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青豆と天吾の純愛物語

村上春樹の「1Q84」が発売から僅か12日間で100万部突破だそうで。まさかこんなに売れるとは思わなかったなぁ(そもそも、村上春樹ってそんなに人気あったっけ?)。「1Q84」は発売前から(そして発売後も)タイトル以外の情報は一切公開されていない。松本人志の映画「大日本人」みたいに。どんな内容の物語なのかを全く知らせないっていう…。“プロモーションを全くしないことにより話題性を集め逆にプロモーションになる”的な方法により、ミーハーな人達の購買意欲を刺激しているようだ。さらに、今はどこの本屋も品切れ状態。なかなか手に入らないそうで、余計に価値が高まってるみたいですねぇ。

以下、「1Q84」の感想。もちろんネタバレあり。
以前、村上春樹の長編小説は新潮社と講談社で作風が違うみたいなことを書いたが、「1Q84」はやはり新潮社から発売されただけあって、これまでの新潮社作品的な傾向が強い。「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」「海辺のカフカ」のように二つの別々の物語が交互に語られていき、徐々にシンクロして行くという、村上春樹の得意とするフォーマットだし、「ねじまき鳥クロニクル」のようにがっつり三人称の重厚な文章だった。「ねじまき鳥」よりもさらに重厚になっているような気がした。どんどん重苦しくなっている。しっかりとした重量感を伴った文体になっている。初期の「風の歌を聴け」辺りの段落を空けまくってサクサク読める乾いた文体とは正反対だ。だが、要所々々で飛び出すユニークな比喩や作中に登場するクラシック音楽(1Q84では『ヤナーチェック』)や読み手の食欲を刺激する食べ物の描写なんかは健在であり、そんな描写を読んでいると「あぁ~、村上春樹の小説を読んでいるんだなぁ」という暖かい心持ちになった。

村上春樹の小説を読むたびに僕が抱く正直な感想は「全然ワケワカラン小説だったけど、まぁ面白かったかな」というものだ。村上春樹の小説にはワケワカランものや現象がたくさん発生する。それらのワケワカランもののひとつひとつには意味やらメッセージやらメタファーやらがあり解釈があるのだろうけど、そういう小難しいことを抜きにした所で「面白い」と思える。要は「羊男」の意味は分からないけど「羊男」の存在自体は面白いと思うのだ。だって羊の着ぐるみを着たおっさんだよ、笑えるじゃん、みたいな。「1Q84」における羊男的な位置に存在するのは主にリトルピープルだが、そういう意味では、リトルピープルはワケワカランだけで面白くはなかった。声の高さで7人が振り分けられているのはちょっと面白かったけど。

「1Q84」を読み終わった後、これは結局どういう物語だったのかと考えた時、どこか漠然としてしまう。印象的な描写はたくさんあった。たとえば、はじめの渋滞した高速道路の所なんかはとてもクールなはじまり方だった。不気味な運転手と青豆の会話、非常階段を下りるところなんかはこれからはじまる壮大な物語の予兆がヒシヒシと感じられて良かった。あと終盤のすべり台から月を不思議そうに眺める天吾をひっそりと見つめる青豆とか非常に印象的だった。ただ全て読み終わった後に改めて「1Q84」という物語を眺めた時、いまいち掴み所が無いような気がする。あるいはそれが近年の村上春樹がよく口にする「総合小説」ってヤツなのだろうか。それとも、まだ完結していないからだろうか?前にも書いたが「1Q84」は「村上春樹史上最も長い小説」という触れ込みだった、しかし実際は1000ページ程であり、これでは「ねじまき鳥」よりも短い。「1Q84」にはまだ続きがある可能性がある。しっくりと来ないのはまだ“終わっていない”からかもしれない。

「1Q84」にはカルト宗教やらリトルピープルやら、いろんな話が複合的に存在しているが、この物語の一番の核は青豆と天吾の純愛ラブストーリだと個人的には感じた。最後に「青豆をみつけよう」と決心した天吾。これはある意味「はじまり」と捉えることも出来る。青豆は拳銃を口に突っ込みまさに寸前といった所で終わったがあの銃が発射されたとは限らない。…ってか絶対続編あるよなぁ。


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Comments

昨夜から今朝にかけて、あらかたの文章を読ませて頂きました。
明らかにこの回のコメントではないですが、お許しを。
由来、靖幸ちゃんのファンは自分が一番靖幸を愛してると信じて疑わないものですが、あなたの愛情が似非で無いことは充分感じられ、尊敬しました。加えて私は1982年生まれで、岡村ちゃん引きこもり期からのファンなので、その点でも大変共感できました。
私もまた、日々イケナイコトカイややましいたましい、真夜中のサイクリングなどを聴いたり越前屋さんのところで凌いだりしながら岡村ちゃんを待ってます。同士が居て良かったなと思い、コメントさせて頂きました。

Posted at 2009.06.16 (09:17) by 友人のふり (URL) | [編集]
コメントありがとうございます。
1982年ですか。同志ですね。僕らの年代における岡村靖幸ファンって限りなく少ないですよね。なんでこんなに知名度が低いのでしょうね。


Posted at 2009.06.21 (21:09) by yuji (URL) | [編集]
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