですけど……でも、いろんな問題があったわけです。だから今にして思うと……スタッフの人はそこに密着に関わるわけですよね。そこに大きなストレスを感じたのか、あるスタッフはレコーディングに来なくなっちゃったりして。そういうことが全部少しずつ自分を犯していって…………………今回のことでファンのことを凄く悲しませてしまいましたし、驚かせてしまいましたし………スタッフにも迷惑をかけてしまって………先の先までスケジュールも決まっていたのを、1回全部壊してしまいましたしね。でも今は(逮捕されたことは)意味があったことだと思っています。ああやってブレイクアウトしてしまったことを、あとからプラスとして捉えられるように生きて行きたいと思ってます」
◆「意味がある」っていうのは?
「あのまま進んでいたらもっと大変なことになっていたと思うから。それこそ死ぬとか壊れるとか、それくらいの惨事になったと思うので………ファンを悲しませてしまったという現実自体は変わりませんし、それは真撃に受け止めていこうと思っていますが…………………………」
◆今話してくれたことは、岡村さんが罪を犯すに至った精神的な布石であり、つまり、弱い自分が出てしまったということですよね?
「はい、そういうことです」
◆それでは、新聞などで報道されたことは――。
「全部、あの通りです」
◆それは――
「あの通りです。全部、本当のことだと思ってください」
◆わかりました。全部の責任を全うしてこちらに戻ってきた時に、まず何をしようと、そしてどうありたいと思いましたか?
「待っていてくれる人達がたくさんいて、その人達に対して応えられなければ罰が当たると思いました。ファンの方からたくさんの手紙もいただきましたし…………………(長い沈黙)…………………」
◆苦しい?
「このインタヴューは苦しいよ」



重苦しいなぁ…。いくら区切りが良かったとはいえ「苦しい?」「苦しいよ」のやり取りで終わるのはやめたほうが良かったかなぁ。きっと現場の空気も重かったんだろうな。「…………」がやたら多いし。インタヴュー記事に「(長い沈黙)」というト書きが挿入されるのは岡村靖幸くらいだろうな

内容は前回に引き続き、岡村靖幸の仕事に対する比重が重すぎるという点。それ故に生じるスタッフとの軋轢・トラブル。そのトラブルが岡村靖幸の心を少しずつ犯していったこと。その結果としての逮捕。確かに岡村靖幸のように「仕事の占める割合が100%」の人と仕事をしたらスタッフは相当辛いだろうな。『何だったらみんなタダで働いてくれよ、俺もタダだから』とか…スタッフからしたら「オイオイ、ふざけんなよ」となるのも当然だ。それに厳密には岡村靖幸は「タダ」じゃなくないか?後々、印税という形で懐に入ってくるわけだし。そりゃレコーディングに来なくなるよ。いっそ、ファンを自分のスタッフとして雇えばいいのに。ファンだったらタダでも喜んで働くだろうし。…でも、それをやっちゃうと、それこそ宗教集団的な様相を深めてしまうだろうな。…難しいねぇ。

→「MUSICA、2007年8月号 文字起こし(3)」に続く

●今日の写真
iidayagutiisiguro

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