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MUSICA、2007年8月号 文字起こし(3)

◆そうだよね。実際に、もう1回こうやって音楽の道に戻ってくるまでには、具体的にどんな過程があったのか教えてもらえますか。
「………ファンからのメッセージを見つけるにつけ、本当に悲しませてしまったんだなということを痛感して。ファンクラブに入っていると定期的に会報が届くわけですよ。それがある日、突然届かなくなり、代わりに『会費を返金します』という手紙が届いたと。この数年はツアーをしたりレコードが発売されたり、幸せな時期が続いていただけに、そのショックは凄く大きかったらしいんです。そういう手紙をもの凄くたくさんもらって…………具体的なヴィジョン以前に、自分がやるべきこととしては、そういったことに対して改めて誠実に接するということをしなければいけない。恋人でも『自分を好きな人を悲しませてはいけない』ということを言いますけど、それとまったく同じで。ファンを悲しませてしまった分、どこかで埋め合わせしなければいけないということは強く思いました。ファンから強く愛していただいていることはもの凄く感じていたんですけど、忙殺される中で……………………僕の中にある仕事に対する狂信的な側面――仕事が上手く行くことがすべてであり、それが上手く行くのであれば他のことはどうなっても構わないという側面がどんどん強くなってしまった。他の人間がどうとか関係ない、仕事が上手く行くのであればどんな犠牲を払っても構わないと思ってしまって、それが自分を追い込んだんでしょう………だから、今後はもうちょっとバランスを取ってみようと強く思いました」
◆それはちゃんと生活をしたり、趣味を持ったりっていう?
「そうです、そうです。実際、英会話教室に通い始めたりしてますし。仕事だけじゃない趣味嗜好と時間を持って生きて行ければと思ってます」
◆それが自分のためでもあるし、音楽のためでもあると?
「はい。生きることに対する自分の姿勢が、今回のクラッシュに繋がった部分はあると思うので。……数年前から癒しブームみたいなものがあるじゃないですか。癒されるような音楽を聴いたり、ペットによって癒されようみたいなさ。僕には全然それがわからなかった。仕事が上手く行くことが癒されることであり、犬によって癒されるのは単なる逃げじゃんと思ってたんですが、そういうあまりにもファナティックなモノの考え方というのは個を高めてしまうから…………僕は個を高め過ぎてしまったがために、ひとりで行くところまで行ってしまっのかもしれないとも思うんですよね。だからそうじゃない生き方が出来ればと………たとえば英会話に通えば僕のことを全然知らない人と友達になれるかもしれないじゃないですか?そういう人と話をしてみたいし……」
◆岡村さんはよくインタビューで、「恋愛は出来ません。なぜならみんなが僕を『岡村靖幸』として接してくるから」とおっしゃってましたよね。そういう考え方の結果、自分を追い詰めてしまうような生き方になって行ってしまったよね。
「そうですね………それがだんだん、雪だるま式に負の部分を生んで行ったんだと思うんです。何と言うか……うん、トライしたいですね、もうちょっとバランスが取れた生き方に。……前に鹿野さんと一緒に雑誌の取材をやらせてもらった時に、『ひとり旅をやってみよう』と言っていたのは、そういう所に対するSOSでもあったと思うんですよ。僕はやっぱり、仕事にでもしない限りは何かをすることが出来ない、非常に歪んだ部分がある人間なので」
◆きっとお休みしている間、岡村さんの中には本当にまた音楽が出来るのか?そしてみんなの前に出てこれる立場に戻ってこれるのか?という不安があったと思うんです。でも、今はこうして復活を目前にインタヴューを受けられる状況にまでなっていて、これは岡村さんにとってはとても幸せなことだよね。ご自分の中では、やはり音楽をずっとやりたいと思いながら、音楽的なトレーニングは続けていたわけですか?
「鹿野さんが今おっしゃったような不安みたいなものは、一切なかったです。もちろんどういう形になるのかはわからないですよ?どういう活動形態になるかはわからないし、どういう仕事の方針になるのかはわかりませんが、でも、待ってくれている人がいる限りは続ける意味合いもあるし」
◆それは極端な話、CDが出せなくても、音楽は出来るんだということ?
「CDなんてインディーズで出したっていいわけだからね。そういう意味で、活動がどうのこうのってものに対する不安はゼロでしたね」
◆じゃあ、常に次の音楽はどうしようか?ということを思いながら、そのためには自分自身をいかに修正していけばよいのか?と考えていた感じなんですね。
「そうですね。…だから記者会見をやろうか?とも思ったんですよね。それくらい、待ってくれているファンに対して申し訳なく思っているということを伝えたかったんです」
◆それを今、この場でやってもらっているわけですよね。
「そうですね。………前のようにうやむやのまま活動するのではなく、きちんとした形で伝えたかった………」
◆ちゃんと伝えた上で、きちんとコミュニケーションを取りたいということだよね?
「うん、そうですね」



前回は重苦しい内容だったが、今回は割りと前向きだ。ファンを大事に想う姿勢や仕事に対する過度な比重を是正するべく英会話教室に通っている話など、ポジティブな話題が多い。しかし、このインタビューで岡村靖幸が語った内容の殆どは、2008年2月の逮捕によって水泡に帰すことになるわけで、…ちょっと虚しいものがある。そんななか、今読み返してみても(今だからこそ)希望が抱ける言葉は
「待ってくれている人がいる限りは続ける意味合いもある」
「CDなんてインディーズで出したっていいわけだから」

の二つ。心強いお言葉だなぁ。インディーズと言っても今の時代ネットを有効に駆使すればかなり幅広い活動が出来るだろうし、鹿野さんも協力してくれるだろうし(?)、意外と再復活への展望は明るいな……って、さすがに楽観的過ぎるか。

→「MUSICA、2007年8月号 文字起こし(4)(最終回)」に続く

追記
文中に出てくる「ファナティック」とは「熱狂的なさま 狂信的」という意味。

●今日の写真
tenisubo-inoyuuutu

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Comments

めっちゃラッキー♪
これが今回の事件の後のインタビューだと思いたいです。純粋に靖幸の音楽が好きで聴いてるんですが、聴けば聴く程、深ーくハマりこんでしまって‥それもファナティックに‥。そういうのが、とても虚しく感じることがあるんですが、『基本的にラッキーなやすゆきー♪』なので、そういう明るい展開になりそうな気もしますね。
Posted at 2009.06.05 (10:12) by マルハナ (URL) | [編集]
Re: めっちゃラッキー♪
僕も同じこと思いました。次に復活する際のインタヴューがこれだったらいいのになぁ~、と。

クスリとさえ完全に決別することができれば、スムーズに明るい展開に向かうのでしょうけどね。
なかなか難しいのかもしれません。
Posted at 2009.06.07 (00:09) by yuji (URL) | [編集]
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