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精神講座 創ることと魅せること (前半)

月刊カドカワ 1992年10月号 VOL.10 NO.10

表紙 総力特集 最初で最後の永久保存版
岡村靖幸  やさしく愛して

● INDEX
P20〜P21
 総力特集 やさしく愛して 
P22〜P31 
スピリチュアル・メッセージ どんなことして欲しいの、ぼくに 
P32〜P37
コンプリート・ヒストリー さまよう青春
P38〜P41
証言構成 ミステリアスな彼について、思うことがある――靖幸のこと
P42〜P47
本人自身による全アルバム解説
P48〜P50
本人自身によるニュー・アルバム遅延経過報告
P51〜P58
イケナイコトカイ(カラーグラビアのため掲載予定無し)
P59〜P77
実物大 岡村靖幸  図と解説 江口寿史(写真と江口氏によるイラストのため掲載予定無し)
P78〜P79 
最終家庭教師 江口寿史(江口氏による漫画のため掲載予定無し)
P80〜P89
精神講座 創ることと魅せること






P80〜P89
精神講座 創ることと魅せること
岡村靖幸  特別講師/吉川晃司


七年前に知り合い、刺激的な青春時代を共に過ごした二人。
友達でもあるが、お互い独自の音楽を追究し、
第一線で活躍しているアーティスト同士。
二人にとって、ものを創り、人を魅了させる意味とは・・・・・・。

撮影/井出貴久
進行/佐伯明
構成/木村由理江



吉川 今日は何をお話すればいいでしょうね(笑)。
岡村 んー、夏風邪には気をつけろ、ということで。
吉川 なるほど(笑)。
岡村 僕は三日間ほど寝込んでました。夏風邪の怖いところは、お腹が空かないところ。
吉川 ちょうどいいじゃない、減量になって(笑)。
岡村 そういう痩せ方じゃだめなんだよ。
吉川 健康的に痩せないとだめだ、と。
岡村 それで最悪なのは、仕事が入っても夏風邪はやってくる、というところ。しかも急には治ってくれないんだよ、注射でも打たない限り。
吉川 で、注射を打つのは嫌いだ、と。じゃあ、どうやって治したの?
岡村 いつも通っている整体の先生にきいた方法で。お湯のなかに足を浸けて、そこに三十分おきくらいにすっごく熱いお湯を足すんだよ。でも、それだけじゃダメで、発汗させるために服を何枚も重ねて着てジーッとしてるの。で、出てきた汗を拭いて、着替えてっていうのをくり返したんだよ。
吉川 なるほどね。で、知り合ってからもうどれくらいになるんだっけ、俺たち。七年くらい?
岡村 長いよね。
吉川 最初、曲を書いてくれたんだよね。
岡村 それもあるけど、みんなでつるんで遊ぶのが流行ってたころでさ、鈴木賢司とか、みんなでしょっちゅうディスコに行ったりカラオケに行ったりしてたんだよ。
吉川 そうだそうだ。尾崎(豊)なんかも一緒で、みんなで盛り上がってたんだ。バーでダイアモンドが転がっている、みたいな時代だったんだよね。別にお酒を飲むのがどうのこうのっていうより、みんなでつるんでどっかに行くっていうのが刺激的だったっていうかさ。今度はいつ会おうっていうことではなくて、なんとはなしに集まって、なんとなくはけるっていう感じだったんだよね。
岡村 特別に何かを話すっていうわけでもなくね。
吉川 一緒に体温を交わしあう、とかそういうことだけで安心できたり触発できたりしたんだよ。言葉で気持ちを交わす必要がない、みたいなところってあってさ。といっても、そうしょっちゅう会ってたわけじゃないよね。年に二、三回、かな。あの頃は俺も酒を飲むのが好きだったし、岡村は踊るのが好きだから、譲り合いだったんだよね。今日は飲みに行こう、とか、今日は踊りに行こう、とか。岡村、踊るからなあ(笑)。
岡村 晃司だって、飲めないと怒ってたじゃないか(笑)。
吉川 まあね。でも、同じ歌い手でこういう感じの、カインド・オブ・友情っていうのがあるのは珍しいよね。なかなかこうはなれないからさ。続いてるしね。
岡村 バンドじゃなくてソロでしょ、僕たちは。当たり前なんだけど、ソロっていうのはバンドとはぜんぜん違うから、共有できる悩み、みたいなのが多いっていうのがあって話してても盛り上がったのかな。
吉川 あとはいい意味でも悪い意味でも孤独感を共有できるというのはあるね。なんでも追求していけばいくほどひとりの要素っていうのは増えるでしょ、だからかな。実際ビジネスで関わってないっていうのもあると思うけど。
岡村 晃司の場合、自分でも多分わかってると思うけど、とりあえず、メチャクチャ性格がいいっていうのが基本にあるよね。
吉川 そうそうそう、俺はメチャクチャ性格いいけど、お前はメチャクチャ悪いから(笑)。
岡村 あとは生き方で、自分の持ってないカッコいいところっていうのは確実にあるから、それにやっぱり刺激されるし、それがあるからずっと付き合ってるんじゃないかな。しかも、同じ歳でソロ歌手で、とかいったら、ほとんどいないもんね。
吉川 同じジェネレーション、ということで、物の見方が離れてないっていうのもあるよね。でも、俺らのあとからでてきたアーティストとは違うんだけどさ、また。
岡村 僕もそう思うな。ちゃんと話したことがないからあまりわからないけど、上の世代とも下の世代ともあんまりしっくりこないっていうかね。
吉川 合わないんだよな。同じ歳でもちょっとあとから出てきたバンド系の連中とはぜんぜん合わないしね。深く話をするわけじゃないんだけど、回転の周期が違うから歯車が噛み合ないっていう感じだよね。お互いに合わそうとしていないっていうのもあるけど、その点、岡村とは合わそうとしなくても合うっていうかね。おもしろいよね。今度一緒に飲みに行って友情を深めようぜ、というところから入ってないにもかかわらず、何となくいつも頭のどこかにいるんだよね。


俺らってけっこう女の子に対しては小心者だよね

岡村 僕たちは大学に行かなかったわけでしょう。いまはそんなにうらやましいと思わないけど、当時は「オールナイトフジ」とか流行ってて、いろんな女と出会いやがってっていう感じで大学生が強力にうらやましかったころでさ。そういうの全く経験してなくこの世界に入ったから、これはこれで俺たちなりの青春さっていう主張だったのかもしれない。とりあえずは青春したいっていうかさ。あとで振り返ったときに、音楽だけやってました、みたいなのは青春じゃないんじゃないか、とかね。
吉川 いわゆる、同じ年代のみんなが感じるフリーダム感覚っていうのは僕らにはなかったと思うよね。その分エキサイティングなものはあったけどね。でも、岡村は俺よりデビューあとだからさ、少しは・・・・・・。
岡村 でも、僕も大学行かなかったからさ。
吉川 でも俺、岡村みたいに遊びたい願望ってあまりなかったな。それよりも、知らないフィールドに突然出て、「ザ・ベストテン」とか「ザ・トップテン」とか出ていて、夢見、憧れてたものと現実はかけ離れてるんだ、みたいなところがあったからさ。あのころはそれをちょっと壊してやろうかな、みたいなところで燃えてた。当初はそんな手段がわからないからさ、ホントにセットなんて壊しちゃった、みたいなね(笑)。そういうことに明け暮れてたよね。
岡村 ふうん。
吉川 恋愛なんかは、普通の人が味わうようなものは味わえなかったけど、普通の人が味わえないものを味わってるよね。ほとんど『007』みたいなデートだったから(笑)。だって写真週刊誌の記者がバイクや車でバンバン追いかけてくる、みたいな状態だから、いやがおうでも恋が盛り上がるっていうのかな。追いかけられると結束しちゃう、とか、会えない時間が長いと燃える、とかさ。そういう映画のような恋をせざるを得ないようなシチュエーションを作られちゃってた。だから、都内の一方通行の道とかだいたい知ってるよね。一方通行だと相手も逃げられないから、車止めてうしろに走っていってボンと一発殴って、鍵を取って捨てて「じゃあね」って言って行く、みたいなこと、けっこうしてたからね。
岡村 うーん。僕はまず、出会う機会があんまりなかったからなあ。僕はシャイだから飲み歩くっていうこともあまりしなかったし。出会う機会を作ろう、と思って大学に行こう、と思ったことあるけどさ。
吉川 そういえば岡村、そんなこと言ってたな。
岡村 そう。それで青山学院大学に行こうと思ったんだよ。チャラチャラしてそうだし、いいかな、と思ったんだけど、意外に入るのが難しいっていうのと、一年か二年の間は青山の校舎じゃないっていうのが思ってるのとぜんぜん違うなんていうことになってあきらめたんだよね。で、スポーツ・クラブに入ろうかなって思ったんだけど、スポーツ・クラブに出会いは・・・・・・。
吉川 行ってるじゃないかよ、スポーツ・クラブに(笑)。
岡村 行ってるよ、行ってるけど・・・・・・。
吉川 お前の行ってるようなスポーツ・クラブに入っているやつは、ナンパ目的のやつばっかりだろう(笑)。
岡村 うるさい!(笑)お前はそういうこと言わなくていいよ、ここで。だから僕は出会う機会がなかったんだよね、スポーツ・クラブでも。僕にとってすごく大きいのは、自分から好きだって言えないことなんだと思うな。酔っ払おうとなにをしようと、自分からは言えない。
吉川 俺も言えないよ。
岡村 だから、街を歩いてるとすごくかわいい子がたくさんいるから、そういう子に声をかけられるようになったら、僕の人生は変わるなっていつも思う。
吉川 そういう状態じゃさ、仮に大学に入ってたとしても駄目だったんじゃないの。
岡村 いや。大学に行ったら付け髭みたいなのを付けて、名前も違う名前で登録してさ、それでいろいろサークルとか入ってさ。いろいろ出会っているうちに、僕が好きだって言わなくても誰かが僕を好きだって言ってくれたりすればうまくいくかなって思うんだよね。僕、僕だってわからないのがいいから。
吉川 そりゃあ無理だよな。
岡村 だから無理じゃないように変装するんだよ。よく、TV番組とかであるじゃない? 普段は焼きソバ屋のオヤジなんだけど、実は探偵だった、とか、そういう感じってカッコいいって思ってたから、そういうのやりたいなって思ってたんだよね。
吉川 俺らってけっこう、女の子に対して小心者になっちゃうところあるよね。こっちが好きでも相手が俺たちのなにが好きなのかわからないじゃない。一応世の中に名前が出てるからね。その辺で傷ついちゃったりさ。俺なんか、帰ってきたら貯金通帳とか洋服ダンスの洋服が全部なかったり、とか、あったからさ。
岡村 そんなことさ、発表しなくていいよ。
吉川 いいじゃん、俺は言いたいんだから。
岡村 そうか・・・・・・。
吉川 俺はいつも素顔のままだからさ(笑)。
岡村 はいはいはい。
吉川 そういうところで捩れちゃうところ、あるよね。やっぱりシャイだからさ、俺もけっこう言えないんだよね。なにかさ、様式美系の音楽をやってるってことはさ、本当の自分はシャイだから虚勢張ってる、みたいなところ、あるよね。逆にすごくシリアスな歌を歌っている連中のほうが、そういうところに長けてたりさ。おもしろいよね。だから、俺たちが表に出しているものっていうのは、憧れでもあるわけじゃない、自分にとっても。こういう男になりたい、とかさ。例えばステージに立つとそういうふうに振る舞えたり、大きな声でモノが言えたりする。その魅力にひかれていまの自分がここにある、みたいなことになるんだけど、実際の自分はすごく逆だったりするんだよね。
岡村 だからっていうことになるのかな。二人ともなんで突っ張らなきゃいけないんだかわからないけど、突っ張らなきゃいけない状況っていうのがあるよね。
吉川 うん、突っ張っちゃうよね。
岡村 突っ張ることがカッコいいと思ってるもんね。
吉川 醒めることにすごく臆病で、醒めたくない、醒めたくないって思ってるんだよ、きっと。そう思うことで自分を活性化できるっていうか、血の巡りをよくできるっていうか。



文字起こし人:紅林



岡村靖幸と交友のあるミュージシャンといえば、小室哲哉、渡辺美里、石野卓球、川本真琴、CHARA、大江千里(?)などなどたくさん思い浮かぶが、そのなかでも、特に交友が深い親友といえば吉川晃司と尾崎豊であろう。岡村靖幸がR30に出演した際には、吉川と尾崎と共に遊んでいた頃の話をしていたし、生前の尾崎豊はラジオ番組「SFロックステーション」に出演した際、岡村靖幸とのエピソードを笑いをこらえながら嬉しそうに話していた。

ちなみに尾崎豊がそのラジオ番組に出演した回というのは例の事件で逮捕され復帰後の出演だった。なので、はじめの方は、深刻な口調で謝罪し終始暗めのトーンで喋っていたのだが、後半になるにつれ緊張もほぐれ、岡村靖幸の話題の時にはすっかり持ち前の明るさを取り戻し、「おっかむらー愛ってなんだーって感じですよ」とか「あぁー岡村に会いたくなってきたなあ」などとカラカラ笑いながら話していた記憶がある。

同い年、ソロミュージシャン、十代でデビューなどの共通点により仲が深まった尾崎、岡村、吉川。このインタビューが行われた半年前に尾崎豊は亡くなっているため、岡村と吉川、二人の対談となっているが、もし、尾崎豊が生きていたら、岡村、尾崎、吉川3人での座談会になったのだろうか…、と考えると、なんだかため息が出てきますねぇ(僕は尾崎ファンなので)。

さて、対談内容ですが…やはり気心知れた間柄だけあって、遠慮がないですね。特に吉川の岡村ちゃんに対するものの言い方に躊躇がないため、読んでいるこちらが側が心配になってしまう。なんつったって初っ端から


ちょうどいいじゃない、減量になって(笑)。



岡村靖幸の最大のタブーは体系。そこをいきなり突いている。まあ、でもこの頃は映像作品でいえば「ファンシーゲリラ」と同時期だから、まだそれほど太ってないころか。でも、岡村靖幸本人はかなり気にしてたんだよな。「ファンシーゲリラ」を観ればわかるが、画像はを縦長に編集して少しでも体を細く見せようとしていたもんねぇ。他にも


お前の行ってるようなスポーツ・クラブに入っているやつは、ナンパ目的のやつばっかりだろう(笑)。
岡村 うるさい!



俺はメチャクチャ性格いいけど、お前はメチャクチャ悪いから(笑)


吉川 俺はいつも素顔のままだからさ(笑)。
岡村 はいはいはい。



もうさ…吉川スゲーよ。今、岡村靖幸に対してこんなこと言える人なんていないよねぇ。岡村ちゃんの受け答えも「うるさい!」「はいはいはい」って。岡村靖幸ってそんなキャラだったっけ?「お前はメチャクチャ悪いから」に対しては何も反応せずに華麗にスルーしているのも笑えるな。次、岡村靖幸が復活したら、ぜひ吉川晃司と対談をやってほしいな。そんで、岡村靖幸のタブーにズバズバ突っ込んで欲しいもんだ。「お前さ、太り過ぎだろ」とか「覚せい剤はやめられそうなの?どうなんだよ?」とかズバっと聞いて欲しいよ。ま・・・岡村ちゃんが断るだろうけど。

今回は全体的にたわいもない話が多いけど、後半はやや真面目なお話になります。つづく。
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ツイッターを先取りした「サブカルの戯言」も本日にて終了。332回の戯言のご愛読ありがとうございました!!
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