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ロッキングオンジャパン 1989年9月号 文字起こし その2

「岡村は大ボケだ」と学校中の女生徒から思われていた

▶反抗したりはしなかったんだ?
「そうね、中学ぐらいからは普通の反抗期に入ったけど・・・・・・」
▶で、いわゆる衝動的な音楽体験というか、音楽って自分にとって重要なんだなって思うきっかけになったのは何ですか。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・重要だって思うきっかけねぇ」
▶それはもっと後になってからのことなの?
「ずーっと後じゃないかなぁ」
▶あ、ほんとに? 中学ぐらいでも洋楽とか聴いてる子とかいるでしょ。そういう子じゃなかったんですか。
「全然違う。いわゆるベストテン番組とか観てたから。ただ、幸福だったのは、僕が中学の頃にベストテン番組に出てたのが歌謡曲ばっかりじゃなかったことでね。ゴダイゴも出てたし、サザンオールスターズも出てたし、ツイストも出てたし、原田真二も出てたの。で、音楽も良かったの。いい曲書くなぁって思ってた。世良公則もいいと思ったし、原田真二もすごいなぁって思ったしね。レコードも買ったしね、その人たちの」
▶でも、とりあえずそれは、普通に人気があるものを自分も好きで聴いてただけで、周りの人たちと全く同じですよね。
「そうそう」
▶そうすると、「俺は他人と違うものを聴いてるんだぞ」っていうんで得意になってたことっていうのは、ほとんど無いんですか。
「生まれて一度も無いかな」
▶やっぱ、そうなんだ。
「だって、ブルース・スプリングティーンちゃんと聴き始めたの去年だもん。『明日なき暴走』ってすげぇいいじゃん、みたいなのって去年だもん。そりゃあ、すごいですよ、言っとくけど。自慢しちゃいけないか(笑)」
▶(笑)じゃあ、初めての洋楽体験っていつなんですか。
「すっごい遅い。だから、高校の中頃。高校2年生ぐらいになると、もう受験勉強しなくちゃいけないでしょ。でも、僕、大学行かないってもう決めてたから、受験勉強しなくていいから、時間が物凄いあるわけ。それで、かつ、就職用の勉強もしなかったの。だから、その間に、ビートルズとか聴いたりとか。んで、ビートルズ全部聴いたら今度はポール・マッカートニー聴いてみようかとか、ジョン・レノン聴いてみようとかって感じで」
▶普通さ、ミュージシャンは洋楽に対して早熟でしょう。例えば小学校5年生ぐらいの時にビートルズを聴いてショックを受けた、とかさ。そういうのは全く無かったみたいですね。
「無い」
▶高校2年で洋楽聴いてても、全然普通ですもんね。周りの人と同じですよね。
「だって、今だってそうだもん、僕。今でも人気あるバンドとか全然聴いたことないもん」
▶しかし、それでよくあんな音楽作れるねぇ。
「だから、最近、それじゃよくないなって思ってね、ブルース・スプリングティーンは去年、全部買ったしね。んで、やっぱ有名どころは全部聴かなきゃいけないってことで、プログレとかもね、イエスの『危機』とか買ったし、『クリムゾン・キングの宮殿』も買ったし」
▶遅いっつーの(笑)。
「でもね、去年はすっごい勉強したの。色々買ったよ。トッド・ラングレンも流行ってたから買ったし、ディープ・パープルとかレッド・ツェッペリンとかもね全部買ったの」
▶そうすると、自分の音楽的な才能とか素養ってどこで築かれたわけ?
「大学行かないって決めてからの、高校2年と3年の2年間っていうのは、普通の大学生くらいヒマだったんですよ。そこでね、フォーク・ギター弾いたりとかね、ベースとかキーボートとか4チャンのMTRとか買ってきたりとかしたのね。ていうのは、当時好きだったのが、さっきも言ったけど、ビートルズで、アルバムのライナー・ノーツに、この曲はポールが1人で全部演奏してるとかって解説が書いてあるわけ。で、こりゃ、すげえとか思って。全部1人でやるっていうスタイルがすっげぇ格好いいって思ったの。んで、ビートルズでもヘビ・メタルでもそうだけど、その人を好きになると、その人とおなじことしたくなるでしょ。ビートルズが好きならマッシュルーム・カット、ヘビ・メタが好きなら金髪にしたくなるのと同じで、ポールみたいに1人で全部演奏するやつもやりたいなあって思ったの。ミーハー心で。だから、弾けなくてもいいからベースも買って、キーボードも買って、MTRも買って、で、多重録音とかしてたの」
▶へえー。
「で、その頃ね、プリンスとかも好きになってね。プリンスが人気出る、一歩前ぐらいかな」
▶いつ頃?
「『1999』の頃。なんかのビデオ番組に出ててね、こりゃ格好いいなぁって思ってね。で、レコード買ったら、これがまた、全部自分でやってんの。んで、『これだ!』って思ってね。よく家でやってた」
▶じゃあ、その頃から他の人との差別化が始まっていくんだ。それはだけど、めちゃくちゃ遅いですねぇ。普通、ロックやるんだったらさ、その前の段階で、他の人とは決定的に違ってるんだっていう自意識があるもんでしょ。他人とは趣味が違う、人間が違う、アウトサイダーである、とかさ。
「俺は大体、あのアウトサイダーの道を歩むっていうのが嫌いなんだって。これは前にも話したと思うけど、疎外感っていうのがすごい嫌いだから。真面目なこと言ったのに笑われるっていうのは疎外感以外の何物でもないし。そういう恐怖を日常生活で物凄く感じてるから、なるべく疎外感っていうのは感じたくないなぁっていうのがあったんじゃないかな」
▶なるほどね。じゃあ、俺しかこれはできないだろうっていうプライドはどういう部分で確保してたんですか。
「そんなのはね、プロになってからだと思うよ」
▶そういうプライドは必要なかったのかな?
「大体、どうしてそういうものが必要なんだろ?根本的に」
▶・・・・・・。
「だって、俺、プロになろうなんて思ってなかったんだよ。子供の頃からプロになろうって思ってる人ならともかく。プロなんて、空の上の星ぐらい遠い存在だと思ってたから」
▶ちょっと話を戻しますけど、自分が真面目に言ったことが受け入れられない、笑われちゃうっていう恐怖の最初の体験ってどんなことですか。
「・・・・・・・・・・・・はっきりと記憶してないな、それは。この前言った話とか結構印象に残ってるね」
▶あぁ、アフリカの飢餓をなくすためにはセックスをするなって書いて笑われたやつですか。
「うん、『セックスしない方がいいと思います』って言ったら、ドッと沸いたやつね」
▶それ以外には何かありませんでした?
「・・・・・・・・・・・・・・・たくさんあったんじゃないかなぁ・・・・・・・・・」
▶勉強も徹底的にできないというわけでもない、スポーツはできるけども、そんんなにずば抜けてるわけでもない、そして音楽にも目覚めていない。とするとさ、ほんとに平凡な子供ですね。
「そうなるね。・・・・・・ただね、当然、思春期だからもてる為に色々努力とかはしたけどね。スポーツもその一環だと思ってたし。あとね、その頃、香水とか流行ってたんだよね。ムスクってのが流行ってたの」
▶異性を魅きつけるとかいうやつでしょ。
「そそそそ。ムスクってのは、原料を鹿のどっかから取ったってやつでさ」
▶精巣から取ったとかいうんでしょ。
「そうだっけ。んで、それを付けると、女の子は思わず抱き付きたいような気持ちになるって聞いたわけ。これが俺にとってはすごくてね、『オッケー、問題無いまくり!』とか思ってね、ばっこんばっこん付けてたら、『岡村君、臭い』とか言われてね。でもね、そういう努力って常にしてた。『清潔好きはモテる』とかって明星に書いてあったりすると、必ず物凄い清潔にしてたりとかね。そういうとこは、もしかすると普通の人より努力してたかも知んない」
▶何で女の子に対してだけは、そういう尋常じゃない努力をしてたんですか。
「もてたかったんじゃないかな。で、問題は、今でもやっぱりそうだけど、自分からは告白しないっていうことで。自分からはどうしても言えないなっていうのがわかってたから、ということは、相手に言わせるしかないわけでしょ。んで、それなのに、もてたいという気持ちだけはすっごい強かったから、努力するしかないよね、人からは好きだって言われるように」
▶でも、何でそんなに人一倍もてたい愛されたいという動機があったんだろう?
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わからない」
▶岡村さん、お母さんは好き?
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうねぇ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お母さんねぇ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
▶それじゃあ、中学の頃の恋愛体験にはどういうのがありましたか。
「全然、恋愛体験らしい恋愛体験はないね。全部空回りに終ってる。一度も自分から言ったことないわけだし、高校になってからも言わなかったけど。女の子からも、本気で告白してきたっていうのはなかったしね。グループ交際ってのはやってたけど、学校抜け出してボーリング行ったりとかね」
▶でも、スポーツで多少目立ってんだから、結構もてたんじゃないですか。
「そうなんだよね、キャーキャーとか言ってくれたんだけど、全然なかったね。電話かかってきて、今から会いたい、みたいなのは」
▶でも普通、スポーツやっててさ、ルックスも悪くないわけだし、それなりにもてそうなもんだけどね。
「あと、やっぱり、大ボケやったっていうのもあったんじゃないかな」
▶女の子にとっては恋愛対象じゃなかったんだ?
「だって、学校中が大笑いしたわけじゃん、“セックスするな”事件って。岡村は大ボケだと思われてたんじゃないかな」
▶(笑)全女生徒から大ボケの人として認知されているという?
「じゃないかなぁ。例えば、岡村と付き合ったら『ええっ、あの大ボケと!?』ってことになってたんじゃないかな」
▶(笑)そういう状況っていうのは、自分にとってはかなり苦しかったんですか。
「それはもう、苦しい以外の何物でもない。て言うか、自分は気が狂ってるんじゃないかっていうのの、一歩手前まで思い詰めるわけ。俺は物凄いシリアスに、すっごくいいこと言ったつもりだったわけ、セックスするなって言った時にね。みんなが感動して泣いてもいいくらいだなって思ってたわけ。ところが、みんな大笑いするわけじゃない。大笑いするっていうことは、僕の存在自体がすごいおかしいと思ってるわけじゃない。今回のアルバム(『靖幸』)じゃないけど、僕が自分自身をばーってさらけ出した時に、そんな風に思われるわけだから。そりゃ“セックス”って言葉自体、言うのは恥ずかしかったけど、中学生だから当然。でもね、それよりも、自分が言おうとしたメッセージが伝わるんじゃないかと思って、みんな感動してくれるんじゃないかと思って、そのことの方が大きいと思って言ったんだけどね。なのに、すごい大笑いされてね、俺は頭がおかしいんじゃないかって思う一歩手前で、物凄い恐怖を感じたよ」
▶なるほどね。「ひょっとしたら俺は」っていうのが、そこで初めて自覚されたわけですね。
「しかも、悪いパターンでね。だから、俺はいっつも一番格好いいじゃんって思った服着てるんだけど、それが他の人にとっては、大笑いの服装なんじゃないか、みたいなさ。それはやっぱり恐いよ、物凄く」
▶じゃあ、自分が「ここで他人よりも抜きん出てるんじゃないか」って才能の部分をね、あえて、自覚しないように、しないようにしてたってことはないですか。
「だから、一回押さえてた時があった。中学2年か3年の頃、こりゃまずいって思って。自分は気が狂ってるんじゃないかって思う一歩手前だからさ。この前のインタヴューでも言ったけど、自分の中で、話したい言葉を2回も3回もくり返して、で、ちょっとでもおかしい部分があったらそれを削除してって、みたいな流れ作業をやった上で、発言してた。でも、それやると、前にも言ったように、よくないことがたくさん起きるから・・・・・・やめた。で、そういうことやってる自分が物凄く空しく思えた。なんて悲しい人間だろうって」
▶・・・・・・そりゃ、疲れるよ。
「疲れるし、悲しい。・・・・・・(突然、大声で)『俺たちはっ、―――だよなあっ!!』みたいなのと全然逆の世界。本当はそういう熱いこと言いたい年頃じゃない。それを押さえて、自分の中で流れ作業やんなきゃいけないっていうのは、結構悲しいもんがあるよね」
▶それは、もっぱら例の事件だけがきっかけになってるんですか。
「いや、それ以外にもたくさん色んなことがあったんじゃないかな」
▶そういうのが精神的な傷みたいになっちゃったんだ?
「うん。前にも言ったけど、人の78倍から96倍は多いからね」
▶そういうことを自覚したのが中学生くらいだとすると、結構遅いですよね。
「いや、小学校の頃もあったと思うんだよね。ただ、小学校と中学校で違うのは、小学校の頃は大ボケの奴とかたくさんいるんだよね」
▶あ、そうか。
「俺だけじゃなくて大ボケ軍団がたくさんいるの。マンガに出てくるようなわけのわからんない奴とかね」
▶そういう人たちも、思春期になるとたいてい直るもんね。バランス感覚が育つからね。ところが岡村さんだけは、そういうバランス感覚が育たないまま(笑)。
「だって、俺、今でも大ボケとかあるんだもん。今23歳だけど」
▶(笑)でも、そういうハズシの状態というのは、段々バランスを回復してくるんじゃないですか、成長するに従って。
「それはね、今までずーっと続いてるんだよ。今回のアルバム(『靖幸』)とかね、俺にとっては物凄いシリアスなわけ。もう、ほんっとに、自分の身体ちょん切って出したみたいな、ほんっとにレアで、すっごい、ある意味でヘヴィーなアルバムだと思ってるのね。でも、やっぱり、『このアルバムは笑える』とか、時々雑誌とか見ると書いてあるしね。『岡村は笑える』とかよく書いてあるしね。今でも全然続いてんだよね」
▶じゃあさ、岡村さんが笑える人っていうのはどう人(原文のまま)なの?
「とんねるずとか大好きだけど」
▶(笑)あ、そう。でも、あれは笑わそうとしてやってるわけでしょ。そうじゃなくて、真面目にやってんだけど、大笑いだよなぁ、あいつ、みたいなの。
「知らない、そんなの」
▶(笑)知らないっスか。人を傷つけることのできない人間ですね。
「・・・・・・そうかなぁ」
▶ただそういう恐怖を抱えてはいても基本的に明るい子だったんでしょう。
「そんなに明るかったかなぁ。結構、恐怖だったよ、基本的には。一番ひどかった頃はね、人がたくさんいるとこに行くと気持ち悪くなるの。マクドナルドが大好きだったのね、中学の後半の頃。ビッグ・マックとチョコレートのマック・シェイクを食べたくてしかたなかったんだけど、絶対1人では行けなかったね。自分と同い年くらいの人がたくさんいるとこ、だめだったからね」
▶中学、高校の頃には、この人は自分が心から愛する大切な人なんだっていう具体的な恋愛対象になる人がいたんですか。
「たくさんいた。かわいいなぁって思う人がたくさんいた」

文字起こし人:紅林



今回のインタビュー記事を読むとわかるが、岡村靖幸は学生時代、勉強が出来てスポーツ万能で女子からはモテるようなタイプでは決してなかったようだ。いわゆるクラスのなかの派閥でいうところの“派手グループ”には属していなかったようだ。むしろ地味グループだったのだろうと予測される。

▶全女生徒から大ボケの人として認知されているという?
「じゃないかなぁ。例えば、岡村と付き合ったら『ええっ、あの大ボケと!?』ってことになってたんじゃないかな」



人がたくさんいるとこに行くと気持ち悪くなるの。マクドナルドが大好きだったのね、中学の後半の頃。ビッグ・マックとチョコレートのマック・シェイクを食べたくてしかたなかったんだけど、絶対1人では行けなかったね。自分と同い年くらいの人がたくさんいるとこ、だめだったからね。



自分の中で、話したい言葉を2回も3回もくり返して、で、ちょっとでもおかしい部分があったらそれを削除してって、みたいな流れ作業をやった上で、発言してた。



などの発言からも、かなりイケてない男子であったことは間違いないだろう。「のび太みたいなもんだよ。あんなにいじめられてないけど、ホントにあんな感じじゃなかったかな」という発言もあったように、岡村靖幸という人のデフォルトは“冴えない男子”なのだろう。

岡村靖幸の本当のところは「大ボケで冴えない男子」であるという事実は案外大事な事柄なのではないだろうか。岡村靖幸のパブリックイメージは、音楽の天才で、誰よりもむき出しで痛々しいほど正直なメッセージを発信していて、変態で、エロくて、変な踊りを踊っていて、顔は一見キムタク似のイケメンなのにときたまコロッケの面影が覗きどこかしら笑える、でもカッコイイ…といったようなイメージだと思うのだが、実際はイケてないわけだ。

結局のところ岡村靖幸はミュージシャンとして大成功して、“イケてるグループ”のなかで活躍していたわけだけど、本来は全くイケてない岡村靖幸がイケてるグループの中で頑張りすぎた結果が「家庭教師」以降の引きこもり、または近年の逮捕に繋がっているような気がする。

う~ん…。なんかわかりにくい文章ですいません。なんかさ、僕自身もどちらかといえば学生時代はイケてないグループに所属していたので、ひょんなことからイケてるグループに入っちゃったときの、なんっつーか身の置き場に困る感じ?とか焦燥感とかがわかるので、本当は全然イケてない岡村ちゃんがミュージシャンという、いわば“日本のイケてるグループの総本山”のなかで生きていくのはかなり息苦しかったのではないかとふと思ったのでした。

岡村靖幸の記事
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